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83 彼とクソガキ団とSHOWTIME

「じゃあ、私たちは先に行っているね」


 彩ちゃんの言葉に、私も冬君も目を丸くした。迎えに来てくれたと思っていたから、どういうことなんだろう? と思わず首を傾げてしまう。


「だってココまで来たら、二人で行きたいだろうなって思ったわけですよ。ねぇ、上にゃん?」

「いや、そんなことは――」

「あるでしょ?」


 と海崎君は冬君を制止して言う。ニッと笑みを浮かべて。


「冬希はね、自分が思う以上に下河を溺愛しているし、独占欲がかなり強いからね」


「そ、そんなこと……」

「それはゆっきにも言えるかけどね」


 今度は私に飛び火した。


「クールで冷静、基本真面目。口を開けば優しいけど、微妙に毒舌。恋愛なんか興味も無いって公言していた子は、いったい誰でしょうね? 手鏡で見せてあげようか?」


 ニッと彩ちゃんは笑う。かつての私の他者評価は彩ちゃんが言う通りだ。だからこそ人好きのする彩ちゃんと比べられて、私は受け入れられなかったワケだけれど――。


「まぁ、毒舌という評価はちょっと違うよね。ゆっきは、昔から照れ屋さんだから。でも、間違いなくそんな【雪ん子】を溶かしちゃったのは、上にゃんだよね。こんな素直なゆっき、見たことないもん」


 彩ちゃんと海崎君は、見合わせたように笑う。

 実感はある。


 ――恋愛? 興味ない。恋とかよく分かんない。

 ――あんまり彩ちゃんをからかうと、ぶん殴るよ?

 ――虫が怖いの? 海崎君も空も女の子みたいだよね。

 ――そういう人に迷惑を掛けるイタズラは好きじゃないかな。

 ――でも、やるならトコトンでしょう?


 あの頃の私は、恋も憧れもなく。ただ彩ちゃん達と走り回っているのが楽しかった。でも、男の子も女の子も成長していく。女の子はより女を意識して。私の感覚は幼すぎたし、男の子達の世界は、気付けばあまりに遠かった。


「……俺はその時代の雪姫を知らないから、何とも言えないけどさ。やっぱり雪姫は雪姫だって思うんだよね」

「冬君?」


 私は目をパリクリさせる。


「俺と出会って変わったって意味なら、俺も雪姫と出会って変わったから。でも、雪姫の素直さも。真面目なトコ、努力家なトコも。全部、雪姫の根底に最初からあったって思っているよ。それに誰も気付かなかった、それだけで」

「言うよね、冬希は」


 海崎君が嬉しそうに笑う。


「それに、さ。今日、色々な人が騒いでいたけど、それこそ勘違いだから。雪姫は髪を切ったから可愛くなったわけじゃないからね」


 チクッと胸が痛くなる。冬君からしてみたら、この程度なのかもしれない。そりゃ、そうか。COLORS(カラーズ)としてステージでスポットライトを浴びてきた人だ。私なんかより綺麗な人を腐るほど見てきたんだから。そんな人達に対抗心を燃やして背伸びをしようなんて、そもそもおこがましい――。


「雪姫は最初から綺麗だったよ。誰よりも、どんな人よりも。俺、初めて会ったんだ。こんなにステキな人がいたのかって。そう思っていたから」

「う、うん……」


 冬君の言葉が私の頭の中を占めて、何も考えられなくなってしまう。頭がぼーっとして熱くて。いつも欲している言葉を、惜しげもなく私にくれる。


 恋とかよく分かんない――それは今だって、そう。冬君が私の心をかき乱す。冬君が私の心を満たして。冬君の眼差しを、やっぱり全部、独占したくて――。

 気付けば、冬君に抱きついている自分がいた。


「だから、そういうトコなんだって、冬希は」

「ゆっきは、またオーバーヒートした、と。これはもうちょっと、かかりそうだよね」


 海崎君と彩ちゃんが苦笑まじりの呟やきが、鼓膜を震わせるけれど、私には届かない。だってこの気持ち、どうやっても抑えきれないから。


「二人でおいで? でも、その後は僕らにもサポートさせてよ?」


 海崎君はそう微笑む。

 でも、その言葉も冬君に包み込まれて――甘い温度の前では、あっさり溶けて消えていってしまったんだ。






 文芸部の部室の前に、ようやく私達は立つ。

 緊張して、つい体が強張ってしまう。と、冬君が私の手をキュッキュッと軽く、握り直してくれた。それだけで、収縮した血管に暖かい血液が流れ込むような感覚を覚える。


 海崎君も彩ちゃんも、とうに文芸部の部室――図書室へ戻ってしまっていた。正確にはその奥の書庫――司書室が文芸部の部室になるのだけれど。


 すぅーっと深呼吸をする。

 その息が重なって、私は冬君と目を見合わせて、同時に苦笑が溢れる。


 一緒の動作(モーション)で。


 ココまで、冬君と一緒に来ることができた。もう文芸部に足を踏み入れるのは無理と思っていた――こともあった。


 ほんの些細なことをキッカケに呼吸は乱れちゃうけれど。

 でも、この一歩を踏み込むのは―― 。


 彩ちゃんと海崎君には散々呆れられたけど、やっぱりこの一歩を踏み出すのは、冬君と二人が良い。


 私達は、図書室のドアを開けた。ゴールデンウィークの最中、休館中だ。ブラインドが降りた図書室は、非常灯だけが薄暗く灯す。慣れ親しんだ本の匂いが鼻腔を刺激する。見慣れた光景。その奥――司書室へ。二人でドアノブに手をかけた。


 灯りが、ドアの隙間から漏れる。

 ゆっくりと図書室へ、光が差し込んだその刹那。




 パンッ!

 音が派手に弾けて――。



「キャッ――」

 紙吹雪が舞って、音が弾ける。反射的に私は、冬君の腕に抱きついてしまった。





■■■





 暗闇のなか。

 薄暗い光は、バレンタインのあの日を想起させる。でも、あの時のような悪意は、この場に存在しなかった。ただ、ただ、優しい空気に包まれていることを肌で感じた。


 私は恐る恐る、目を開けた。冬君の温もりを感じながら。大丈夫、息は苦しくない。私、しっかりと呼吸をしている。


「雪姫」

「ゆっき」

「下河」

「下河さん」

「下河先輩」


 様々な声が私を呼ぶ。


「雪姫」


 私の隣で、囁くように冬君が名前を呼ぶ。


 総勢で20名以上。目の前には、彩ちゃんや、海崎君、瑛真先輩、私の知っている子、それから私の知らない子もいる。みんな、その手には使用済みのになったクラッカーを持っていた。


 とくん、とくん。

 心臓が鳴る。


 でも、みんなの眼差しは、暖かくて。息は巡る。酸素は循環して、苦しくならない。でも、ドキドキする。心臓の拍動が止まらなくて。思わずぎゅっと、冬君の腕を抱きしめてしまう。


 大丈夫――。


 そう冬君(あなた)は囁く。


 とくん、とくん。

 心臓が鳴る。


 まるで、時が止まったかのように。

 大きく黒板に書かれた文字と。声が重なったんだ。




「「「「「おかえりなさい、文芸部に!」」」」




 その言葉を認識できるまでに、数秒。私の双眸から感情が雫となって流れ、抑えることができなかった。

 と、冬君が私の髪を撫でてくれる。みんなが見ているのもお構いなしに。


 私も、感情を制御できなくて、思わず冬君の背中に両腕を回す。


 どうして良いのか分からない。

 どうやっても、この感情は抑えられない。


 でも、飲み込まないといけない感情じゃないから。

 冬君と出会ってから、ずっと肯定してもらっているから。


 だから、もう自分の気持ちを誤魔化したいなんて思わない。


 と、冬君が私の耳元で、小さく指をパチンと鳴らす。

 冬君はイタズラが成功したと言わんばかりに微笑んだ。


「It’s showtime!」


 そう冬君が言った瞬間、まるでパーティーを始まりを告げるかのように、ダンスミュージックが流れ出す。司書室の中を赤や青、緑の照明が交互に点滅する。そんな不思議な光景に、私は思わず言葉を失ってしまった。


「……ふ、冬君? こ、これ、って……?」

「みんな待っていた、ってことだよ。――雪姫、お帰り」


 冬君に抱きしめられたまま。耳元で、そう甘く囁かれた。





■■■





「「せーのっ」」


 と瑛真先輩、彩ちゃんの声が重なる。


「「サプライズ、だいせいこうー!」」


 満面の笑みで瑛真先輩も彩ちゃんも言う。喉元まで出かけた文句は、声にする前に霧散した。


「やったね、冬希」

 ニッと海崎君は笑む。


 このサプライズパーティーの発案は冬君なの? でも冬君の笑顔を見ていたら、そんな言葉あっさり溶けてしまった。


 嬉しい――その感情一色に上書きされてしまうから。


 それにしても、と呆れた。

 照明卓に、音響ブースまで設置して。

 照明を彩ちゃんが。音楽を海崎くんが操作する。


「光と黄島さんに、演劇部から借りてもらったからね」


 すーっと冬君が私の手を引く。


 彩ちゃんに合わせて、瑛真先輩もスポットライトを動かしていく。私達二人を照らす。

 まるでこの部室のなか、私達二人になったかのようで。


「お嬢様」


 すっと、冬君が私に向けて、手を差しのべる。


「|一緒に踊りせんか《shall we dance》?」


 そう冬君が言うから。そんなふうに言われたら、私がとる行動は一つしかない。


 制服の――スカートの裾をつまんで、ペコリとお辞儀をした。


「喜んで」


 私が手をのばすより早く――私は冬君にもう引き寄せられていた。





■■■





「それじゃ、改めて。雪姫が文芸部に来てくれたことを祝って。それから上川君が文芸部に入部してくれたことを祈って。二人が彼氏彼女になったことを()()()――」

「いや、瑛真先輩? そこは祝ってよ?」


 冬君が苦笑するのも何のその。こうなった瑛真先輩を誰も止められない。


「あのね、上川君? 文芸部でイチャついたらペナルティーだからね!」

「イチャつくって……。そこは俺も公私は分け――」


「「「分けられてないからね!」」」


 クソガキ団の面々、それぞれの声が揃う。


「えぇ?」


 と冬君は真面目に困惑しているのが可笑しい。世間一般的に見れば、バカップルの扱いになるのかも。でも、と思ってしまう。だって、足りないんだ。全然、まだまだ足りなくて。もっと冬君の温度を感じたいって思ってしまう。妥協も遠慮もしないし。誰にも冬君の隣は譲らないって――。


「言ってるソバから、視線だけでイチャつくんだよね君たちってさ? はっきり言うけどね、後ろで指を絡ませているのバレバレだからね?」

「この二人なら、毎日がペナルティーだね」


 海崎君がおかしそうに笑うけど、それはちょっと扱いがヒドイ。私達だって、TPOに合わせて節度を――。


「瑛真先輩? このままゆっきと上にゃんがイチャつくのを見ているのもしんどいから、そろそろ乾杯しない?」


 扱い、もっとひどくなってない?


「でもさ。どう言われても、ゆっきは上にゃんの隣を譲るつもり無いんでしょう?」


 彩ちゃんにそう言われて、私はコクンと素直に頷いてしまう。


 今まで自分の気持ちを飲み込んできた。


【雪ん子】を知るみんなから見れば、奇異に映ると思う。

 でも譲らない。譲れない。冬君のことは、例え海崎君にだって譲らない。


 だって私はワガママだ。

 自分でも気付いてなかったけど、実は甘えっ子で。


 でも頑固で――可愛気がないって、自分のことをずっとそう思っていた。

 素直じゃなくて。それなのに冬君の前だとこんなにも素直になれる。


 考えれば、考えるほどに。想いを巡らせば回らすほどに。募っていくんだ、冬君を好きっていう気持ちが。


 だって、あなたが手を差し出してくれた。私はその手を掴んだから。あなたが私を外に連れ出したから。だから――あなたのこと、他の誰にも触れさせてあげない。


 そんなことを、自然と思ってしまう私はどれだけ独占欲が強いんだろうって思う。でも、この気持ちは止まらないんだ。


 この気持ちを、冬君は全部肯定してくれるから。だから私は満たされて――呼吸ができる。その実感があった。


「それでは、改めまして!」


 と瑛真先輩がグラスを持ち直すと、音楽はフェードアウト。ライトは、柔らかく私達を包みこんでくれる。こういう時、彩ちゃんと海崎君はいつも息がピッタリで。そんな二人が羨ましいと思う。


「みんな、グラスを持ったよね?」


 見回せば、それぞれがすでにグラスを持っていた。私には冬君が渡してくれる。この香りは私の好きなアイスティー。本当、こういう瞬間まで冬君はそつがない。


「それじゃ、改めて乾杯といきましょうか。私達の仲間が帰ってきました。みんなが知っての通り、これでハッピーエンドというわけにはいかないけれどね。でも、文芸部で協力できることは何でもしてあげたいって、私は思ってるんだけれど……みんなは、どうかな?」


 間髪入れず、彩ちゃんや海崎君はもちろん、ココにいる全員が歓声をあげ、拍手で歓迎をしてくれる。

 私は目を丸くすることしかできなかった。


「そういうワケだから。雪姫? 上川君の次でいいから、私達を頼ってよ?」


 言葉にならない。どうして良いか分からない。感情とともに、視界が滲んでくる。もう誰にも期待しないって思っていたのに。冬君がいてくれたら、それだけで大丈夫と思っていたのに。


 でも彩ちゃんとまた話をすることができて――やっぱり彩ちゃんは、あの頃のままで。


 海崎君が、変わらず彩ちゃんの隣にいてくれた。加えて、冬君の親友になってくれた。


 冬君が抱えている寂しさ、それは私が癒やしたい。でもその一方で私だけじゃダメなんだって痛感する。男の子には、本音で話せる男の子の友達が必要だから。


 だから冬君と海崎君の笑顔を見るたびに――海崎君がいてくれて本当に良かった、と。そう思ってしまう。


 そして瑛真先輩は――いつまでたっても、私達の瑛真ちゃんで。クソガキ団の団長(リーダー)で。いつも背中を押してくれて、でも誰よりも涙もろくて。


「……ゆ、ゆっぎ。よがっだ、よがっったよぉ――」


 もう言葉にならないのは、私も一緒だった。もう感情は零れ落ちて、雫になってどんどん落ちていく。


「か、上川ぐん。もぉ、むり。むり。上がわぐんが、乾杯して、私はムリ……お、お願いっ」


 そんな瑛真先輩の言葉を聞いて、クスリと冬君は微笑を零す。


「それじゃ――乾杯っ」


 チン。小さく私と冬君のグラスが鳴って、私は目を点にする。今日の冬君は、イタズラっ子な笑みをずっと絶やさない。


「ち、ちがぅっ! みんなで乾杯するのー! なんで二人で乾杯しちゃうの?! そうじゃないでしょ、上川君のバカバカっ!」


「ナチュラルに冬希と下河って、二人の世界になるもんね」

「上にゃん、瑛真ちゃん壊れると面倒くさいから、そろそろこの辺で真面目にお願いね?」


「壊れるって、どういうこと?! 私は部長なんだよ? 彩音だって、だいたい初恋を拗らせてるくせに――」

「だから、そういうトコなんだって! そうやって余計な爆弾を突然投げてくるじゃん! 上にゃん、本当にそろそろお願い! これ以上瑛真ちゃんを暴走させないで!」


 賑やかな光景は、いつか見た懐かしい景色のよう――でも、これが私達の現在(リアル)で。

 その輪の中に、私も冬君もいる。まるで昔から、冬君は私の隣にいたかのように、自然にみんなに笑顔を咲かせていた。


 と、冬君がグラスを掲げる。

 左手は私の手を握ったままで。私は寄り添うように、冬君との距離を埋める。


「今日一緒に、同じ時間をみんなと共有できて本当に良かったって思っています。雪姫が学校に来ることができました。でも、本格的に学校に来るためには、学校の先生やカウンセラーの先生に納得してもらわないといけない――でも、それも雪姫は乗り越えてくれるって、そう思ってます」


 でもね、と冬君は言葉を続ける。


「今日、一緒に学校に来ることができたのは、文芸部のみんなが待ってくれていたから。そう思っています。今こうやって雪姫が呼吸ができることも。笑ってくれていることも、こうやって一緒に過ごせることも。全部、みんなのおかげと思っているから。だから――これからも、頼らせて?」


 間髪入れず海崎君を中心に拍手が鳴る。みんなからの肯定の証に、私の胸は熱くなった。こんな景色を見る日が来るなんて、思ってもいなかったから。


 だから――頑張ろう、って思う。何も気にせずに学校に行きたい。毎日、冬君と一緒に登下校して。放課後に他愛もないことをお喋りして。笑いあいたい。当たり前のことを、みんなと同じように。ただ当たり前に過ごしたい。


 そして、冬君のことをもっと知りたい。


 学校でどんな風にすごしているのか。冬君のその目に、どんな光景が映っているのか。できるのなら、その目に私だけを映してほしい。やっぱりそう思ってしまう。


 求めるようにきゅっと、冬君の手を握ろうとして――同時に、きゅっと握り返された。目をパチクリさせていると、冬君が柔らかく微笑む。


 ――だから、一緒にがんばろう。


 そう冬君は囁いてくれた。まるで冬君に全て包みこまれてしまった、そんな錯覚を覚える。全身がポカポカとして、不思議と心の底まで暖かい。


「まぁ、瑛真先輩が泣き上戸とは思わなかったけどね」

「わ、わだし、おひゃけ、飲んでにゃい!」


 冬君の言葉に、嗚咽したまま瑛真先輩は必死に反応するから、なお言葉にならない。思わず私も冬君も顔を見合わせて、笑みが溢れてしまった。

 と、冬君がグラスを上に掲げる。


「それじゃ、僭越ながら。乾杯としゃれこみますか?」


 冬君がニッっと笑む。私は――それからみんなも一斉にグラスを掲げた。


「……今日、この日をみんなと一緒に過ごせたことを祝って。そんな毎日がこれからも続くことを願って。だから雪姫と俺に力を貸してください。これからも頼らせて? それじゃあ――乾杯っ!」




 ――乾杯!




 みんなの声が重なった。

 グラスを飲み干して。

 それから、テーブルにグラスを置いた――その刹那。


 拳を上に突き上げたのは、海崎君。みんなも拳を突き上げるから。

 だから。

 私も冬君も。

 慌てて、この拳をくいっと突き上げたんだ。


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