第四話 あやかし日本むかし話 -らぶこめ風-
【登場人物紹介】
・飛叢 隼人
「妖しい、僕のまち」の登場人物。
イケメンだが喧嘩っ早い性格の青年。
降神町に住む特別住民で、巡の友人。
正体は“一反木綿”
高速で飛翔し、両腕のバンテージを自在に操る妖力【天捷布舞】を使う。
鉤野とは反りが合わないが、何かとカップリングを期待されることが多い。
・鉤野 静
「妖しい、僕のまち」の登場人物。
服飾会社の社長を務める着物美人。
降神町に住む特別住民で、巡の友人。
正体は“針女”で、長い髪先を鉤状に変化させ、対象を捕縛する【恋縛鉤路】を使う。
飛叢はケンカ友達以上恋人未満?
・???
ナレーション担当。
最後まで読むと、正体が分かる。
むか~しむかし
ある所におじいさんとおばあさんが住んでしました
飛叢「何で、俺がジジイなんだよ!」
鉤野「仕方ないでしょう。ハロウィンなんですもの、余興の一環だと思えばいいんですわ」
飛叢「お前はいいよな。素でBBA…」
ざく!
飛叢「いってぇ!何すんだ、テメエ!」
鉤野「あら、御免あそばせ。寝癖が………フッ」
飛叢「あ、笑ったな!いま笑っただろ!やっぱりわざとだな、このBBA!」
鉤野「女性に対して失礼な事を言うからです」
おじいさんとおばあさんは、とても仲良しでした
飛叢&鉤野「誰が仲良しだって!?」
御覧のタイミングです
まさにツーカー
まさに阿吽
まさにト○とジェ○ー
飛叢「…このナレーション、ウゼェな。絞め殺すか?」
鉤野「おやめなさいな。ここでは人目がありましてよ」
そんな二人ですが、まだ子供はおりませんでした
それだけが二人の悩みでした
飛叢「子供だとよ」
鉤野「な、何故、私に振るんです」
飛叢「フラれるの、慣れてるだろーが」
鉤野「…」
飛叢「お、おい!何だよ、その包丁は!?どっから出した!?」
鉤野「黒塚さん直伝の包丁捌き…御覧に入れましょうか?」
そうして今日も一日中じゃれ合い、二人はクタクタになって帰って来ました
鉤野「ハァハァ…相変わらず逃げ足の速いこと」
飛叢「ハァハァ…バカ野郎、思わず空飛べるのを忘れちまったじゃねーか!」
クタクタでしたが、おなかが減った二人は仲良くご飯を作りました
飛叢「…でな、こうするといい形に巻けるんだよ」
鉤野「成程。でも、意外でしたわ。貴方が料理も出来るなんて」
飛叢「まーな。天涯孤独だったから、生きるために何でも出来なきゃならなかったしな」
鉤野「…」
飛叢「どした?黙っちまって」
鉤野「い、いえ…別に」
飛叢「でも、今は良いよな」
鉤野「何の事ですの?」
飛叢「前に行った研修旅行で、凪達や沙槻とかと知り合ったろ?」
鉤野「ええ」
飛叢「俺は人が集う場所が好きでよ。多分、一人でいた時間が長かったから、皆が集まる場所に惹かれるんだろうな」
鉤野「…」
飛叢「だから、今はよ、すごくいいんだよ。巡や役場の皆、陸もいて、余の奴や猫娘もいる」
鉤野「そうですわね…」
飛叢「勿論、お前もな」
鉤野「え…」
飛叢「さ、ちゃちゃっと作っちまおうぜ。腹が減って、背中とくっついちまいそうだ。マジで反物になっちまう」
鉤野「ほ、本当にもう。しょうのない人ね」
ご飯も終わり、二人の一日が終わろうとしています
そして、最後のメインイベントが!
飛叢「おい」
熱く!せつなく!情熱的な夜の訪れが!
鉤野「ちょっと」
何と、布団は一つ!
枕は二つ!
ならば、する事は一つだけ!
飛叢&鉤野「「そこまで!」」
げしっ!
余「な、なにをするでござる!」
飛叢「なにするでござるじゃねーっつの。何か妙だと思ったら、やっぱオメーか、余」
鉤野「いい話風になって油断しましたわ、まったく」
余「むっふっふ…しかし、まんざらでもなかったようでござるな?お二方」
鉤野「だ、誰が、そんな…」
飛叢「まーな。面白かったぜ」
鉤野「えっ?」
飛叢「家族か。こういうのも悪くねぇ」
鉤野「な、なんなん…」
余「ほお、これは…まさかの」
飛叢「特にこいつがBBAってのが最っ高www」
鉤野「……」
飛叢「お、おい、待て!どっから出した、その戦車大隊!?」
鉤野「“最強火力幼女”直伝の機甲師団指揮、ご覧あそばせ…!」
飛叢「ちょ、おい!火は!火はやべえって…!」
余「え?な!?何故、某も標的に…!?」
鉤野「問答無用!発射…!」
ドドドドドドドドドド…!
こうして
二人は末永く幸せに暮らしましたとさ
めでたしめでたし
【次回】
22時更新です