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訳あり冷徹社長はただの優男でした  作者: あさの紅茶


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52/112

*52

外に出た私たちは最寄り駅まで一緒だ。

私は駅を越えたところに会社があるのでそのまま歩いて行く。柴原さんは駅から電車で三駅向こうまで行く。会社の社長だから黒塗りのハイヤーで出勤してるのかと想像していたけれど、そういうのは嫌いだそうだ。

柴原さんは案外庶民的らしい。


歩きながら、私はささっと注意事項を告げる。


「保育園の先生全員が詳しい事情を知っているわけではないので、面倒なので保育園では私はママってことにしておいてください。」


「ごめん、わかった。お迎えはすまないけどお願いします。なるべく早く帰るようにはするけど。」


「大丈夫です。柴原さんは社長さんなんですから、きちんと仕事をこなしてきてください。はい、いってらっしゃい。」


ちょうど駅前に着き、私は柴原さんの背中をドンと押して見送る。

柴原さんは一度振り替えって、手をヒラヒラと振った。


バイバイのつもりですか。


どうしようかと思ったけど、私も控えめに手を振った。なんか、恋人みたいじゃない?とか考えてしまった自分の頭を振る。


何を考えているんだ。

早く行かないと遅刻しちゃう。

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