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蒐集癖な彼・女  作者: 知り合い
第1章・小学生
38/69

第三十五話

負債2

入学式中~


「ママ見つけた?」

「うーん、見つかんない。」

「私も見つからないんだよね」


正直言って暇なので、話を聞いてる間に姫ちゃんと一緒にちょっと後ろ向いたりしてママとパパがどこにいるのかを探すことにした。

けど、意外と見つからない。私達が前の方に座っているのもあるのだけれど、どこにいるんだろう。


「・・・はしたないわよ。前を向きなさい」

「あ、うん。」

「はーい」


そして東条院さんは私の隣にいるわけですが、なんでこの人は私にだけ積極的に話しかけてくるのでしょうか?

私は気づいていた。姫ちゃんと東条院さんが実はまったく会話していないのを。東条院さんは姫ちゃんからの言葉はしれっと無視しつつ私に話しかけてくるから私的にもあまり気分は良くないのだが、姫ちゃんが気にしていないみたいなので注意とかはしないことにした。


そのおかげで私は入学式が終わるまで姫ちゃんが何か喋る度に「東条院さんじゃなくて私に喋ってー!」と祈っていた。なんで私はこんなに疲れるようなことしてたんだろうか。



「ママー!パパ~!」

「姫!ちゃんと静かに座ってて良かったわよ~!」

「流石だな、姫!」

「えへへー!」


今日は姫のパパさんも来ていたのか。まあ娘の入学式だもんな。立派な一眼を首もとからぶら下げてらっしゃる。

私も本当なら嬉しくパパとママと桜に飛び込みたいものだが、今回はそうはいかないのだ。


「パパ、ママ、桜。ど、どうだったかな?」

「よかったわよー。」

「良い写真がいっぱい撮れたよ!」

「お姉ちゃん可愛い!」

「はは、ありがとう・・・。」

「それでその子は?」

「えっと、会場で会った東条院さん。」

「初めまして。東条院 麗子と申します。」

「あらあら、礼儀正しい子ねぇ~。」

「・・・ちがう。」


え?違うって何が?

東条院さんの謎の呟きに疑問を感じているとやたらと立派な服を着た男女がやってきた。


「ここにいたのか麗子。」

「!?お父様!!お母様!!!」

「後ろで見ていましたよ。」

「い、いかがでしたか!?」

「東条院家の淑女として申し分ない振る舞いでした。合格です。」

「ありがとうございます!」


どうやら東条院さんのパパとママだったみたいだけど、東条院さんのテンションがさっきと違いすぎてそれどころじゃない。


「はぇ~・・・・」


ほら見ろ。姫ちゃんも呆気にとられてるじゃないか。


「ん?麗子。そちらのお嬢さんは?」

「は、はい。入学式にて知り合った、白川 楓さんです。」

「ほう・・・」

「こ、こんにちは。白川 楓です。」


な、なんだ?めちゃめちゃご両親から見られて居心地が最悪なんだが。


「うむ。私達の娘と良き友人になってほしい。この子はあまり友人がいないものでね。」

「お願いしますね、楓さん。」

「は、はい。」

「お父様、お母様!!私一人でも友人程度作れます!」


いや無理だよ。とりあえず今日同じクラスで待ってた子達はもう友人にはなれないと思うよ。下僕とかならいっぱい出来そうだけど。


「白川さんのご両親も、どうかよろしくお願いします。こちら私の連絡先です。」

「ああ、これはご丁寧に。こちらこそよろしくお願いします。」

「それじゃあ、行こうか麗子。」

「はい!」


こうして東条院一家は去っていった・・・。


「いやー、まさか本当に名刺交換することになるとは思わなかったよ。」

「姉さんのアドバイスに従って良かったわね。」

「・・・!?こ、この会社は・・・!」

「どうしたのパパ?」

「いや、うちの取引先だったよ。ははは・・・。まさか東条コーポレーションの社長さんだったとはね・・・」


ふーん。パパの苦笑いみたいな顔的に、やっぱり結構なお嬢様なんだな。・・・まあ、面倒事が沢山やってくる前兆なんだろうな。


「楓ちゃん・・・」

「うん?どうしたの姫ちゃん。」

「・・・私も麗子ちゃんと友達になれるかな?」

「大丈夫!きっとなれるよ!だって、姫ちゃんは私の親友なんだから!!」

「・・うん!私、がんばる!」


未だに名字で東条院と呼び続けてる私より名前で呼んでる姫ちゃんのほうが圧倒的に友好的だし!あと、最悪私がやつとの友好を切ります。



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