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*16

奥からまた別の美人が出てきて、私に鋭い視線を向けた。

スーツとピンヒールがよく似合う、いかにもキャリアウーマンな出で立ちの美人だ。


「橋本様ですか?」


「はい。」


「柴原の秘書の安達と申します。ご案内致しますのでこちらへどうぞ。」


丁寧な物言いだが、明らかに私のことを訝しんでいるのが雰囲気で伝わってくる。

でもここで負けたらダメだ。

勝負はこれから、とにかく柴原さんに会って話をするんだから。


安達さんは奥の重厚な扉をノックしてから私を中へと案内した。


「お客様をお連れしました。」


「ありがとう。下がっていいよ。」


安達さんは私に、というより柴原さんに一礼すると、静かに扉を閉めて出ていった。


部屋の中では柴原さんと二人きり。


こいつがすずの父親。

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