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炎上した電車広告に見る~やりがいとはなんぞや~

少し前、ツイッターでとある電車広告が話題になりました。


「毎月50万円もらって毎日生き甲斐の無い生活を送るか、30万円だけど仕事に行くのが楽しみで仕方がないという生活と、どっちがいいか(80代研究者)」


と、言うものです。


一番多かった反論が「やりがいもないし月30万円も貰ってません」というもので。

やりがいをとるか報酬をとるかと言う趣旨を外れて、世代間格差に苦しむ若者達の怒りに火をつけてしまった感じでしたね。


若者の報酬については最早論ずるまでもないですね。異常に増えた非正規雇用。物価も税金も保険料も何もかも上がってるのに実質賃金は右肩下がり。


さて、今回述べたいのは「やりがいもない」って方なんですが、そもそもやりがいってなんなんでしょう?


実は製造業で3年以内に辞めた人達の理由の1位がこれらしいのです。(調査した会社にもよるとは思いますが) 賃金が安いという理由よりも多いんですね。


こういうのを聞くと中小の社長さん達って「なに、仕事にやりがいがない!? よし、じゃあもっと作業量を増やして、土日は返上で研修を……」みたいな事を言い出しますけど、ちょっと待って欲しい。それって本当に「やりがい」でしょうか?


例えば。225採用大手メーカーの開発部と、スーパーのレジ打ちだったらざっくりしたイメージでやりがいありそうなのは前者ですよね?


このような考え方を元に、経営者の人達は「やりがい=重大で責任のある仕事」と考えています。でもこの二人の場合は例が極端でそもそも比較対象にならないですよね。


次の例ですが、本来3人は必要な売り場を3人でまわすのと1人で回す場合。明らかにワンオペの方がキツイです。自分のミスは誰もカバーしてくれませんし、全責任がのしかかります。


こういうのを今の企業は「やりがい」と呼びます。確かに忙しくて責任は重大でしょう。でも給料は一緒なんですよ。これってやりがいでしょうか?


私は思うんですよ。本当のやりがいって自分の頑張りが認められることなんだと。

10の仕事をして10万の給料を貰っていた人が、頑張って20の仕事を出来るようになって20万もらったらそれはやりがいだと思います。

でも、20の仕事が出来るようになっても給料が10万のままならそれはやりがいとは言えません。むしろその分の努力が無視されている分、やりがいは減っていると思います。


炎上した広告に対する怒りの声は「そもそも三十万も貰ってない」「仕事しなくて50万もらったほうがいいよ」と言った、とにかく賃金を上げろという声で埋め尽くされていました。


確かに現状で生活が成り立たない人達も大勢いるのでその声は正しいと思います。ただ、問題はそれだけじゃなくてやりがいも無いんですよ。労働者に対する敬意も貰えてないんです。


本来なら資本主義にのっとって作業量に応じて給料を上げて無能な人を解雇するか、共産主義にのっとって作業量も仕事量も均一にするべきなのです。前者なら能力が認められ、後者なら1個労働者としての価値が認められます。でも今の日本は資本主義の成り損ないみたいになってしまった…… 頑張っても給料が上がらないから職場の中でパワハラや仕事の押し付け合いが横行し、ズルイ人間ばかりが得をするようになってしまいました。歪だし非効率ですよね。


なんで小説の投稿サイトでこんな事言ってんだって話ですが、今まさに言葉の意味が捻じ曲げられていってるんですよね。やりがいって言うのは自分の価値が認められる事であって、決して忙しくて責任が重いという意味ではないこと。もう一度国語の観点からもしっかり確認していきたいところです。

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