表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蒐集癖な彼・女  作者: 知り合い
第0章・赤ん坊
1/69

第一話

「これでいいの?」

「出来るならそれで頼む。」

「分かったわ。それでは、さようなら。」

「場合によっては、また今度」

「貴方が無事にいれば・・・ね」






「おぁー!おぁ”ー!」


「ご出産おめでとうございます!女の子です!非常に良い泣き声ですよ」


「あ、ありがとうございます____」






「ねえ、あなた。この子の名前考えた?」

「女の子なら青果で・・・」

「この子の名前は楓ね。」

「え・・・」

「子どもにまるでお店のような名前を付けようとする人の意見なんて考慮しません。」

「はい・・・」

「あなたも抱いてみる?」

「良いのか!?」

「ええ。ただ、首が据わってないから丁寧に抱くのよ?もし雑に扱ったら、絶対離婚だから」

「お、おお・・・。ああぁ、かわいいなぁ・・・。ああ・・・、絶対に嫁には」

「速すぎよ!生まれた瞬間に結婚を考えるなんて、馬鹿じゃないの!?」

「あ、ああ、そうだな。なんかついつい先の事を考えちゃって」

「まったく。これからはあなたと私の二人三脚で頑張っていくんだからね?」

「ああ!家族が不自由しない様に、一家の大黒柱として頑張って働くよ!」

「それもあるけど、多少は遊んであげてね?それこそ、この子が次の世代を生む時に愛を伝えられる様に」

「・・・くっ!婿を殺したい!」

「いつかは片付けるべき課題ね。」





・・・あ。ここは・・・?


「あーうーあー」


動けないし、口から碌に言葉も出ない。・・・ちゃんと転生出来たのかな?


「あー!あー!」


「はいはい、どうしましたー?」

今世の母親か?よろしくお願いします。

「あう」

「?んー。特におなか減ったとか、トイレしたわけでは無いのかな?」

特にそういうのは感じないぞ。いや、感じましたわ。

「あうー、うー・・・」

「??やっぱりお腹空いた?ちょっと待っててね~」

うっ!?い、いきなり乳を出さないでくれ、びっくりする・・・。しかし、乳を目の前に出されてもまったく性欲は出ないな。前世だったら興奮していただろうが、やはり欲望は体に宿るものなのか・・?

「あう、ん・・・」

「いっぱい飲んで健康に育ってね~」

「んーー、んあ。げふ」

ご馳走様でした。前世では薄い味だと聞いていたが、この身だとそこまで薄く感じなかったな。食事経験が無いからか?まあ、実際に飲んだことなんて無いから比較の仕様もないのだけれども。

「はい、ごちそうさまでした。もうちょっとしたら眠くなっちゃうかな~?」

母に揺らされると・・・確かに・・・眠く

「おやすみなさい。楓」




ちょっと寝て起きたら凄く頭がすっきりした。ただ、それと同時に便意もしたので母におむつを替えて貰って少しだけ自由な時間を得た。

(たしか、あの人に貰ったものは美麗恵体と接続権限だったか。今の状況で接続できるのか?)


「不可能でございます。」


!!!誰だ!?

「接続補助システム:ケースでございます。」

ケース・・・?とりあえず、補助って事は俺の事を助けてくれるのか?

「はい。それが存在意義ゆえ」

えっと、ではとりあえずお前について教えてくれ。

「コネクション アシスト システム略して、CAS、ケースでございます。業務は貴方様のお手伝い、情報の蒐集などであり、情報もしくはデータに関係するものは一通り関係します。ただし、現実に干渉することは出来ません。」

そこまで頼んだ記憶は無いが、おまけで付けてくれたのだとしたら助かる。

「おまけではありません。私が本体です。」

何?俺が求めたのは権利だったはずだが、システムが権利なのか?

「通常の人間が1人で接続しようとした場合、狂って死ぬか、廃人になるかの二択です。ですので、接続権限を求めた貴方に私が付与されたのです。」

く、狂って死ぬ・・・。そこまで危険なのか。

「はい。貴方が望んだ、アカシックレコードへの接続権限というのは、全人類の夢である故に、対価も大きいのです。神である故に貴方に付与出来ましたが、神だからこそ出来たのですよ。」

ありがとう女神・・・。名前とか分からないけど届けこの思い・・・

「私を呼んだご用件は以上ですか?」

いや、女神から頂いた能力について聞きたい。

「わかりました。まず、アカシックレコードへの接続権限というのはそのままです。この世の過去、今、未来全てが存在しているという極秘世界に私を経由して接続することが可能です。」

世界なのか・・・。

「次に、美麗恵体(愛体)は、美しく、麗しく、恵まれた体に育つという物です。」

これまたそのまんまだな。自分の知識の無さに少し呆れる。

「ところで、野球選手になりたいのですか?」

え?いや、特に興味は無いが・・・

「こちらの調べでは、恵体とは元はとある野球選手を語源とした二字熟語とあります。極一部の界隈で使われている専門用語のようなものです。ですので、「めぐたい」が少しエラーを起こしています。」

そ、そんな言葉だったのか。適当にネットで聞いて普通の熟語だと思っていた・・・。それに、エラー?

「ええ。「めぐたい」をそのまま漢字変換し、「愛体」と出ました。ですので、「恵まれた体」という意味に「愛される体」という意味が融合されてしまい、明確にどういう効果なのかが不明になっています。」

なんか不味い事になりそうか?

「予想では、異性に襲われやすくなるとかでしょうか?具体的には10m歩けば狼に当たる如く」

何その・・・なに、その!?

「最良の場合は、他人とすぐ密接な関係になれるまじない程度。最悪の場合は、身の回りの人がいつでも襲い掛かる極上の餌程度。こればかりはレコードでも分からないでしょうね。神が関わった故に明確な答えが出ません。」

さ、最悪だったら私死ぬんじゃないのか!?

「餌と言っても食料ではなく性的だったり美術的餌だと思うので、死ぬ事は無いと思われます。たぶんですが。貴方様に付与された能力は以上で御座います。それではお休みくださいませ。」

いや、まだ聞きたいことが・・・・・・あ、?、、、、

「向こう側に接続する際は非常に頭を使いますのでまだ御身では長く会話することは出来ません。接続できないのもそれが理由ですね。」

・・・・・・・・・zzzzzzzzz




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ