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蒐集癖な彼・女  作者: 知り合い
第1章・小学生
52/69

第四十九話

4

今、私は改めて自分が転生した人間で良かったと思った。まあ、自分の知らなかった環境で生きられるという点でもいつも感謝しているけど。

私が普通の子供だったらきっと麗子ちゃんに恥をかかせていたに違いないからな。(それ以前に友達になってたどうかも怪しいけど)

でも、今の私なら麗子ちゃんに恥をかかせることなく、最低求められる振る舞いもわかる!ついでに雰囲気に臆する事なく楽しめる!友達として十分ではないだろうか。


「うん。わかったよ。ところでお誕生日は何日なの?」

「8月8日よ。」

「・・・・え?8月?なのにもうドレスをくれるの?早くない?」

「楓様。このドレスはまだ完成しておりません。楓様の体型に合わせて本縫いとなりますので、実際お渡しするのは5月程度になるかと思います。」

「あ、そうなんですか」

「そして後日、楓様のお母様にドレスの保管場所が十分にあるかを伺いに参りますので無理であれば遠慮なく申し付けください。当日までこちらでお預かりしておきます。」

「それはありがとうございます」


どんなドレスか分からないけどたぶん無いから助かるよ。最悪箱の中に仕舞いっぱなしもありえる。


「それに早くても大丈夫よ楓ちゃん。だってもう一着作れば良いんだもの!」

「いや流石にそれは・・・」

「いかがでしょうか?楓様」


麗子ちゃんの言葉を否定しようと思ったらお着替えが終わっていた。

ふむ。とりあえず言えるのは裾が長い。今のスニーカーだと少しだけ地面に付いちゃう気がする。


「裾が長いです」

「このドレスを着るときは低いながらもヒールが付いた靴を履くことになるのでこの程度がちょうど良いかと思います。」

「麗子ちゃんもこれくらい?」

「そうね・・・、私のは少し短いかしら。」

「お嬢様が幼い頃に裾を踏んで転んでしまった事からお嬢様のドレスは少しだけ短めになっています。」

「では私のも麗子ちゃんのと一緒でお願いします。」

「そうなの!?たしかに転びづらくなったとは思っていたけれど・・・!」

「楓様でしたら問題ないかと思ったのですがご要望であれば麗子様と同じに致します。他に気になるところはございませんか?」


他に気になるところって言われてもなぁ。うーん・・・よくわからん。


「特には無い・・・です。」

「では少々失礼します」

「わひゃっ!?」


メイドさんが急に服の隙間に指を突っ込んでくるから驚いてしまった。首から胸元と、上から下に肌と服の間にどれだけ隙間があるかなどを計測しているようだ。計測してるメイドさんが細かく数字を言ってるからきっとそうだろう。


「麗子ちゃんもいつもこんな感じなの?」

「ええ。ただ、もう少し完成してるわね。」

「お嬢様のサイズは熟知しておりますので、念のために試し着していただくだけです。なので、すでに本縫いした下地を着ていただいております」

「そうなのね。私も初めて知ったわ」

「ちなみにどんなドレスになるかの想像図とかってありますか?」

「・・・仮案で宜しければどうぞ。」


メイドさんに見せてもらうと、なんか、柄的に和服の方が良さそうだなと思った。いや、まあ花を象った柄なんてありがちだからどっちでもいいかも知れないけど。ドレスより着物派だった昔を持つ私からすると少しだけ違和感があった。


「どこか気になる点が?」

「・・・いいえ、見てもよく分からないなって思っただけです。」

「今の計測によって全体のバランスを整えた物が最終案になりますので仮案から少し変わりますがよろしいですか?」

「お任せします」


私はこういうのは分からんのよ。ファッションセンスだけはそれこそウィズにでも聞かなければ凡庸だからね・・・。


「もう終わりかしら?」

「はい。私達の作業は終了しました。」

「ならおやつにしましょう。楓ちゃんが好きか」


もうそんな時間なのか。一度寝てる上にずっと屋内だから時間経過がよく分からなかった。

しかしドレスかぁ・・・。8月って事は夏休み中だろうけど、どれだけ大きなパーティーなのだろうか。今更怖くなってきたわ。


※ 服業界の知識0

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