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蒐集癖な彼・女  作者: 知り合い
第1章・小学生
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第三十二話

4月1日。白川 楓、6歳。

今日は私が入学する田楽小学校の入学式である。

・・・予想以上に緊張する。私は今かーなーり緊張している。

前世で何回も入学式を経験しただろうって?

確かにそうだが小学校の入学式は流石に覚えていないから変に緊張するのだ。これから6年間この小学校に通うんだから変なことは出来ない。ご、ごく普通に、一般人として溶け込まないと・・・!



「・・・楓ちゃん大丈夫?」

「ぅうん!大丈夫だよ!」

「思いっきり緊張してるわねぇー。楓にしては珍しい」

「むしろうちの姫は全然緊張しないのね。」

入学式に行くにあたって同じ小学校に通う近所の姫ちゃんと一緒に向かっている。姫ちゃんって多少の人見知りはあるけど緊張とかはしないタイプみたいなんだよねぇ。

「楓ちゃんと一緒だから平気!」

あぁ、我が姫。そう言ってくれるのは嬉しいしかわいいけど、せめて腕組みじゃなくて手繋ぎで歩かないかい?すげぇ歩きづらい

重心を左に傾けながら歩き続けて3分、小学校に着いた。

「おはようございます!お名前をお聞かせください。」

「白川です。」

「豊口です。」

「えーっと・・・、白川 楓ちゃんと豊口 姫ちゃんですね!では、楓ちゃんと姫ちゃんはこちらへどうぞ!牽引係ー!」

「はーい」

受付の人が呼ぶと奥から二人の女の子(先輩?)が出てきた。

「二人ともまた後でね」

「私達は体育館ですか?」

「保護者の方は10分後に入場可能になります。それまでは少々お待ち下さい。」

「二人は私達と一緒に教室に行くよ!」

「「はーい。」」

ママ達と別れて小学校の先輩と手を繋いで校内に入っていく。



「楓ちゃんはいつも何してるの?」

「本を読んでいます。」

姫ちゃんの読書に付き合ってた影響で家でも暇なときは適当に本を読む生活になっていた。けして、珍しい物探しなんてしてない。

「へー!どんなの読むのー?」

「・・・」

さて、ここからだ。私が何を読んでいるかと言うと、何でもと答えるのが正しい。パパが持ってる漫画とかライトノベルも読むし、私用にある絵本とかも読むし、イギリスのババァが送ってくる謎の本も読む。(ほとんどが幼児に読ませる難易度の物ではない。)

でも、たぶん小学校低学年の女の子がそんなの読まないよね・・・。

「えっと、絵本とか漫画とかです。」

「漫画は最近ね、ジャックセレクトとか読んでるよ!他の子はあんまり面白くないみたいなんだけどバトルがすごいんだよね!楓ちゃんはなに読んでるの?」

うん。よく分かんない。週刊漫画雑誌の漫画かな?たぶん。でも、バトルが凄いってことは少年漫画か。結構男の子気質なのかな。

「私は最近、ガラスの裏側って本を読みました。」

10年くらい前の少女マンガである。普通の女の子が道端に飾られた不思議な鏡を覗いたらそこにはお姫様の格好をした自分がいて、鏡の世界に引きづりこまれるという内容である。

少女マンガなのに最終的に姫様である自分とタイマン勝負をするという少女漫画特有の謎展開だった。まあ面白かったけど。

「ガラスの裏側・・・?聞いたことあるような無いような・・・?」

「古い漫画なのでしかたないです。」

「・・・楓ちゃんと話してると友達とか大人の人と話してる気分になるよ。もしかして私よりも頭良い・・・?」

「そ、そんなことないです!先輩の方が私より大きいですから!」

緊張で幼い仮面を作る余裕も無いだけです!私、大人じゃ、ナーイ!

「ええ子や楓ちゃん・・・。私は桜井って言うから何か困ったらいつでも頼ってね!2年間だけだけど。」

6年生じゃなくて5年生だったんかい。

そんなくだらない事を考えていたら待機教室に着いた。

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