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「私は妹だけどお姉ちゃんとは父親が違うし確執もあったし。それにもう家族ではないし。だから私は柴原さんの意向に従うよ。」


柴原さんとお姉ちゃんは結婚して家族を作った。そこに私は必要ないんじゃないかと思う。

私の出る幕はないでしょう?

柴原さんとの家族ごっこももう終わり。

本当の妻が現れたのだから。

私は用済みだ。

そんなこと、とっくに分かっている。


姉は入院してるしこの先も長くないのだろうけど、そろそろ私はあのマンションを出ていくべきなんじゃないだろうか。

すずもまだ小さいけど、いつまでも私がいたらいけない気がする。

柴原さんだって、よくは思っていないだろう。


「そろそろすずの様子見に行こうか?」


時計を確認して立ち上がる。

空き缶をゴミ箱に捨てて病室へ行こうとすると、柴原さんは私の腕をつかんだ。

振り向くとそこには真剣な顔の柴原さんが私をまっすぐに見据えている。


「美咲、家を出ていくとか言うなよ。」


「っ!」


私の心を読む力でもあるのかよ。

そんなこと言われたら、いとも簡単に揺れてしまうではないか。


だけどそこに柴原さんの真意は見えなかった。

純粋にいてほしいのか。

便利だからいてほしいのか。


私は出ていかないとは答えられなかった。

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