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蒐集癖な彼・女  作者: 知り合い
第1章・小学生
62/69

第五十九話

6

東条院家の皆さんがお帰りになった後、私が目覚めたことを聞いたママ達がやってきた。


「楓!」

「お姉ちゃん!」

「ストップ桜!私にトツゲキダメ!」

「え・・・」

「今食らうともっとひどくなっちゃうから!」


両腕やられてるから受け止められないし下手すれば桜も入院するはめになっちゃうから!


「桜、お姉ちゃんは怪我してるから優しく、ね?」

「うん、わかった。大丈夫?お姉ちゃん」

「両腕と足がほぼ使えないけど大丈夫だよ。後遺症とか傷痕も残らないだろうって先生が言ってたし」

「それは良かったわね。それよりも楓。何があったら貴方が交通事故に会うの?何か覚えてる?」

「えーっと」


残念ながら私は何一つ記憶に無い。もちろん起きてないからだ。ただ、ママが明らかに怒っていることだけは顔と口調から判断できる。こわい


「覚えてない・・・かな。」

「そう・・・。麗子ちゃんのご両親から楓が交通事故に遭って病院に運ばれたって聞いたときはすっごく怖かったのよ?それで事故相手の運転手に話を聞いたら、道の端にある石垣から車道側に足を付けたところを気づかなくて接触したって言ってたけども、どうにも私は楓がそんな危ないことをするとは思えないのよ」

「あー、確かにそんな感じだった気が・・・しないでもないような・・・?」

「運転手から償いとして入院費を払うって言われて、でも私はお金よりも楓が死んじゃったらどうしてくれるのって思っていたけど、東条院さんから「落ち着いて下さい。こちらで最高の医者をご紹介しましょう。ただ、値段も相応に高いのでその運転手にその費用を払わせて下さい。楓ちゃんの治療をするのが今は優先かと」って言われて仕方なく・・・」

「あはは。それが正しいね」


ママもやっぱり私がここまで傷つけば心配してくれるし怒ってくれるんだな・・。親として当たり前なのかもしれないけど、子供としては嬉しいものだ。ちょっと微笑みそうになる。


「パパは貴方が目覚めるまで会社には行かない!なんて言っていたのよ?楓が起きたときに無職でどうするの!って無理やり行かせたけれども、さっき連絡を入れたら有給を使って急いで会社から来るらしいわ。」

「パパ来るのか~。」

「お姉ちゃんあーん」


ナースさんが静かに剥いていたウサギのりんごを桜があーんしてくれた。


「あーん。」

「おいしい?」

「うん。おいしい」

「もう・・・これからはママと約束してちょうだい楓。交通事故には細かく気をつけて、危ない場所には自分から行かないこと。いい?」

「うん。行かないよ」


流石にもうあんな経験したくない。あの時はそれどころじゃなかったから無視していたが、今考えると走ってる途中や剣振り回してる時なんかに聞こえたぶちっというかピィーンみたいな音は筋肉あたり切れた音だったのだろうか。だとしたら痛みで転げ回るはすだがきっとアドレナリンで感じなかったのだろう。次やったら死ねる自信すら出てきてしまった。



やべぇよやべぇよ・・・

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