第十七話
これはママと桜と一緒にお洋服を見に行った時のこと。
「・・・ママ。あれなに?」
「あれはね、宝くじって言うのよ。」
「たからくじ?」
「たかーうじ?」
「あのお店でくじを買って、そのくじが大当たりだってらすごい景品が貰えるのよ。」
「しゅごーい」
二歳になった桜はモノマネにはまっている時期である。
ところで実は、4歳になった際にやっとアカシックレコードでの能動的検索が可能になった。まだ1回使ったら1ヶ月間使えなくなるという制約はあるもののようやく調べられるようになったので何かに使ってみたかったのだ。ちょうど良いから宝くじに使ってみよう。ちょっとばかし大金取りに行くとしますか。
「やってみたい」
「ええ?あれは大人のためのものよ?」
「やりたい。やりたいやりたい!一回でいいから!」
「やーたい!」
「うーん。じゃあ、一回だけよ?」
「やったー!これ、なにをするの?」
「やー!」
「この数字達から7個の数字を選ぶのよ。ママが書くからそれぞれ好きな数字を選んでね」
ウィズ。
「はい。」
あ、言い忘れていたが、ケースという名前が気に入らなかったので賢者って意味でウィズと名付けた。この4年間付き合ってきたがあまりシステム的な、機械的な感じがしなかったのでシステム名で呼ぶのが嫌になったのだ。
ウィズ、この宝くじの一等賞の番号を検索して。
「了解しました。秘密世界目録にアクセスします。検索・トレジャー7、一等賞当選番号。副作用にお気をつけください。」
さて、副作用とはどんなもぉ!?
グオオオッ!?い、色んな情報が無理矢理頭の中に・・・!!
「検索終了。一等賞当選番号は、0737918です。大事ございませんか?」
と、とれあえずにゃんとか・・・
「ハァっ、ハァっ。」
「頭を抑えてどうしたの、楓?頭痛い?」
「ねぇね?おーしたの?」
「な、何でもない、大丈夫だよ!えっと、0!」
「そう?無理しないでね?えっと、ゼロ」
「7!3!えっと、7!91の、8!」
「0737918ね。これで一口お願いします。」
「はーい。当たってるといいね、お嬢さん」
「うん!」
「あい!」
「結果は来週の金曜日に分かります。」
「はい。来週また来ようね?」
「うん!」
「やたー!」
一週間後。
「これお願いします。」
「はーい。おや、先週のお嬢ちゃん。当たってるといいねぇ」
「当たる!」
「るー!」
「では、結果発表!・・・おお!おめでとうございます。高額当選です!こちらのくじを持ってこの紙に書かれている銀行にお伺いください。」
「良かったわね、楓!」
「うん!あたったよ、桜!いえーい!」
「いえー!」
予定通り。これで私の懐に3億円が・・・とはならないが、この大金でママとパパが道を踏み外さない限り精神的に安定した人生になるのは間違いない。
「ところで、1等っていくらなのかしらねー?」