第十三話
お爺ちゃんの後に、お祖母ちゃんからクレヨンを頂き、ひいお祖母ちゃんからはスケッチブックを3冊もらった。
画家の道を歩めということかな?
「この子ったら、お爺ちゃんにもらった色鉛筆セット抱いて離そうともしないわ。そんなに気に入ったのね」
私は何があってもこの色鉛筆離さない。もうチャンスは逃さない!私とママは私が守る!
お昼ご飯の時には離すように怒られました。だって・・・いつチャンス来るか分からないって思って・・・。
まあ、寝床に戻らないとチャンスは訪れないから抱えていてもしょうがないんだけど。まだ自分で部屋に戻ることは出来ないし。
とりあえず最初のチャンスとしては、この後のお昼寝時間だろうか。
そこで軽ーくお昼寝をした後にささっと書いてしまえ。
起こすのお願いね。
「かしこまりました。」
「━━━━━━!!!!!!!!」
どうえぇっ!?
「ひぇっ!?うっ、うっ・・・!」
待て!泣くな私!ここで泣いて下に連れていかれたらおしまいだ!
「うぅ・・・うう。」
よーしよーし。何とか大声で泣かずにすんだ。あのさ、出来ればもっと穏やかに起こして欲しかったね!なんであんな爆音を鳴らしてくるの?!
「申し訳ございません。確実に起きる手段を取った結果でございます。」
いや、絶対もっとマシな方法あったでしょ・・・。ほとんど嫌がらせの領域だよ。音出てないのに鼓膜破れるかと思ったわ。
まあいいや。ここからミッションスタートだ。まず隣の部屋までハイハイで行って・・・、よし。誰もいない。あ、焦って色鉛筆持ってくるの忘れた。一回戻って白い色鉛筆を持ってこないと。
戻ってきて、本は・・・バッグの中に仕舞われたか。だが赤ちゃんにはそんなの関係ない。堂々と漁っても笑って済まされるんだ!
急いでバッグ漁りを開始する。
このバッグは・・・違う。こっちも・・・違う。じゃあ、これだ!これであってるよね?
「はい」
で、これに白い蛇・・・白い、蛇?
ん?黒地に白色?白地に黒色?
白い蛇って言う場合はどっちが正解なんだ?いや、どっちもそう認識すれば正解なのか?
もしかして、これは私が私の認識を自覚しなきゃいけないところからなのか・・・!?
黒に白と白に黒。うーん・・・・・、うん?
ねぇ、これって誰かに蛇が分かるように書かないとダメ?
「明確に刻む必要はありますが、その結果が見える必要はございません。」
なら別に白に白で書いても問題無いわけね!
じゃあ、すべてのページの隅に白い蛇を書いていけばどうにかなると信じてお絵かき開始ィ!
非常に気合いが入っているが、端から見たら本に落書きしてる只の赤ちゃんである。