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蒐集癖な彼・女  作者: 知り合い
第1章・小学生
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第四十四話

負債3

春休み明けの月曜日。

今日から本格的に学校が始まる。授業が死ぬほどきついだろうけど最悪、寝落ちすれば1年生なら問題無い!


「いってきまーす!」

「いってらっしゃーい」

「楓ちゃ~ん!」

「姫ちゃんおはよー!」

「おはよ~!」


ママに挨拶してから家を出ると丁度姫ちゃんと出会ったのでいつものように一緒に行くことにした。学校に行く途中、姫ちゃんに不安に思うことある?と聞いたところ、勉強が一番不安らしい。これまでの生活にほとんど存在しなかった要素だから仕方ないだろう。分からなかったらぜひ私を頼って欲しい!

そんな話をしている内に学校に着き、1-2組に入る。


「おはよ~!」

「おはよう。」

「「おはよー!」」

「あっ・・・」


うん?クラスに入って一番最初に目が合った子に目を逸らされてしまった。・・・まだ何もしてないと思うのだがその反応はいったい?

謎の反応に戸惑いつつも自分の席に向かう。ついでに、席の周りの子に挨拶する。


「おはよう。」

「お、おはよう。」

「おー!」

「・・・・」

「それでねー、」


・・・私はもう学生人生の難所に辿り着いたのかも知れない。男の子は言葉にはなってないけど元気よく返してくれるのに、女の子は微妙な返事か返さないかだ。この前の2日間で何かをやらかして、もう女子小学生コミュニティから追放されたか、もしくはママさんコミュニティから私と関わらないように命令されたのかもしれない。

て!いやいやいやいやいや、おかしいでしょ。私何もしてないよ?うちのママも何もしてないよ?コミュニティから追放される理由が検討つかない!女性は蛇のごとく怖いものと常に思ってはいたが、まさか原因になりそうな行動自体が検討つかない事態になるとは思っていなかった。

どうする?ウィズに聞くか?・・・いやこの程度で能力を使っていては身が持たない。


「おはよう」


うーんと悩んでいると麗子ちゃんが登校してきた。


「おはよう、麗子ちゃん。」

「ええ、楓ちゃん。体は大丈夫?」

「え?何が?」

「昨日、妹さんを持って帰ったでしょう?佐々木に聞いたわ。私達の年齢で持つには辛い重さだったはずだって。」

「特に何もないよ。心配かけてごめんね」

「なら良かったわ。また後でね」


そう言って麗子ちゃんは自分の机に向かう。いやー、麗子ちゃんほどランドセルがランドセルに見えない小学生もおるまい。ランドセルの異常な高級感と相まってファッションが成立している。ランドセルドレス、流行るかもしれない。ていうか、あのランドセルいくらなんだろ。

少し下らないことを考えていると、周りが妙に静かな事に気づいた。皆、麗子ちゃんを見ている。やっぱり子供でも違いが分かってしまうんだろうなぁ。何故こんな一般公立小学校に来たのか・・・?


麗子ちゃんが机で本を広げると凝視していた皆も正気に戻ってクラスに活気が戻った。

そして、時間切り替えのチャイムがなった瞬間にクラスの前扉が開く。


「皆さんおはようございまーす!」

『おはようございます!』

「この前は皆さんに、この小学校の色んな所を案内しましたね!今日からは、皆さんも上の階にいるお兄さんお姉さん達のように、お勉強を始めますよ!ぜひ頑張ってください!」

「はーい!」

「いえー!」


前の私が子供だった頃はこんな雰囲気だっただろうか?・・・朝起きて学校に行くのが面倒だった記憶しか思い浮かばない。我ながらもう少しまともな記憶を持っていてほしい。


「では、出席を取ります!名前を呼ばれたら大きな声で返事してくださいね━━━」


さて、ここで私は決意した。

現在私は、何故かクラスの女の子達からハブられているというか少し遠ざけられていると思われる。その原因は不明。まだ誰にも告白されてなければ、誰かの不興を買った記憶もない。ていうか何もしてない。現在私が関わっているのは姫ちゃんと麗子ちゃんオンリーだ。容姿でハブられているのだとしたら、せめて一言嫌みでも言ってからにしてほしい。じゃないと何も分からん。

というわけで、自分の過去の所業を分析しても分からず、かと言ってこの程度にウィズを使っていては負担で体が持たないので、小学生の最終奥義を使おうと思う。


その名も、「チクり」だ。

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