第二話 鬼女とカボチャ
【登場人物紹介】
・十逢 頼都
「Halloween Corps! -ハロウィンコープス- 」の主人公。
嫌世家を自称する不老不死の存在。
「幽世」から這い出し「解禁日」前に人間を襲う怪物達を始末する、狩魔軍団「Halloween Corps」の隊長。
正体は西洋の怪物である“鬼火南瓜”で、炎を自在に操る。
割と気苦労が絶えない。
・黒塚 姫野
「妖しい、僕のまち」の主要ヒロインの一人。
文武両道、容姿端麗なクールビューティー。
降神町役場特別住民支援課勤務で巡の上司に当たる。
正体は「安達ヶ原の鬼婆」こと、伝説の鬼女“黒塚”。
妖力【鬼偲喪刃】の使い手で、女性にとっては天敵のような存在。
怒るとリアルに角が生える「鬼婆モード」は見る者を戦慄させる。
頼都「んっん~!いーね、休日って素晴らしい!ブラボー!ブラボー、ハロウィン!」
黒塚「…」
頼都「ん?えれぇ別嬪さんだな…こんなところで、何してんだ?」
黒塚 (キョロキョロ)
頼都「はーん…迷子か?」
黒塚「…むう。ここいらで見たと聞いたのだが」
頼都「あー、どうしたい、姉さん。道にでも迷ったか?」
黒塚「あ、いえ…」
頼都「別にナンパじゃねぇから安心しな。ただ『あいつら』に食わせるには勿体ない美人だったからさ」
黒塚「…?」
頼都「いや悪い。こっちの話だ…で、何かお困りかい?」
黒塚「はい…実は人を探しておるのです。この辺で見掛けたという情報があったのですが」
頼都「人探しか…けど、今夜はちょっと面倒だな」
黒塚「ええ。ハロウィンで仮装した人達が多くて。正直難儀しております」
頼都「俺はこの辺には詳しいんだ。特徴とか教えてもらえれば、協力してもいいぜ?」
黒塚「いえ、見ず知らずの方にそのようなことは…」
頼都「いいって。今日はオフで機嫌もいいんだ。サービスだよ、サービス」
黒塚「そうですか?ありがとうございます」
頼都「で、そいつの特徴は?」
黒塚「まず、頭がカボチャです」
頼都「……は?」
黒塚「あと、火を撒き散らしたりします」
頼都「…へえ」
黒塚「どうかしましたか?」
頼都「いや…あんた、何者だ?」
黒塚「は?」
頼都「しらばっくれるなよ。用があるんだろ?俺に」
黒塚「…あの、仰ってる意味が…」
野外大型ビジョン「次のニュースです。ハロウィンの夜に珍事です」
アナウンサー「現在、カボチャ型ヘルメット姿のバイクが、夜の街を暴走しているというニュースが入って参りました」
女子アナ「バイクは現在も国道○×号線を暴走しており、つい先程入った情報によりますと、炎を撒き散らす別のバイクも合流。二台のバイクは現在も競争するように爆走を続けております」
アナウンサー「なお、カボチャヘルメットのバイクには、若い男性も同乗しており、現在、警察車両が追跡を行っております」
黒塚「…いた」
頼都「あん?」
黒塚「あンのガキ共…!」
頼都(うをっ!な、何だ、この迫力は…!?)
黒塚「…失礼。どうやら見つかりました。ご協力感謝します」
頼都「あ、ああ…良かったな」
黒塚「はい。では、失礼します」
頼都「…行ったか…ハア、まさか本物の鬼だったとはな…今日はもう帰って寝よ
【次回】
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