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仮面の心  作者: 鏡羅米湯
1/1

心の在り方

自分の趣味で書いています。アンチコメなどある方は心の中で思ってください。ここに書くのはお控えお願いします。

この話はフィアットという少年が人との信頼を裏切られ騙され、人間関係という物を知って行く物語です。さまざまな人間に出会い本性を知っていきます。人の醜さというものが表れている話です。世の中は戦争中です。戦いしか無いという話ではありません。日常なども全然あります。魔法など異世界などそういう系は一切出てきません。初めて作ってみた小説です。気になったらぜひ少しでもいいのでよんでみてください。

フィアットは肌色の髪で身長は165センチ程の少年です。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


人は醜い。

僕は知っている。

自分のためなら平気で他人を蹴落とす。

例えそれが最愛の人だろうと。

どんなに優しく振る舞おうと追い詰められれば結局は私利私欲に動こうとする。

人は信じるものではない。

自分以外は全て他人だ。

今までも。

そして、これからも。




「今回の作戦は前方にある敵軍の軍基地を掃討することが目標である。そのために小隊に分かれ、特攻隊を先頭に三方向からの同時攻撃をする。」

またか、と心の中で少年「フィアット」は思う。フィアットは今までの戦争で同じような作戦が幾度となく使われてきたことがとても腹立たしかった。特攻部隊とはその名の通り、自らを武器とし死を確定とされた部隊だ。敵陣に爆弾を抱え突撃し、爆発し打撃を与える。

「お前達がようやく活躍できる場ができたことを誇りに思え。」

何が誇りだ。結局は戦争で役に立ちそうもないと勝手に決めつけた兵士を独断で使ってるだけじゃないか。見ろ、泣いてる兵士もいるじゃないか。フィアットは泣いている兵士達から顔を背けた。

「なんだフィアット。不満がありそうな顔をしているじゃないか。お前も特攻部隊に入りたいのか?」

「、、、いいえ。そんなことは思っておりません。」

「そうか。ならいい。お前は我がガルシア軍の要なのだ。わかったなら早く配置につけ。」

「、、、、、、、、、了解しました。」

フィアットはゆっくりと自分の配置へ歩き出した。途中すれ違った兵士から縋るように眼差しを向けられたが見て見ぬふりをして配置についた。

「ガルシア大佐。」

誰かが大佐の名前を呼んだ。

「なんだディアス。」

ディアスと呼ばれた男がガルシアの前に出る。

「私をフィアットと同じ班に配置していただけないでしょうか。」

「なぜだ。」

「私がフィアットと同じ班になりたいからです。」

何を言っているんだこの男は、と誰もが思った。そんな融通が聞くのなら誰もが自分の意見を通すはずだ。だけど誰もそれを言わないのは言ったところで叶うわけないしその後どうなるかわかるからだ。

「、、、メリットを言え。」

「私は前回の戦闘でフィアットの後方支援を担当していました。その際、彼の戦闘を後方から見て感服致しました。私は彼の為なら喜んで盾となり危険を彼の身から外すことが出来ます。言わば私は彼の為の特攻兵器になりたいのです。」

その場にいた全員が驚愕した。誰かの為に死ねるなど簡単に言えることではない。だが彼の目にはそれを実行すると言わんばかりの力が見えた。その場にいた誰もが固唾を飲んだ。

「、、、いいだろう。その身この戦いで役立てて見せろ。」

「はっ!ありがとうございます。」

「特攻部隊の攻撃はこれより40分後に実行する!それに合わせて各隊は攻撃を実行せよ。以上で作戦会議を終了とする!解散せよ!」

その合図とともに兵士たちが持ち場に散らばって行く。フィアットはその場に立ち尽くしていた。するとそこにディアスが歩いてきて、

「今回の戦いで貴方の盾となることができ光栄です。私の名前はディアスと言います。以後お見知り置きを。」

「、、、なんでこんなことをした?」

「こんなこととは?」

「なんで自ら死ぬようなことを志願した。」

「私は貴方の生き様に憧れたのです。憧れた人の助けになるなら本望でしょう。それにこれは私の意思で決めたこと。何もおかしくはありません。」

そう言い、ディアスは微笑みながら自らの黒髪をかき上げた。

「、、、好きにしてくれ。でも年はあんたの方が上なんだから敬語はいらないよ。フィアットと呼んでくれ。」

フィアットも微笑んで答えた。

「わかったよフィアット。この戦い生き残ろう。」

そう言ってディアスは持ち場に向かって行った。フィアットはその後ろ姿を見送ってから特攻部隊に向かって行った。それに気づいた兵士がフィアットに叫んだ。

「どうして何も言ってくれなかったんだ!あんたもディアスみたいに何か一言でもガルシアに言ってくれたら!少しでも変わってたかもしれなかったのに!」

「、、、ごめん」

「っ!!!、、、もう何言ったって俺たちが死ぬことは変わらない。たった一つガルシアの機嫌を損ねただけで特攻部隊になるんだ。逆らったりしたら家族や恋人が殺されかねない。やるしかないんだ。、、、、、もう行ってくれ。」

「、、、、、」

フィアットは何も言えずただその兵士を見ていることしかできなかった。そのまま時間だけが過ぎていき特攻部隊の攻撃時間となった。


「時間だ。特攻部隊は配置につけ!号令と同時に突撃開始だ!」

兵士達はやつれた顔のまま配置についた。

「、、よし。特攻部隊!突撃開始!」

「「「う、うおおおおおおおお!」」」

戦闘がはじまった。戦場に銃声や悲鳴が鳴り響く。もう彼らは助からない。フィアットは前方の敵を見据えた。敵を早く殲滅すれば特攻部隊の攻撃もおわる。やるしかない、と。

そして本部隊にも号令がかかる。

「本隊!攻撃開始!」

号令と同時にフィアットは走り出した。幸い特攻部隊のおかげで敵の注意はそちらに向いている。ならば敵を葬るのは容易い。フィアットは前方の敵をどんどん倒して行く。ディアスもフィアットについていき敵を倒して行く。このままいけば終わる。フィアットがそう思った時、後方で悲鳴が聞こえた。

「クソっ!なんでこんなとこに!」

見るとディアスが回り込んだのか伏兵に囲まれていた。このままではディアスは殺されてしまう。自分が向かえばディアスは間に合うかもしれない。けどその前に敵の増援が来て進行が難しくなってしまう。


「私を盾としてお使いください。」


その言葉が脳裏をよぎる。フィアットはディアスを助けに走った。本来ならディアスは誰がどう見ても見捨てるべき状況にある。だがフィアットは見捨てなかった。自分に憧れてくれた兵士を見捨てるわけにいかなかったのだ。

「ディアス!!!」

フィアットが叫ぶ。ディアスは気づかず敵と交戦していた。フィアットはディアスを取り囲む兵士を次々と倒していった。ディアスもフィアットが来ていることに気づいた。フィアットは伏兵を次々倒してディアスの下までたどり着いた。ディアスに声をかけようと近づいた時だった。ディアスに腕を掴まれ前に引き寄せられた。すると、ズドン!と二発の音と同時に血が飛び散った。


「私は貴方に憧れたのです。」

「私を盾としてお使いください。」

「この戦い、生き残ろう。」


何が起きたのか理解できなかった。撃ってきた敵はディアスの銃弾によって倒れていた。フィアットは引き寄せられた手に血がついているのをただ見ていた。ディアスは引きつった笑みを浮かべていた。腹がいたい。フィアットは自分の腹を触る。血が吹き出していた。一瞬の思考停止の後に痛みが襲ってきた。フィアットは口から血を吐き出してディアスを見た。

「悪いな。あんたといるのが一番安全だと思ってたよ。あんたなら敵を殲滅してくれるってね。けどこんなところに伏兵がいたのは想定外だった。俺はもう死ぬ。そう思った。だけどあんたが来た。私は死にたくないんだ。ならばあんたを盾にするしかないってね。」

意味がわからなかった。なぜこんなことをしたのか問いただしたかったが体から力が抜けてその場に倒れ込んだ。

「そうそう。あんたは特攻部隊を守るため私の静止を振り切って中央へ進んで行ったってガルシアに報告しておくよ。」

ディアスは微笑みながら前髪をかき分けた。ああそうか。自分は使われたんだとその時初めて理解した。フィアットはディアスを信じていた。それでも結局は自分のためなら平気で人を盾にする。言っていた言葉も表面だけを取り繕ったただの飾り。自分以外はただの他人。そんなものかとフィアットは実感した。

「じゃあ私は行くとするよ。あんたの死を伝えなきゃいけないしね。」

ディアスはそう言って去っていった。フィアットは去っていくディアスを見ながら思った。人は表面に仮面を被っただけの生き物だ。信じるに値しないと。フィアットはそう思い腹部を押さえながら目を閉じた。そして意識は遠くなっていった。


そこから二日間戦闘は続いた。

ここまで呼んでくれてありがとうございます。小説って難しいですね。これから地道に頑張りたいです。

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