第二話
「天井に何かいるの?何か驚いたような顔をしたかと思えば寝ちゃって・・・。ふふ、可愛いわねぇ。私も赤ん坊の頃はこんなだったのかしら?これなら「子供を産めば全てわかる」っていう母さんの言葉も分かるわね。」
「おはようございます。」
おはよう。
「ただいま午前11時で御座います。」
うん。まあ、赤ちゃんに時間感覚とか無いからね。そりゃあそうなるよね。
「本日はどのようなご用件で?」
恵体についてちょっと考えてみた。俺の想像力やら意志力やらでどうにかこの能力に干渉すれば最良に近づけるんじゃないか?
「・・・出来なくはないでしょう。ただし、かなり詳細にどんな姿になりたいか想像しなければいけませんが。」
よしよしよし。これから女として生きていくとは言っても世界中の男に狙われながら生きていくなんてお断りだからな。ていうか、結婚するとしても優しくて落ち着いている男か、いっそのこと同性婚に走る。・・・ただ、出来れば両親を悲しませたくは無いので金を抜きにした優良物件の男とは結婚を考える・・・ようにしたい。
「では、どのような姿を思い浮かべますか?」
まず、身長は160から165cmの平均程度、胸は・・・Cいや、D・・・いー
(胸が大きすぎると肩こりに殺されるとか云われてるよな・・・)
Dだな!うん。E以上もよい物だと思うが、触ったりするの俺じゃないしDだな!Dってどんなもんだ。漫画とかだと制服のブレザーが軽く胸の形になるようなものだったりするが・・・、いやそれはEからか?リアルな大きさなんて分からんがとりあえずDくらいにしておこう。
で、ウエストとかヒップ・・・?
うーん、とりあえず太すぎなければいいんじゃ━ないか?極端にでかくならなければ後は一緒だろ。結局タイトな物履けば形出るし。ただ、整形と思われる可能性は減らさなきゃならないから胸と身長に対してなんか適正値みたいなのにしてくれ。
俺的には最優先は内臓だ。内臓はガッチガチの超頑丈設計で頼む。あと、口の粘膜関係も。つーか、体自体の頑丈さと強靭さをかなり高めでお願いします。昔から続く痛みは苦手なんだ。
電車の中の腹痛とか口内炎とか、死ぬほどきついんだよなぁ。あれが無いアニメキャラが死ぬほど羨ましかった。
あとは・・・、特に無いか。頭の出来なんて今更変えられんしな。むしろ変わったら怖いが。
「以上でよろしいのですか?」
うん、こんな感じかな。とりあえず、体が丈夫ならあとは君の能力と組み合わせれば何とかなるだろうし。
「では、確認いたします。身長160から165、バストカップD程度、肉体の頑強化、強靭化。その他は天運に任せる。こちらを増幅いたします」
え?そんなこと出来るの?
「私は唯一脳機能に干渉出来るので可能です。副作用として」
身長160-165バストカップD肉体強化身長160-165バストカップD・・・
「増幅した物に意識も引っ張られるので思考がしづらくなります。それでは今日はこの程度で」
「あうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあう」
「えっ?え、ど、どうしたの!?楓!楓!?」
「・・・・zzzz」
「ね、寝てる・・・?今のは何だったのかしら・・・?病院とか連れていった方がいいかしら・・・?」
後から赤ん坊なのにとんでもない反応をしていたと聞いて、母さんに謝りたくなった。いきなり自分の子供が狂ったように喋りだしたら怖いよね。ごめんなさい。