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「…実は今姪っ子を預かっていまして…。」


「ええっ、そうなの?」


「それでお熱が出たからお迎えに来てくださいって電話だったんです。」


「大変じゃない!早くお迎えに行ってあげないと。」


「でも中途半端な時間ですし、帰れないですよね?」


「えー?大丈夫よ。私やったことあるから。」


武藤さんはおもむろに引き出しからファイルを取り出すと、そこから一枚の印刷された紙を差し出した。


「これ、中途半端な時間に帰ったときの勤怠の入れ方マニュアル。これ参考にして。」


「ありがとうございます。でも課長には何て言えば…。」


「子供が熱を出したので帰りますって正直に言えばいいじゃない?心配ないって、うちの課長三人の子持ちだから、理解あるよ。ちなみに私も三人子どもいるから、何度も保育園から呼び出しかかったことあるよ。」


「ええっ!武藤さんお子さん三人もいらっしゃるんですか!」


武藤さんに子供がいることは知っていたが、まさか三人もいるとは驚きだ。育児時短勤務をしているが仕事はバリバリこなすし、たまに出張も行っている。どうやってやりくりしているのだろう。


尊敬の眼差しで見ていると、武藤さんが私の背中を押す。


「ほら、早く課長に言ってきな。早くしないと会議に行っちゃうよ。」


見ればパソコンを閉じて今にも席を立たんばかりで、私は慌てて課長を呼び止めた。

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