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訳あり冷徹社長はただの優男でした  作者: あさの紅茶


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63/112

*63

そうだ、すずが寝たらこっそり食べようと思っていたハーゲンダッツのアイスクリームを冷凍庫に忍ばせてあるんだった。今こそ食べるべきではないか。


私は冷凍庫から期間限定のキャラメルバタークッキーを取り出し、尚且つ一本しか持っていないアイスクリーム専用スプーンで贅沢にも大口を開けて食べ始めた。


「ん~、美味しい!」


思わず声が出たものの、すぐにすずにも食べさせてあげたいという気持ちがわき上がった。

すずが喜びそうな味だったからだ。


何だか急に寂しくなってしまう。


普段はうるさいだのイライラすることもあるのに、こんなにもすずが離れがたくなる存在になるなんて思いもしなかった。扉を隔てた部屋にいるだけなのに寂しいと感じるなんて、自分でも驚きだ。


柴原さん大丈夫かな?

寝かしつけちゃんとできる?


妙にそわそわしてしまって、その気持ちを抑えるために明日の夕食の下ごしらえをすることにした。


すずの好きなシチューにしよう。

柴原さんには蓮根サラダも付けてあげよう。


そんなことをしていたら、結局自分の時間はなくなった。でもそれでいいと思えた。

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