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蒐集癖な彼・女  作者: 知り合い
第1章・小学生
54/69

第五十一話

4

「うわ、すご」


あまりにも豪華な風呂場につい声を出してしまった。


「私も初めて見た時には驚きました。」

「楓ちゃん、待たせましたわね」

「麗子ちゃん大丈夫?」

「もう大丈夫よ」

「では湯に浸かる前にお体をお流しします」


流されるように専用の台座の上に連れていかれ寝かされる。

これテレビで見たことある。エステとかのりらくしんぐまっさーじ?とかってやつの格好じゃない?まさか座ることなく洗われることになるとは。


「では、力を抜いていて下さい。力まれると疲れが抜けませんから」

「えっと、頑張ります・・・」

「楓ちゃん、頑張ったらダメよ。これはマッサージも兼ねているのだから」

「そ、そうなんだ」


麗子ちゃんにクスクスと笑われてしまった。平民の大人の知識を持っていてもお金持ちの知識は伝聞しか無いから緊張する。あれ、私、実は結構誕生日やばいのでは?


この後、全身をぬるぬるにされて揉み揉みされてほわーとなった。あれがいわゆる上質な快感というやつなのだろうか。まだ子供だからもちろん性的快感なんて知らないけど、これに匹敵する快感は春分の朝に太陽を浴びながらうたた寝をしていた時くらいだと思う。ただのうたた寝や二度寝では味わえない気持ちよさだ。


「いかがでしたか?」

「最高でした・・・。それ以外の感想がでましぇん」

「ふふ、楓ちゃんゆるゆるね。湯舟はこっちよ」

「は~い」


麗子ちゃんに連れられてお湯に浸かる。私達に合わせてあるようでそんなに温度は高くないようだ。あぁ~、気持ちいぃ~。


「気持ちいい?」

「うぅ~~」

「なら毎日一緒に入りましょう?」

「あぁ~~、あ。そうだ、今何時?」

「まもなく午後6時です。」

「え!?私帰らなくちゃ!?」

「も、もっといても良いんじゃないかしら!?この後お夕飯もあるし・・・」

「流石に夕飯までには帰らないとまずいよ!」

「で、でも・・」


やばい、早く帰らないと桜の機嫌が最悪になる。麗子ちゃんはまだ一緒にいたいみたいだがすまない、常識的に考えても子供はお家に帰る時間なんだ。ていうか明日も学校あるし!


「私の服洗濯出来てますよね!?」

「はい。アイロン掛けまで終了しています」

「すぐに着て帰ります!バイバイ、麗子ちゃん!」

「ちょっと待ちなさい!」

「まだ何かあるの!?」

「私が車を出さなければ帰れないでしょう?」

「あ」


そういえばそうだ。窓からの風景で何となくの道は知ってても車で10分ちょいかかる道を私が歩いて帰ってたら1時間くらいかかっちゃうよ。


「私も出るわ。あと1台用意しなさい」

「かしこまりました。」

「ごめんね、麗子ちゃん。せっかくゆっくりお風呂に入っていたのに」

「・・・いいわ。楓ちゃんが帰ることの方が大事だから」

「ありがとう麗子ちゃん。」


直ぐに体を拭いてもらい、めっちゃ綺麗になった服を着て玄関に行くと車が用意されていた。あ、ランドセルも忘れてないよ。


「・・・また遊びに来てくれる?」

「うん。流石に明日は無理かも知れないけどまた行くよ」

「・・・・・・そう」


やっぱり別れの時が近いからか麗子ちゃんの反応がすごく落ち込んでいるように感じる。ただこればっかりはどうにもならないからなぁ・・・。あ、麗子ちゃんがうちに泊まりにくれば・・・いや無理かな。お風呂や食事のレベル的に合わない気がする。座って自分で体を洗うとか理解出来ない可能性すらある。

やはり自分が麗子ちゃんの家に泊まりに行くしかないかなと思ったところで家に着いた。


「それじゃあまた明日ね」

「ええ。また明日」


麗子ちゃんの車を見送ってから家に入ると桜に突撃されて怒られてしまった。ごめんよ、まだ入学してから1週間くらいしか経ってないのにもう約束破ってごめんね。

ママにはあまり怒られなかったが遅くなるなら電話することって注意を貰った。この後桜のご機嫌を取るために本日二度目のお風呂に入り、一緒に布団に入った。とりあえずこれで大丈夫だと思いたい。










× 非日常7:日常3

○ 日常7:非日常3

(理想)

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