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蒐集癖な彼・女  作者: 知り合い
第1章・小学生
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第三十九話


あの後、麗子ちゃんは静かになって特に姫ちゃんと張り合うことも無かった。(まず、私を巡って張り合ってたのが可笑しいのだが)

そして、実はまだ春休み中だった小学校は来週から始まるから元気な姿で会いましょーと終わりの会をやって解散になったのだ。


「それで教室で話すの?」

「・・・校舎裏にきて。もちろん、姫は駄目よ」

「わかった。姫ちゃん、私ちょっと麗子ちゃんとお話ししてから帰るから、先に帰ってママに伝えてくれる?」

「・・・うん。まってるね。」


うーむ。早速初日から姫ちゃんを一人で帰らせてしまうのは心が痛むが、私のモヤモヤを解消した後に沢山可愛がってあげるから勘弁してくれ。


「じゃあ行くわよ。」

「うん。」


薄暗い校舎裏・・・ではなく、ある程度整備されていて少し古いけど汚くないベンチが置いてあった。とりあえず鳥のふんとかは落ちてなさそうだし座って良いかな。


「さて、楓さんが知りたいのは友達のりゆうだったわね。」

「うん」

「かんたんよ。あなたがお父様に認められたからよ。」

「・・・え?それだけ?」

「そう、それだけよ。入学式の時にあなたを見たお父様は友人になることを認めてくれたわ。それどころか、あなたによろしく頼むとまで言っていたわ。だから私はあなたを友達に、いえ大親友にしたの。」


いつの間に大親友になったんですか???なった覚えないですよ??????


「え、じゃ、じゃあ、最初のあれはいったい・・・?」

「・・・私よりも上の人を見たのは初めてだったから。」

「上の人?」

「昨日の楓さんはすごくきれいだったわ。だから私はあなたから目を離せなかったの。そこであなたとなら友人になれるかもしれないって思ったわ。でも自信が無かったからなまえを聞いたところで終わらせたの。」

「へ、へぇ・・・」


ここまで真正面からストレートに誉められると、自明の理とはいえ流石に恥ずかしい・・・。しかし、私は麗子ちゃんが凄く綺麗に見えてたからある意味お互い様ではあるのかな。


「あなたは気づいていなかったみたいだけど、あなたが入ってきた時。あそこにいたほとんどがあなたにみほれていたのよ?」

「そ、そうなの!?」

「目線にはにぶいのね。」


み、見惚れられてたのか。なんか、今更ながらむず痒い・・・。て、違う違う。そこじゃない。


「麗子ちゃんはお父さんが認めてくれた人じゃないと友達にならないの?」

「・・・・・それが一番安全なのよ。お父様に見てもらうのが一番早いの・・・。」

「早い?何が?」

「本当の目的を知ることがよ。」

「え?」

「あなたは知らないだろうけど、私のお父様は超有名会社の社長よ。」


知ってます。うちのパパがお世話になっております。


「だから昔から私と友達になろうとする子は多かったの。その子達のご両親からのおすすめでね。」

「そしてそういう子は私の友達になってくれないの。皆、私のお家と友達になることがもくてきなの。」

「そしてある時、私の友達じゃないことが分かるの・・・。それに怒ったお父様が私の友達になる子を見てくださることになったの。」


・・・なるほど。つまり、良い意味で選定しているわけだ。その子供が自分の子供の麗子ちゃんを傷つける可能性があるかどうかを・・・。見ただけで分かるかどうかはよくわかんないけど、超大企業の社長ならなんらかの見分け方があるのかもしれない。


「お父様があそこまで言ったのはあなたが初めてだった。だから私はあなたと友達になるわ。あなたが困っていれば助けるし、わたしが困ったらあなたが助ける。そんな、夢見る友達になりたいの。」


ここまで言われてしまうと・・・なんか、受け入れざるをえない気がする。やっぱりお金持ちはお金持ちで特に幼少期から苦労してるんだなぁ。ていうかむしろ、そこまで嫌な経験してなおよく友達を作ろうと思ったものだ・・・。


「うん。わかった。」

「・・・友達、やめる?」

「いいや。これからもよろしくね、麗子ちゃん。」

「っ、うん!よろしく、楓さん!」

「前から思ってたんだけど、さん じゃなくて ちゃん でいいよ。なんかかたい。」

「う、うん。楓ちゃん。」

「じゃあ帰ろうか。私お腹減ったし。」

「じゃ、じゃあ、私のお家で食べていく!?」

「いや、ママが用意してるから・・・」

「そう・・・。わかったわ、じゃあまた来週ね。」

「うん、また来週!」

「あ、一つ忘れてたわ。友達になった理由。」

「え、まだあったの?」

「あなたを見たときに、あなたはふつうの人じゃなくて私と同じ人だと思ったからよ」


最後にそう言って麗子ちゃんは帰っていった。

えーーーー。私と麗子ちゃんが同じーーー?・・・いやぁ?5億程度でお嬢様と一緒って言われてもなぁ。能力面はたぶん運動能力が高いくらいでしょ?

・・・彼女の目には私の何が特異に見えたのか。新しい疑問が生まれてしまった。

小説名、蒐集癖のある彼・女としてましたが、(ある 要らなくね?)と思って、消してみました。コンパクト化。

蒐集癖の彼・女です。ただ、今現在彼・女の・が気に入らないのでなんかに変えようとも思ってます。

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