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蒐集癖な彼・女  作者: 知り合い
第1章・小学生
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第四十五話

負債3

さぁて、チクりを実行するとなれば話は早い。自分で解決する素振りだけ見せて残りは先生に丸投げするのだ。

(まあ、実際にはチクりと言えるような事にはならないと思うが。)

早速アルバイ作りだ。


「ねぇねぇ。ちょっと言いかな?」

「なー、に!?えっと、なに?しらかわさん。」

「あ、お名前覚えてくれたんだ!ありがとう!」

「う!・・・うん。ちょっとごめんね」


一人目、逃亡。

ふーむ・・・。目を見る限り、こちらを嫌っているような印象は受けないんだよねぇ・・・。どちらかと言うと、怯え?みたいな。よく聞く集団心理を使った同調圧力で無理やり言い聞かせられているのかな?学校始まって3日目でそんなことが出来る小学生って私と同じ転生者か化け物じゃない?

お次。


「ちょっといいかな?」

「・・・なに?」

「なに読んでるの?」

「・・・・絵本。」

「へー。どんなの?」

「・・・・・あげる。」

「え?あっ・・・」


二人目、逃亡。

口数が少なくて多少社交性が足りなさそうな子に話しかけてみたけど、そんな子も私に対して素っ気なく対応するのか・・・。これは相手側はかなり手強そうというか、先生にチクった程度でどうにかなる話じゃなくなってる気がする。むしろ無視が実物的いじめにワープ進化するだけじゃないだろうか?

・・・最後にもう一人に聞いておこう。


「ねえ、ちょっといいかな?」

「お?なんだ?」

「今話してたのって、日曜日にやってるギャラクシーセイバーだよね?」

「しってるのか!?」

「うん!それどころか・・・、ぎんがきゅうせー、セイバー!ギャラクシーピンク!」

「おおお!?そっくりじゃねーか!おれも!ぎんがきゅーせー!セイバー!ギャラクシーレッド!」


この後、他の男子も入ってきて最終的に日曜アニメの如く、「5人揃って、銀河セイバー!」と決めポーズを取った。自分では失敗したかなーと思っている。何故なら、こんな事してたら女子との距離が遠ざかりそうだからである。まあ、男子は私の事を敬遠してないことを知れたから良しとしよう。

この三人の結果から、このクラスの女子(麗子ちゃん、姫ちゃん抜き)が私をいじめている?と結論付けられるだろう。いじめかどうかが確定出来ないからいじめだとは訴えないけど。

うん。先生に丸投げしよ。


「先生」

「はい?どうしました、白川さん?」

「なんか、女の子が私と喋りづらいみたいで・・・。」

「そうなの?・・・あー。うん、わかった。先生がこそっと皆に聞いてみるね?」

「はい。」


よし、これで後は時間がどうにかしてください。

そのまま、4時限分の授業をしてから給食を食べて帰ることになった。まだ学校に慣れてない1年生は4時限で終わりだけど、他の学年は普通の時間割りでやっているらしい。

そして給食を食べ帰りの会をする時、先生に呼ばれた。


「先生が聞いてきたよ。」

「どうでした?」

「うん。皆はね、」


さて、犯人に対してはどのように対処すればいいのだろうか?とりあえずやり返すかどうかだが、面倒なので二度といじめをしないようにトラウマを植え付けるくらいで済ませたい。


「白川さんに逆らわないようにしてたんだって。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ?」

「女の子全員かどうかは分からないけど、どうやらほとんどの女の子はあなたを上に置いてるみたいね。それで、あなたに嫌われたくないからあんまり喋らないんだって。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ」

「白川さんはすっかりこのクラスの女王様だねぇ。あ、でも誰かをいじめたりしたらダメだよ?いじめはすごくかっこ悪いんだからね!」

「はい」

「私からはこれで終わり。他にききたいことある?」

「・・・いいえ、ありがとうございました。」

「どういたしまして」


━━━━━━━━━━はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。何ですかそれ。私が知りうるはずの無い原因じゃないですかぁぁあぁぁ!

ていうか、クラスの女王で言えば麗子ちゃんでしょ!お嬢様だし!なんか王候貴族みたいだし!なんで私がクラスの女王に選ばれたんだよぉー!???

そんなわけで、女の子が私とあまり喋りたがらない理由は、私にとっては非常に納得のいかない原因でした。どうにか女の子たちのスタンスを変えないと学校生活に支障が出るよ・・・。



ただ、この時、私は一つのミスを犯していた。原因を探るのに夢中で考えていなかったのである。

一連の聞き込みを姫ちゃんと麗子ちゃんが見ている事に気づけなかったのである。


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