愛する人は身分が低いから婚約できない。だからお前と仕方なく婚約したといわれた私。お飾り婚約者でいてくれと言われ、私は無視され殿下に離宮に追い払われたのですが…
「私は、侍女のベアトリーチェを愛している。お前のことはどうでもいい」
私は殿下と婚約したその日にこう宣言されました。
私は侯爵令嬢のリリス、殿下の婚約者として相応しいと選ばれ今王宮に入ったところです。
しかしそれならどうして私と婚約を?
「身分が低いからベアトリーチェとは婚約できないと陛下に言われたからだ」
私は子爵の令嬢で行儀見習いで侍女に入ったベアトリーチェさんを愛していると目の前に連れてきて、手を握り合いイチャイチャするのを見せつけられました。
「婚約者として仕方なくお前を置いてやる感謝しろ」
離宮に追い払われ、私は殿下にそれから無視される日々が始まりましたわ。
侍女さえつけられず、私はどうしたらいいか迷いました。
でも陛下と王妃様に相談してみたところ、あいつもいつか目を覚ますから大目に見てやってくれと頭を下げられ…。
それから三か月、私は殿下に無視され続け、ご挨拶をしても目も合わせてくれません。
ベアトリーチェさんを抱きしめ目の前でキスをされたこともありました。
「側妃としてならベアトリーチェを置いていいと父上に言われた…。お前が正妃になると…」
ある日、私はこう殿下に宣言されました。
いえ確かにそれは歴代の王からしてありといえばありですけど…。
婚約者の前でいう言葉ですか?
数々の無視されたり、なじられたりした記憶が頭をよぎり、私は悔しさに唇をかみました。
私はとうとう堪忍袋の緒が切れて…。
この二人に復讐をすることにしたのです。
「おい、お前何をした!」
「何もしてませんわよ」
「父上と母上がベアトリーチェと私を別れさせると!」
私はそうですかとにっこりと笑いました。
殿下が慌てていますが想定内ですわ。
「横領をするような子爵の家の娘など、側妃にすらできないと! 実家に戻して処分すると!」
「はあ」
私はベアトリーチェさんの家のことをただ調べ上げただけです。
彼女のお父様の黒いうわさのことは聞いたことがありましたから…。
私は仮にも侯爵令嬢、そんな私がばかにされて黙っているわけにもうちのお父様はいかないだろうと説得したのですわよ。
お父様の力を借りて調べましたところ…でるわでるわ。
「商人との癒着に、税金をごまかして横領…うそだろ! お前が何か!」
「嘘って、陛下が言われたことなのに嘘と言われますの?」
私が笑うと殿下がうっと詰まります。私は一つの書状を殿下に渡して、私はそろそろ帰りますわねと手を振りました。
「おい!」
「婚約は解消させていただきますわ。殿下、自分の身を心配されたらいかが?」
父である侯爵が調べ上げたことに間違いはありません。私は婚約解消をすることをつづった理由書を陛下にも提出しており。それが承諾されたことを記す書類を殿下に渡したのですわ。
あ、殿下のことはもう大目になんて見られない廃嫡するって言われてましたけど。ベアトリーチェさんは修道院送りだそうですわ。
私はカバンを手にではごきげんようと微笑みました。
魔法学園にまた戻りましょうかね。
私はふふっとこれからの生活を思って笑うと、殿下が書状を読んで崩れ落ちるのが見えました。
さすがに馬鹿にされて黙っているほどおとなしい女でありませんわ!
どうぞ真実の愛に生きてくださいお幸せにと私は微笑んだのでありました。お父様がこんどは誠実な方て婚約者にしてくださると言いましたし私も幸せになりますわね殿下。
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