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蒐集癖な彼・女  作者: 知り合い
第0章・赤ん坊
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おまけ2・聖剣の受け渡し

負債2

とある日の昼の東京駅。


『おじいさーん!』

『おお、来てくれたのか。有難うね』

『ううん。私が欲しい物を持ってきてくれたんだもん。これくらいは平気だよ。』

今日はイギリスで釣りのお爺さんと会ってから丁度1ヶ月後である。お爺さんの言っていたことが本当なら、いや本当だろうから行かなきゃってことでママに無理を言って連れてきてもらった。

「もー、楓。一人で行っちゃだめよ~!」

「ごめんなさい。つい嬉しくて。」

ん?よく見たらお爺さんの後ろに2人いる。誰だろう?

『お爺さん。後ろの二人は誰?』

『ああ、紹介しなければな。まず私の妻だ。』

『こんにちは、お嬢さん。・・・貴方が夫の言っていた人なのね。』

『?お爺さん何言ったの?』

『う~ん・・・まあ、一緒に釣りをしたら変なのが釣れたってことくらいかね』

それにしちゃ何か反応おかしく感じるが・・・?

「か、楓?楓ったらいつの間に英語を喋れるようになったの・・・?」

「え?」

あ。

やっば、ママいるの忘れてふつーに英語で喋ってた・・・。えーと、、、、天才だからで行こう。

「い、イギリスに行った時に周りの話し声聞いてたら何となく出来るようになった!」

お願い、これで許して!

「まぁ・・・、楓ったら流石ね!まだ4歳なのにもう二カ国語喋れるようになるなんて!?」

よぉし!!!

「えっと、私も挨拶してよろしいでしょうか?」

「あ、ごめんなさい。」

「いえ。私はエドワードさんに雇われた通訳兼ガイドでございます。この後話す際に会話を円滑に進めるために同席させて頂きますのでよろしくお願いします。」

「は、はぁ・・・?」

『「さて、では近くの店に入ろうか。この荷物を君に渡さないとね。」』

『!!』

「あ、はい。」

さぁ、エクスカリバー君の真の姿を見させてもらおうか。



なんか東京特有の高そうなレストランに入った。お爺さんはこのレストランの個室を予約していたようだ。

『「では早速だが、君から預かっていた物を返そう。」』

席についた後そう言ってお爺さんはギター入れのような物を机の上に載せて、開いた。

『「この剣を見たとき、私は2つの驚きに襲われたよ。一つ目はこの荘厳さ。ただの剣であるはずなのに一般人である我々が触れてはならない物のように感じる。」』

・・・確かにこの剣は明らかに普通じゃないな。ただの物のはずなのに存在感が強すぎる。目隠しされた状態で見せられても存在を認知出来そうだ。

「え?え、なんで剣を・・・???」

『「そして、二つ目はこの剣の綺麗さだ。私はこの剣を綺麗にするにあたって最低でも2週間はかかると考えていた。だけどこの剣に付いていた泥や苔を洗い流したらこの状態で剣があったんだ。この剣は最低でも100年以上前に湖に落ちたものと付着物から断定された。ありえないが1000年前からの可能性もあると。」』

そ、それは凄いな。これも剣の能力なのか?所有者は誰もいなかったはずなのに・・・。

『「さぁ、カエデ。この剣を受け取りたまえ。剣は君を選んだ。君が持つのが相応しいだろう。」』

「ちょ、ちょっと待ってください!子供になんてものを渡そうとしてるんですか!?それも女の子に対して!!」


あぁ!流石のママも私が剣を持つことには賛成してくれなかった!


『・・・やはり母親には言ってなかったのだな。すまない、カエデと二人で話していてくれないか?』

『わかりましたよ。未来の王の器を確かめるとしましょう』

『私達の王になるかは分からんがな。すまない、私と彼女と通訳の三人で話す。』

「エドワード様は楓さんの母君と一対一でお話しされたいそうです。」

「・・・・・良いでしょう。何故こんなことをするのか聞かせてもらいます。」

ママが怖い・・・。目がはっきりとしすぎてて異常だってすぐ分かるよ。

『楓ちゃんは私とお話ししましょう?』

『うん。』

・・・頼む、エドワードじいちゃん!



お婆ちゃんの事知らないんだけどなに話そう。

『さて、楓ちゃんは帝王学に興味はあるかしら。』

『ぶっ!』

それが一言目!?

『将来国の上に立つ可能性があるなら学んでおいて損は無いわよ?』

『いやいや、私はそんなつもり無いよ!』

『あら。そうなの?私はてっきり、あなたはあの剣を知っていると思っていたんだけれど。』

『知らないよ。たまたま釣り上げただけだよ。』

『ふーん・・・。まあ、ならいいわ。剣に選ばれた者が全員王になるとは伝わっていないものね。じゃあ別の事を聞いていいかしら?』

このお婆ちゃん、なんかすごい嫌な予感がするんだけど。

『・・・いいよ。』

《エクスカリバーを何に使うつもりかしら?》

!?今の英語じゃない。なに今の?ウィズ?

「はい。今のは英語ではなく、フランス語です。」

私を試しているのか。フランス語なんてろくに聞いたことも無いから返答出来るわけ無いでしょ。

『?何言ってるの?』

『ふむ・・・。確定、かしらね。これはまたとんでもない才能が生まれたものね。将来が楽しみだわ。』

ホホホとお婆さんは笑うけれど私は全然笑えない。なんなんだ、このお婆ちゃん。実はお婆ちゃんの変装してるエージェントとかじゃないのか?

『~♪はい。これをあげましょう。』

『名刺?』

『何か特別に必要になった物が出来たらそこに電話なさい。理由によってはこちらの負担であなたにあげるわ。』

・・・お婆さんの胡散臭さが2019上がった。格好に反してこの人の精神、暴君タイプだろ。ゆるふわヨーロッパお婆ちゃんみたいな格好しながら、ライダースーツ着た泥棒みたいな振る舞いしてるよ。

『いらない。』

『持っておきなさい。大きくなったときにきっと役立つわよ。』

話聞いてくださいババァ様。私は要らないと言っているんです。なんなら貴方との縁を切りたいんです。なんでこんなのと結婚したエドワード。

『さて、向こうは終わったかしらね?いえ、終わったようね。』

『・・・・・・ババァ』

『大人になりたいなら本性は隠しておきなさい。女の武器は知識と仮面よ』

こんな大人になりたくない第一位に表彰されたのでそんな言葉覚えません!



お爺さんと話したお母さんは一応納得したみたいだ。ただ、やはり幼い私にこんな重いものを触らせるのは怖いようなので、ママとパパの部屋に飾られる事になった。寝室で喧嘩しないでね。エクスカリバーに血を吸わせたくないから。

その後、お爺さん達と一緒に(マナーを学びながら)昼食を食べ、観光するという二人と別れて家に帰った。最後までババァは私に高等教育をさせようとママに年少期の留学の良さとか私にIQテストを受けさせてみないかとか言ってた。うっとおしいババァである。

この剣は重くて持ち帰れないので宅配で後日届く。あ、一応刃は潰してあるらしい。剣の力を考えると修復されててもおかしくないけど。

こうしてエクスカリバーもどきはうちに来た。(置物)


まあ、後にウィズの力を借りて詳しく能力が判明するが。


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