第九話
ちょ、ちょっと待て。目の前の中学生男子が私を殺す可能性がある?
なぜに!?
というか、どうやって知った!?私がある程度成長するまでレコードには入れないんじゃ無かったの??
「かの神によって用意されていた緊急接続権です。副作用を先送りにした上で一度だけアカシックレコードに接続出来る権限でございます。」
そんなの聞いてないよ??
「この権限は命に関わるときにのみ発動される受動的なものですので、お伝えしませんでした。」
な、なるほど。
「目の前の少年が所持している書物が楓さまとそのご母堂の死因となります。迅速に対処してください。」
書物?殴り殺されるとかって意味?
「いいえ、呪殺でございます。」
呪殺!!??家の家系には呪術師でもいるのか?
「彼の持つ黒魔導書の力によって彼の意図していない死を迎えます。」
何故黒魔導書なんてものを持っているんだい少年。
「入手の経緯としましては「俺に秘められた暗黒の力よ、目覚めよ!」と存在しない力を探索する最中に古本屋で見つけたようです。」
ちゅうにびょうかよ!!!!!!なんで見つけちゃったの!なんで暗黒の力呼び覚ましちゃったの!?普通覚醒させようとしても99.9%の人間が出来ないことだよ、すごいなお兄ちゃん!
ハァハァ。
やけくそはこの辺にしておこう。とりあえず原因は分かった。ただどう対処すればいいんだ?黒魔術に対する防御法やらなんてよく知らないぞ。
「書物に楓さまの思い浮かべる浄化の記号を記入してください。」
浄化の記号・・・?
・・・ウォシュレット?
「楓さまがそう思い浮かべるのであれば構いませんが、動物や植物などを推奨します。」
植物はまったく思い付かないなぁ。動物は、鳩?いや、あれは平和の象徴か。じゃあ・・・あ、蛇。白い蛇とか良さそうだな。
白い蛇を書けばいいのか?
「はい。」
正月が終わればまたバラバラになって止めるチャンスが無くなる・・・、つまり、この正月中に何としても書かなくて
「あら?」
「あ、ね、寝ちゃいましたね。」
「さっきまでは元気そうだったのに。赤ちゃんはまだオンオフ激しいのね。ごめんね、この子寝かしつけてくるわ。」
「あ、はい。」
「あれ?赤ちゃんどうしたのー?」
「もう寝ちゃったのよー?」
「・・・やっぱりいいなぁ。咲さん。」
やっぱり超高難易度はクソゲー