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蒐集癖な彼・女  作者: 知り合い
第1章・小学生
55/69

第五十二話

4

ピピピピッ

ピピピピッ


「ぅ・・・ん」


あさ・・・か。

目覚ましの音に起こされる。そしていつものようにベッドを出ようと思ったら胸元に桜がいた。


「あ、そういえば桜と寝たっけ」

「ん、んん・・・?ママ・・・?」

「私だよ、桜~」

「お姉ちゃん!?お姉ちゃんだぁ!」

「ど、どうしたの!?」


起きて私を見るなりテンションマックスになって私に飛び込んでくる桜。なんだか今の状態がすごく珍しい事態な反応をしているけどそこまででもないよね?


「起きなさい桜~?」

「ママ!おねえちゃん!」

「ん?楓は麗子ちゃんのところに・・・ってあら。いつの間に帰ってきてたの?」


桜を起こしに来たママに珍しいものを見る目を向けられる。いつの間にも何も昨日一緒にごはん食べたじゃん。


「え、いや、昨日・・・」

「あ、楓が帰ってきてるってことは麗子ちゃんが迎えに来るわね。ほら、お姉ちゃんが帰ってきて嬉しいでしょうけど二人とも顔洗いなさ~い」

「はーい!」

「はーい・・・」


なるほど。とりあえず分かったことは私とその他で認識齟齬があるということだ。ウィズ、詳細を。

「昨夜未明に現実改変が行われました。」

現実改変?どのように改変されたの?規模は?

「改変された内容は、東条院麗子と白川楓は常に一緒にいるのが普通であるという常識改変です。規模はこの町を覆う程度です。」

・・・・・犯人は?

「東条院麗子です。」


はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。寂しさがそこまで加速してしまったか・・・。実行方法は何?

「東条院麗子が住む館の図書室に収められていた魔本に願いました。代償は欲望です。」

魔本?黒魔導的なもの?

「いいえ。強い願いや意思が籠められた結果、偶然生き物になってしまった本です。」

生き物ってことは自力で動く可能性もあるか・・・。危険性はどれくらい?

「楓様への危険性は皆無です。」

そうなの?じゃあ麗子ちゃんへは?

「東条院麗子の欲望または願望の量が一定を下回った時、本に喰われ死にます。」

・・・・・・・・・・・・駆除確定だね。ありがとうウィズ。


ウィズに礼を言って現実に戻ると繋がった代償に体力を持っていかれる。まだ朝食を食べてないこともあって、盛大にお腹がぐ~っとなる。


「おっきぃ!」

「早く顔洗ってご飯食べようねぇ」




ご飯を食べて用意してから私と久々に会ったらしい桜と遊んでいるとインターホンが鳴った。


「はーい・・・あ、麗子ちゃんね。楓、麗子ちゃんが迎えに来たわよ」

「うん分かった。」

「お姉ちゃん、もういっちゃうの・・・?」

「うん。麗子ちゃんが来たから・・・!?」


今、明らかに、麗子ちゃんが来たことを優先したよね。ウィズ、おかしいよね?

「これまでの楓様の反応でしたら、桜様を優先したかと」

だよね。まあ学校に行く時間だからの反応と考えることも出来るけど、たぶん私の中の常識も変えられているんだろうなぁ。


「楓?」

「ううん、なんでもない。すぐに帰ってくるから待っててね、桜」

「・・・うん。いってらっしゃい」


桜と約束してからランドセルを持って玄関に行くといつもの車と麗子ちゃんとメイドさんがいた。


「おはよう、楓ちゃん」

「お早うございます。楓様」

「おはよ、麗子ちゃん」

「麗子ちゃん。楓をよろしくね?」

「はい!お任せください!」


まあ、こんな常識ならママと麗子ちゃんはちゃんと信頼築いているよね。流石のママでも信用ならない相手に私は預けないだろうし。


「それじゃあ行きましょう?」

「うん。行ってきます」

「いってらっしゃ~い~」


ママに挨拶してから車に乗った。

さて、麗子ちゃんの欲望が限界を下回る前にどうにか生きた本を駆除しないとね・・・!


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