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「ねえすず、ねえねじゃなくてママになってもいい?」


寝ているすずにそっと聞いてみるが、返事をすることはない。

私は「なんてね」と笑った。


直後に背後からゴフッという咳き込んだ音が聞こえて、私は慌てて振り返る。

そこには口元に手をあてて真っ赤になっている柴原さんが立っていた。


「え、ちょっ、えっ、いつ帰ってきたの?!」


「いや、ちょうど今だけど。それより美咲、今の言葉は…。」


「き、聞いてた?!」


「俺と結婚してくれるって思っていいんだよね?」


「い、いや、そういう意味で言った訳じゃなくて。だってねぇ、そんないきなり結婚とかはないでしょ?うん、ないよ。すずだってびっくりよ。」


しどろもどろになりながら必死に弁解する。


「段階踏んだらいいってこと?」


「段階?」


柴原さんは突然私の前に膝まづくと、手を取って言った。


「美咲が好きだ。付き合ってください。」


そして手の甲にキスをする。

とたんに私の頬は熱を帯び、頭から湯気が出そうになった。


どこの王子様だよ。

破壊力半端ないんですけど。


私は卒倒しそうになるのを必死で堪え、小さく頷くので精一杯だった。

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