表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蒐集癖な彼・女  作者: 知り合い
第1章・小学生
44/69

第四十一話

私は麗子ちゃんのお家はきっととんでもなく大きいんだろうなーと思っていた。「日本に住みながらこの大きさって必要?」と聞きたくなるくらいに考えていた。


「へー・・・・・」

「あー・・・・・」

「すごいねぇー」

「わたしの家にようこそ。」


東条院家は私の予想を裏切ることなく、馬鹿みたいに大きかった。噴水のある庭って要る????

なのでもちろん家の前で降りることはなく敷地の中も車で移動していく。


「あれ?一番大きい家にはいかないんだね」

「ええ。私は今、本邸ではなく別邸に住んでいるから。本邸はごく一部の人しか入れないのよ?」

「へー。まあ、私からするとどっちも似たようなものだけど。」

「きれーい・・・」


本邸と別邸なんて私からすれば40階建てマンションと30階建てマンションのどっちに住みたいかみたいな話だ。4階くらいでちょうどいい私からするとそんな規模の話はよくわかんないです☆


「似たようなもの・・・ですか。やっぱり楓ちゃんはすごいわ。」

「ん?何が?」

「いいえ。何でもないわ。もう少しで着くから用意してちょうだい」



別邸らしい建物の前に車が止まると、すかさず執事らしき人物が車のドアを開けた。やべー、執事だよ執事。老執事・・・とまではまだなってないけどそこそこ歳いってそうな執事キター。


「ただいま、佐々木。」

「お帰りなさいませ、お嬢様。こちらの方々がお嬢様のおっしゃっていたお客様ですか?」

「ええ。私の友達である白川 楓ちゃんよ。その楓ちゃんにしがみついてるのが妹さんで、残りの一人が楓ちゃんの友人の豊口 姫よ。」

「なるほど、あなた様が麗子様からうかがっていた白川様でございましたか。お初にお目見えします。この別邸を管理している執事長の佐々木でございます。何かご不便な点がございましたら是非お申し付けください。」

「初めまして。白川 楓と桜です。今日はお世話になります。ほら」

「おねがいします!」

「はい、承りました。」


ちょっとお腹いたくなってきた。流石にこんな立派な執事さん出て来て挨拶されると緊張でぽんぽん痛くなっちゃうよ。


「じゃあ私についてきて」

「はーい」

「大きいねぇ、楓ちゃん。」

「すごーい・・・」


麗子ちゃんを先頭として別邸の中を歩いていく。シャングリラ、もといシャンデリアだー!一つ一つ撃ち落としたくなる気持ちがむずむずしてくるね。なんか高そうな壺とか絵も飾ってあるし、こんな家で1週間寝泊まりしたら絶対金銭感覚狂うわ。


「きれーい・・・」

「こら桜~、つぼに触っちゃ駄目だよー。すごーく高いものだからねー」

「たかい?どれくらい?」

「桜の好きなおかしでおうちを作れるくらいだよきっとー」

「・・・・・???????」

「だからだめだよー?」

「よくわかんないけどわかった!」


流石に桜には想像できなかった世界のようだ。実際、袋菓子で出来た家を想像しろって言われたら私も結構難しいんだけど。


「ここにあるものはびじゅつてき価値よりも私がキレイだと思ったものを置いたものだからそこまでの値段はしないわよ。」

「へーーー」


ウィズ、あのお花の花瓶、時価いくら?

「約800万円です。」

わかった、ありがとう。やっぱり金銭感覚が化け物。


「ここが私の寝室よ。佐々木、4人分おねがいね。」

「畏まりました。」


佐々木さんが部屋の扉を開けると、女の子垂涎のお姫様ベッドがありました~。キングサイズを子供一人が使うとか、効率って言葉が存在しない世界ですね!むしろ不便だろとすら思ってしまう。


「すごーい!お姫様が住んでるみたーい!」

「えほんでみたやつだー!」

「すごいね、麗子ちゃん。」

「そ、そう?驚いてくれたのなら良かったわ。」

「すごく驚いたよ。こんなベッド見るの初めてだもん。・・・うん?この人形は・・・?」

「あ、それは、」

「おねえちゃんみたい。」

「うん、楓ちゃんそっくり!」

「そうよ!それは私のメイドに作らせた、ミニ楓ちゃんよ!」

「わー━━━」


いつの間にか私が2等身にデフォルメグッズ化されてるー。おらー、私から肖像権の許可取ったのかぁー?

結構自分に似てる人形とにらめっこしていると扉がノックされた。


「お嬢様、失礼致します。」

「入っていいわよ」

「皆様初めまして。この屋敷にてお嬢様に仕えさせていただいているメイドでございます。私達のことはこの胸の布の色でお呼びください。そして、楓さま。早速ですが少し失礼致します。」

「え?あ、はい。」


私がそう言うとメイドさんたちは私を囲んでカメラとメジャーを持ち出した。


「では、これより採寸を行います。まずは、気をつけのポーズから両手を肩の高さまで上げてください」

「え、あの、はい。」

「カメラのリンク確認。体表面の撮影、終了しました。」

「続いてバスト、ウエスト、ヒップのサイズ確認、終了しました。」

「腕、脚のサイズ確認、終了しました。」

「必要な3要素の確認の終了を確認。以上をもって撤収します。楓さま、ご協力有り難うございました。失礼致しました。」


・・・。なんだ今の突風みたいな採寸は。約10秒くらいで全部終わらせて帰っていったぞ・・・。


「ごめんなさい、楓ちゃん。どうしても必要な情報だったから採らせてもらったの。」

「あ、うん。うん、何に使うのかはわからないけど、変なことには使わないでね?」

「もちろんよ」

「今の人たちすごかったね~」

「かっこいい!」


金持ちの家にはよく分からない特技や技能を持った有能変人が沢山いるんだろうなと思った。まあ、そういう意味じゃ私は断トツでやべーやつなんだけどね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ