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蒐集癖な彼・女  作者: 知り合い
第0章・赤ん坊
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第四話

半年が経った(たぶん)

「正確には約7ヶ月です」

半年過ぎてんじゃん。まあ、現状1ヶ月の差なんてほぼ無いから良いけど。

この6ヶ月間、ずっと体をバタバタさせたり、泣いたり、口の運動をしたりと、筋トレ(?)しかしてこなかった。それしか出来ないからしょうがないんだが。

その成果もあって、頑張ればもう少しでママくらいは言えるようになりそうだ。ママ、最初の2.3ヶ月間の地獄を抜け出した証を見せてやるからな。

「それでも楓さまの夜泣きの頻度はかなり少ない物だと統計されていますが。」

まあ、めちゃめちゃ頑張ったからな。可能な限りママが寝れるように寝る前にいっぱい飲み貯めしておいて、ちょっとお腹が減ってきても体が自動的に泣き出すまで堪えたりと。俺が元男の社会人じゃなかったら不可能だったぜ。

「特殊能力があるから良いですが、無ければ最悪死んでいました。これからはそういうことは無いようにお願いします。場合によってはこちらから警告いたします。」

あ、はい。でも、その努力あって、ママは夜中に1回起きればいい程度に済んだからな。4時間睡眠を2回取れればそこそこマシだろう。実質2度寝みたいなものだ。世の社会人どもには羨ましかろう。

「それはどうでもいいですが、その後始末もしっかりお願いします。」

うん?後始末?

「夜中に余分に取らなかった分の栄養摂取です。そろそろ影響が出始める頃です。食事が変わりますので。」

離乳食の話か?

「その後期からです。固形物とまではいかないまでも一般の食事に近づいていきますので、そこでかなりの飢餓感に襲われると予想されます。」

まあ、食べる程度なら頑張るまでも無いだろう。

「であれば良いのですが。」




大人基準で考えれば、これがフラグになるなんてまったくもって思わないよね。




現在、9ヶ月目くらいです・・・が、

お腹いっぱいなのにお腹へった感じがする。

なんだこれ。どういうことだこれ。

「以前申し上げた副作用です。能力によって栄養が少ない状態でも生存可能でしたが、その対価として今、当時の分の栄養も含めて取らされているという状況です。」

そんな対価が必要なのか・・・。出来れば先に言って欲しかった。

「命に関わらない事は分かっておりましたのでご本人の意思を曲げるのは良くないと判断いたしました。」

えぇ・・・。

「注意として、満腹の状態で食べても体内に収めきれず吐きます。なので、食べないでください。体内から体外への逆流が続きますと、いくら楓さまであっても非常な成長が発生し障害が残る可能性がございますのでお気をつけください。」

つまり、この何かをすごーく食べたいという欲望に抗って健康な未来を掴み取れって事なのね・・・。

「頑張って下さい。」



「うー」

「もう、この食い意地はどっちに似たのかしら。ごはん食べたばかりなのに涎垂らしちゃって。」

「僕はそこまで食い意地張ってないと思うんだけどねぇ」

「私もよ。というかあれよ。あなたが寝坊して朝食べずに更に昼も抜いた日の夕飯食べてる時に似てるわ。もう食べたくてしょうがないって顔よ。」

「あー、あの日は辛かったなぁ。寝坊した上に会議と商談が連続して時短飯くらいしか食べれなかったからなぁ。て、それはいいや。つまり、楓は今すごくお腹が減ってるって事?」

「たぶんね。明日からは少し量を増やした方がいいのかしら?でも、本だとあれくらいって書いてあったし・・・」

「僕としては普通にゲップしてるから今で十分だと思うけどね。食べ過ぎは体に毒だろうし」

「うーん・・・。でも、私達が少し摘まんで食べると物欲しそうに見てる気がするのよねー」

「まるでダイエットしてるときの君だね。アイスの誘惑と戦う君は非常に見ていて楽しかったよ。」

「ちょっと、もう!」



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