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今日は柴原さんも一緒に保育園に行く。

登園時にやることを柴原さんにも覚えてもらうのだ。


私が入院したときに一度保育園に送ってもらったが、あの時はよくわからず持っていった荷物をすべて先生に任せたらしい。

保育園の送り迎えは交代ですることに決めたので、柴原さんにもしっかりと覚えてもらわなければいけない。


と言うのも、柴原さんの仕事内容を聞くと帰りはなかなか遅そうなので、定時で帰ることができる私がお迎えを担当することにし、朝に余裕のある柴原さんが送りを担当することに決めた。


何事も協力。

役割分担。

すずのため。


家を出て、最近買い足したベビーカーを引きながら柴原さんはぐったりしていた。


「大丈夫です?」


「うん、何かいろいろ戸惑う。君はすごいな。毎日こなしてきたんだね。」


「私も最初は戸惑いの連続でした。柴原さんもそのうち慣れますよ。」


私は苦笑する。

本当に、今ではこんなに慣れてすばやく動けるようになったけど、初めはてんやわんやだった。すずの言っている言葉を聞き取るのも難しかった。


「だけど、世の中のお母さんはすごいなって思います。朝起きて保育園に連れていくだけでこんなにも大変だなんて知らなかったな。」


「本当にそうだな。橋本さん、いつもありがとう。」


突然優しい笑顔を向けられて、思わず心臓がドキッと鳴った。

朝陽がキラキラしているせいだろうか、すごくかっこよく見えてしまったのだ。


「…すずのためですから。」


私は気づかないふりをして、しれっと返した。

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