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蒐集癖な彼・女  作者: 知り合い
第1章・小学生
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第四十六話

女の子たちからとんでもない風に認識されていると知った後、家に帰ろうとしたら麗子ちゃんに呼び止められた。


「楓ちゃん。少しいいですか?」

「うん。どうしたの?」

「先程クラスメイト達に話しかけていたけど何の用だったの?」

「え?えっと・・・」


流石に「私が虐められているかどうかを探っていた」ってのは言わない方がいいかなぁ・・・。


「ちょっと・・・ね?そこまで重要じゃないから大丈夫だよ。」

「出来れば私に教えて欲しいの。友達として協力出来るかも知れないから」

「いやいや、もう解決したような物だから大丈夫だよ。さっさと帰ろ?」

「・・・そう。わかったわ」


ごめんね麗子ちゃん。私としてはこの事実はあまり広げる気ないんだ。なんならさっさとその認識を抹消したいんだ。あ、そういう意味では麗子ちゃんに相談するのも一考・・・無理だな。麗子ちゃんの身分だとむしろ普通でしょ?とか言われそう。


「楓ちゃん。今日も私の家に来てくださる?」

「え?いやでも昨日行ったばかりだから迷惑でしょ?」

「そんなことないわ。楓ちゃんなら毎日来ても構わないもの」

「流石にそこまでお世話になるのはちょっと・・・」


それにママに許可取らないといけないし。無言で行ったら私であっても怒られると思うよ。


「・・・そう。じゃあ、また明日」

「うん。また明日ねー」

「楓ちゃーん。一緒に帰ろ?」

「あ、姫ちゃん。いいよ」


こうして麗子ちゃんと別れて姫ちゃんと一緒に帰宅した。気のせいか麗子ちゃん落ち込んでるというか少し元気無くなった感じだったけど、遊べないのがそんなにショックだったのかな?やっぱり麗子ちゃんも私と姫ちゃん(怪しい)以外の友達を作るのがいいのかも知れないなぁ。あ、でも親御さんの許可が無いと不安になるんだっけ?


「ねぇ、楓ちゃん。今日どうしたの?」

「え?何が?」

「なんか聞いてたでしょ?何聞いてたの?」

「あー、えっと・・・」


・・・そういや姫ちゃんは私以外の友達を作ってたな。社交性で言えば私以上なのは確実だろう。姫ちゃんなら私の評価を友達から聞いてるかもしれないから尋ねてみよう。


「姫ちゃん。私以外の友達出来た?」

「うん!3人できた!」

「私のこと何か言ってた?」

「何か?・・・??」

「えっと、ちょっと怖いとか、話しかけづらいとか」

「うーん、そういう事はあんまり聞かれなかったよ。」


自分で尋ねておいてなんだが、少し自意識過剰気味かな?でも姫ちゃんが聞いてないなら実情は低いレベルで蔓延してるって感じかな?


「あ、でも楓ちゃんの好きなものとか嫌いなものとかはいっぱい聞かれたよ」

「そうなの?私に聞いてくれればいいのに。」

「わたしもそう言ったんだけど、そしたら皆変な顔してたよ。」

「変な顔?」

「こう、左とか右とか向きながらよくわかんない所を見てる感じの顔。」


それって、顔を逸らしてちゃんと答えられないことだよね。なんだろ、彼女たちはたった2日間の学校で何を悟ったのかがよく分からない・・・。

流石にここまで来たらウィズに聞くべきだろう。ウィズ、どうして?

「彼女たちは入学式で一番力ある者として避けていた東条院 麗子が、楓さまの事を楓ちゃんと呼び自分から近づいたところから東条院麗子と同等もしくはそれ以上の存在として認識されました。それに合わせて、あまり笑わない所から近づきづらいという印象を与えています。」


・・・はぁ、麗子ちゃん影響か。確かに麗子ちゃんとは同じ場所に立ってるだろうけど、それだって友達になっただけだしなぁ。まあ、あまり笑わないのは笑う場面が少ないだけだから誤解だけど。対処法としてはなるべく皆と関わることと、麗子ちゃんを私達の次元に下ろしてくる事かな。麗子ちゃんが多少自分を出して周りと対話できるようになれば避けられることは無くなるだろうし。

いや、でもこういうのって時間が解決するものじゃないか?まだ学校始まって3日目だし、せめて1ヶ月くらい経ってから対処してもいいような、うーん・・・!!


まさか小学校生活3日目にしてこんな事で悩まざるをえなくなるとは思わなかった私は、姫ちゃん以上に人付き合いに悩むことになった。天然の社交性が欲しいです。

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