表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/112

*104

翌朝、出勤しようと玄関で靴を履いていると、リビングから柴原さんが慌てて出てきた。


「待って美咲、病院から電話だ。もう危ないからすぐに来てくれって。」


ちょうどすずも保育園に行く準備はできていたので、そのまま三人、すぐに柴原さんの車で病院へ向かった。


病室の扉を開けると、昨日まではなかった酸素マスクと心電図を付けた姉がベッドに横たわっていて、ずいぶんと物々しい雰囲気になっていた。


「ぜひ声をかけてあげてください。」


看護師さんが私たちに気づくと、すっとベッドの横を空けてくれる。


「お姉ちゃん!」


「有紗。」


呼び掛けに、まったく反応はない。


「すず、ママって言ってあげて。」


「ねえね、だっこして。だっこ、だっこ。」


すずは理解していないのか、しきりに抱っこを要求してくる。だけど視線はママの方に向けている。

理解していないわけじゃない。

きっとすずなりに、何か考えているのだろう。



心電図がピーと一直線になった。



三人でお姉ちゃんを看取った瞬間だ。

ようやくすずがママと小さい声を発した。

私はすずを抱っこしたまま、きつく抱きしめた。


人の命は儚い。

儚いのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ