表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/112

*102

私が一人自問自答していると、ふいに柴原さんが振り向く。


「美咲もおいでよ。たまには映画でも見る?」


「明日も仕事なのに、そんなの見てる余裕ないでしょ。」


「ははっ。そうだよね。」


でも呼ばれたので私はおずおずと隣に座った。

見ていたのは録画していた子育ての番組だった。


「こんなの録画していたんだ。」


「今度子供用のアプリでも開発しようかな?」


「もうアプリよりAIとかIoTの時代じゃないの?」


「美咲は先見の明があるね。うちの会社で働く?」


言われて、あの綺麗なオフィスを思い出す。

と同時に、あの美人さんたちに囲まれている柴原さんを想像してモヤっとなった。


「柴原さんの会社、綺麗な人が多いよね。柴原さんって面食いなの?あんなとこで働くには勇気いるわ。」


嫌味ったらしく言ってやったのに、柴原さんは私の髪を撫でながら、


「美咲が一番可愛いよ。」


と爽やかに言い放った。


「………この番組、なんか、勉強になるね。」


「ああ、無視された。」


私のツンツンした態度にも楽しそうに柔らかく笑う。ウズウズと嬉しさが込み上げてしまい、私はごまかすようにテレビの画面を見つめた。


「美咲はツンデレだね。」


「~~~っっっ!」


言い返す間もなくそっと手が重ねられる。

温かくて心がほわほわして、しばらくそのまま手を繋いでテレビを見た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ