表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蒐集癖な彼・女  作者: 知り合い
第1章・小学生
69/69

第六十五話

久々の自分の部屋で起床だ。病室のふかふかのベッドと枕は非常に気持ちよかったけど、やっぱり自分の部屋のベッドと枕というのは特別に気持ちよく感じるものである。


「んーー、んっ。まだちょっと体変かな」


流石に私の体であっても1日で元通りとはならないか。ちょっと面倒だけど、予定していた通りランニングでもして体鍛えるかな。


いつも通りの朝ごはんを食べて顔洗って・・・今日は何を着ようか。あ、ドッジボールとか言ってたし動きやすいのがいいか。デニムパンツと半袖Tシャツ、その上からパーカーというヤング?ラフ?なんか少し不良少女を感じるファッションで家を出た。


「楓ちゃんおはよー!」

「おはよう、姫ちゃん」

「おばさんに言ってみた?」


なんのこと・・・ああ、筆記用具か。昨日の夜中にパパとママに言ってみたところ、

「今の筆記用具は嫌?」

「ううん、ただ皆と同じものにしたら・・・いいかなって」

「よし、パパが買ってあげよう!今度の日曜日に一緒に行こうね!」

とすぐに了承してくれた。


「うん。今度買いに行こうねって言われた。」

「良かったね!」

「これでクラスに馴染めるといいんだけどなぁ」

「きっと大丈夫だよ!」


で、あって欲しい。これで駄目だったら私はもしかしたら<孤高の美少女>とか呼ばれるようになって二人組を組めない生活になるかもしれない・・・いや、そんな二つ名付ける小学生がどこにいるんだって話だが、小学校5年生くらいで中二病の入り口に経つような男子いるし、たぶんそう呼ばれる。それもなく、<ぼっち>で扱われたらきっと引きこもりたくなるだろう・・・


「楓ちゃん?」

「あ、ううん。なんでもないよ。」


無駄なシミュレーションはやめておきましょ。


学校に着いてからまず職員室に向かう。一応きちんと「退院して学校に来ました」と先生に報告するためだ。

ちょっと先生の名前を忘れかけてたが何とか思い出して田島先生に報告し、いよいよクラスに入るときが来た。


「みんなおはよー!」

「姫おはよー」

「きのうのみたー?」

「お、おはよう!」


姫ちゃんが挨拶した時には賑わっていた教室も、私が挨拶すると一瞬音が消えた。そして、次の瞬間、


『おはようございます!』


クラスの女子が皆、息を揃えて私に挨拶した。まるで軍隊の教官か偉い人みたいな気分だ。まったく気持ちよくない。

私が無理やり上の地位に座らされた人の気分でいるとクラスの奥から麗子ちゃんが近づいてきた。


「おはよう、楓。」

「あ、麗子ちゃん」

「麗子で構いませんわ。楓と私は親友なのだもの!」

「あ、」


やべ。ネックレスの存在忘れて身に付けるの忘れた・・・。


「そ、そうだね。」

「私も楓ちゃんのしんゆーだよ!」

「ふっ、私と楓は目で確認できる親友なのよ!」


ごめんなさい忘れました。


「私もこうやって皆に見せるもん!ぎゅーっ!」


あははは、姫ちゃん腕を強く抱き締めないでちょっと痛いー。私が入院している間に色々あって変わっても、この二人はまだ変わっていなかったようだ。

44

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ