第十八話
「1等っていくらなのかしらねー?」
「あわわわ・・・。」
「えーっと、大丈夫ですか?」
「は、はい!」
「では、改めまして。一等の当選おめでとうございます。こちらが一等の3億円、と、キャリーオーバーである3億円を含めた6億円でございます。」
「キャ、キャリーオーバー?って?」
「簡単に言えば繰越金のようなものですね。こちらはこのままお持ち帰りになりますか?それとも口座に?」
「こ、口座でお願いします!そのまま持ち帰ったら、死んでしまいます!」
「わかりました。では、こちらの書類に目を通していただきましてサインをお願い致します。こちらには捺印もお願いします。」
「えっとこの書類は・・・?」
「当選金の受け渡しに関するものと、当銀行での口座開設のための書類。そして、詐欺類への注意事項です。よくある話なのですが、宝くじに当たったから人生が狂ったというのはよくある話なのですが、当銀行的にはあまりなってほしくありませんから。」
「大事ですね!なるほど・・・」
受け取りはこんな感じだった。いきなりトンデモ事態にしちゃってごめんねママ。私の将来の自由的に一発当てておきたかったんだ。おかげ様で、これで何か有っても(ある程度)問題無いくらいのお金は確保出来た。
ちなみにこの作業の間、私達は若い女性の銀行員さんに遊んでもらっていた。おっぱいおおきい。
「あなた、ちょっといい?」
「ん?どうした。」
「あのね、楓が一発当てちゃったの。」
「一発当てた?あー、先週買ったって言ってた宝くじか。もしかして一等賞とか当てた?なんてね、ハハハ!」
「その通りなんだけどね。あの子、たった一口の宝くじでドンピシャ当てちゃったの。ほら受け取った銀行の通帳」
「ブッ!? 一、十、百、千・・・うわ、6億ある!!キャリーオーバーしてたんだね!」
「そこじゃないでしょう。ふぅ。こんなミラクルを起こすなんて、あの子は神に愛されてるのかもしれないわ。まあ、それでね?相談したいのがそのお金の使い道なんだけど」
「4人仲良く田舎にでも引っ越す?」
「違うわよ。ほとんどをあの子達の教育費にしようと思うわ。あとは旅行費と万が一のためのお金ね。もし私達のうち誰かに何かがあったときに困らない様にするための予備金の役割と、あの子達に色んな経験をさせるためのお金。それ以外には使わない方がいいと思うわ。」
「分かった。だけど旅行費って?」
「これだけお金があるんだもの。これからは毎年夏休みにでも二人を連れて旅行したいわ。まあ、桜はまだ少し不安だけど、あの子達に色んな物を見せてあげたいの。あなた有給余らしてるから出来るでしょ?」
「うん。まあ基本余らしてるけど。今年も10くらい消えるかなって思ってたし。」
「だから早速今年の夏から行きましょ?ね?」
「うーん・・・わかった。確かに子供の宝くじに頼るのは親として情けないし。あの子が当てたものはあの子達のために使うのが一番いいか。」
「でしょ!じゃあ早速今年の夏休みはどこに行こうかしら。」
「それは楓に決めさせた方がいいだろ。気になる場所があるかとか聞いてみよう。僕も一応良さそうな所聞いてみるよ。」
「わかったわ。」
「しかし、言っちゃなんだけど。楓が得たお金を無許可で桜に使っていいのかい?」
「ええ。これは母親として決めました!楓はきっと天才よ。お金なんてこの先もいくらでも稼ぐでしょう。だからこそ、唯一の妹と仲良くして助けられるように教育するつもりよ!」
「ハハ。桜が2歳になってからはもうすっかり教育ママみたいになっちゃって。僕は構って貰えなくて寂しいよ。」
「ん・・・。昼間はあの子達の母親だけど、夜は貴方の妻だから・・・ね?」
「はいはい。ではベッドに参りましょうか、レディ?」
「それはあんまり似合わないわね、ふふ。」
私としては桜に使っても全然構わんですよ。本当にお金が必要ならいくらでも手段はあるしね。ただ、現状桜で精一杯なのに3人目こさえて桜の反抗期を延ばす様な事態にはしないでくださいね・・・。