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習作。 ニニコ論文

作者: 古川アモロ


注意:


これは習作です。

本投稿はまだ先です。


これは、下書きみたいなもんです。









挿絵(By みてみん)




私ことニニコ・スプリングチケットは、ひさしぶりにアリスを読んでみた。


面白い。

本当に面白い!


なんで19世紀の小説が、こんなに新鮮に読めるんだろう。

じつに楽しいじゃないの。


物理法則すら無視するインチキ科学の世界。

魔法の世界。

なんとかなんとかの国。

本当に楽しい。


だから触発されて、私も架空の国を想像してみたんだ。


私のイマジネーションで建国されたウソの国。



アリスが旅する架空の国を、考えてやまない。





 .。*゜+.*.。 ゜+..。*゜+



  「 不思議の国のアリス 」



  .。*゜+. *.。+..。  *゜+




1865年にルイス・キャロルが発表した小説だ。

その大ヒットに後押しされて、続編「鏡の国のアリス」も出版された。


だが、これはあくまで日本語版のタイトルだ。

原題は、ちょっとちがうんだよね。


イギリス版のタイトルを紹介しよう。




「 Alice's Adventures in Wonderland 」

(直訳:不思議の国のアリスの冒険)


「 Through the Looking-Glass, and What Alice Found There 」

(直訳: 鏡を通してアリスが見つけたもの)






 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 〇 〇    えっ……?

ノノ 人С川   w )




いや、悪いとかじゃないけど……ええ?



私は邦題のほうが好きだなあ。

「なんとかの国のアリス」ってタイトルのが素敵だと思う。


私が日本人だからそう思うのかな?

イギリス人から見たら、原題のほうがナイスなんだろうか。




 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ● ●    でさ。

ノノ 人С川   w )




私、「○○の国」を勝手に空想するのが好きなんだ。



わかってもらえるかな、この作品への愛。


わかるだろ、私の原作に対するリスペクト。

なんか自分でも考えたくなるじゃん、架空の国。



おなじ考えの人間は多いらしい。

商業作品でも、アリスのパロディって山ほどあるもんね。


ちょっと調べただけでも10個くらいパロディ作品見つかったぞ。


「○○の国のアリス」

「××の国のアリス」


小説、漫画、映画、よりどりみどりである。



けどさ。

そういう「なんとかアリス」の多くを、私はオマージュと認めたくない。


アリスの二次創作的な作品ならわかるんだよ。


けど「○○の国のアリス」のほとんどが、原作と関係ない内容っぽいぞ。

ぽいっていうか、原作要素が一滴も入ってなかったりする。


じゃあアリスの題名なんかマネすんなよ。



ていうか、そもそも。

そいつらアリスの原作読んだことあんのか?


ただ単に有名小説の看板をマネしてるだけじゃないのか?



にもかかわらず!

そういう原作愛の感じられないパロディに限って、共通点がある。



「ヒロインの名前はなんですか?」


「アリスです」


  ↑

もう絶対100%アリス。



いやいや、題名にアリスって入ってるんだから当たり前じゃん……


って思うだろ?





 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ● ●     逆だ、逆。

ノノ 人С川 ꐦ  ₋ )




まず「不思議の国のアリス」の題名になぞらえようって決めてんだ。

だから自動的に、主人公の名前がアリスになってるだけだ。


ひとつ覚えだぜホント。

作品名だけじゃなく、主人公の名前までパロってやがる。


それ、キャラの名前がアリスなだけの別作品じゃん。


中身はオリジナル作品なんだろ?

なのに、なんで不思議の国のアリスに乗っかろうとするの?


私、そういうのをオマージュだなんて認めないぞ。


ただの便乗だ。





 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ● ●   

ノノ 人С川 ꐦ  ₋ )




 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ● ●   

ノノ 人С川 ꐦ  ₋ )




 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ● ●    言いすぎた?

ノノ 人С川 ꐦ  ₋ )




 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ● ●    ……ごめん。

ノノ 人С川   ₋ )




けどさ。

私なら、自分の作品には唯一無二のタイトルつけたいけどな。


誰のカバーでもない、私の作品だもん。

オリジナルの命名をしてあげたいよ。



上で、私もアリスの国を考えるのが好きって書いたよな?


私がやってるのは、パロディなんかじゃないぞ。





 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ● ●     もしも。

ノノ 人С川   ₋ )




 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ● ●     もしもだよ?

ノノ 人С川   ₋ )




もしルイス・キャロルが、アリスの続々編を書いてたとしたら。


3作目は、なんの国のアリスになっただろうか。



三度目の冒険は、どんな世界になっただろうか。

ひいては、どんなタイトルになっただろうか。



私はそれを考えるのがめちゃくちゃ好きなんだ。


アリスの続々編の妄想をはじめると、考察が止まらなくなる。


だって私、アリスを愛してるんだもん。

ルイス・キャロルのアリスを愛してるんだもん。


アリスの次回作を考えたくなるじゃん。



ああ……

なんでアリスのタイトルって、こんなに魅力的なんだろう。


パクりを否定したけど、パクりたくなる気持ちは痛いほどわかる。



「不思議の国のアリス」

「鏡の国のアリス」


なんとインパクトのある題名の小説だろう。

読みたいと思わせる魅力に満ちている。



「作品の舞台」+「主人公の名前」。


シンプルでありながら、作品世界のすべてを体現している。


不思議の国。

鏡の国。

主人公の冒険世界を、たったの一語で紹介してるんだ。


なんという自信に満ちたタイトルだろう。

誰だってマネしたくなるに決まってる。



もし私が異世界転移できるなら、どんな国に行きたいかな。

それを小説にするとして、どんなタイトルにしようかな。


論文の国のニニコ。

巨大の国のニニコ。

土管の国のニニコ。

修羅の国のニニコ。

風の国の砂隠れの里のニニコ。





 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ● ●    ……うーん?

ノノ 人С川   w )




なんかパッとしないな。

私の名前になってるからか?


やっぱアリスじゃなきゃダメか。

中二病っぽくなってもいいから、カッコいい国にしてみよっかな。


復興の国とか。

滅びの国とか。

蒸気の国とか。

廃線の国とか。




 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ● ●    いや、あの。

ノノ 人С川   w )



いや中二病ってか、私ふつうに14歳だからね?

このくらいのサブカル汚染は許してくれ。


ダメか?


21世紀にもなってスチームパンクとか、19世紀のアリスに笑われるかな?


訣別の国のアリス。

極東の国のアリス。

最果ての国のアリス。

おとぎの国のアリス。

はじまりの国のアリス。

白うさぎの国のアリス。







挿絵(By みてみん)





思いつくんだよ。

ネタだけなら、いくらでも思いつくんだ。


思いつくっていうか、どんな国にだって出来ちゃうんだもん。


好き勝手に「なんとかの国のアリス」にしてしまえる。

独創性も発想力もいらないぞ。

誰でも好きなようにパロディできちゃうんだもん。



だからか?

だから「○○の国のアリス」は、こんなに魅力的なのかな。


キーワードを埋めるだけで、簡単にアリスを異世界旅行者にしてしまえる。

自分が考えた架空の国にだ。


イマジネーションを刺激する魅力があるんだろうな、このタイトルには。



少なくとも私はそうだ。

自分の空想物語の国に、アリスを招待したくなってしまう。






挿絵(By みてみん)







挿絵(By みてみん)




けど、ダメだよね。


思いつくだけなら簡単だけど、原題を超えるのはとても無理だ。

とてもルイス・キャロルのセンスにはかなわない。


どうしても難しい単語を使おうとしてしまう。


劇的なタイトルにしたくなっちゃうっていうか……

青年誌の漫画っぽくしちゃうっていうか……

最果ての国っていうか……


なんかカッコつけたタイトルにしたくなっちゃうんだよね。

ちょっと文学的にしてみました感を出したくてさ。


きっとそれは、私が大人に近づいてしまった証拠なんだ。





 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ● ●    ちがうよね。

ノノ 人С川   w )




ちがうんだよね。

アリスは児童文学なんだ。


ふしぎの国、鏡の国。


主人公がどんな世界を冒険したのか、子どもでも理解できる。

イギリスだけじゃなく、世界中の子どもが理解できる世界なんだ。


そうじゃなきゃアリスの旅行先にふさわしくない。



アリスをパロるんなら、こういう無邪気さを見習うべきなんだよな。


殺伐とした世界にアリスは似合わない。

そんな国に彼女を招待しようとするのは、原作に対する最大の無礼だ。



みんなは「地下の国のアリス」って聞いたことある?


これは不思議の国のアリスが出版される前につけられた、最初の題名だ。

もともとは、こっちが本来のタイトルだったのよ。


やっぱり、さすがルイス・キャロルだよな。

ちゃんと幼稚園の子でも理解できる題名にしてるんだもん。



ほかに、不思議の国のアリスを幼児向けにした絵本もある。


「子供部屋のアリス」


ルイス・キャロルが最後に手がけたアリスである。




こんなに子どもたちを愛し、愛された作家がほかにいるだろうか。


もしもアリスに3作目があるのなら、子どものために創作されるべきだ。


アリスのファンのためなんかじゃない。

アリスを知らない子どものために書かれるべきだ。






挿絵(By みてみん)




じゃあちょっと真面目に考えてみるか。



うーん。

不思議の国、鏡の国の続きだろ?


まずは世界観から考えてみよう。


1作目がトランプ、2作目がチェスをテーマにしていたな。

次もなにかコンセプトがほしい。


カードゲームだろ?

ボードゲームだろ?


やっぱり次はスポーツかな。



19世紀のイギリスの小説だからな。

やっぱりイギリス由来の設定がいいと思う。


テニスなんかどうだろう。


鏡の国のアリスが発行されたのが1871年。

その6年後の1877年に、第1回ウィンブルドン選手権が開催されている。

言わずと知れた、世界最高峰のテニス大会である。


アリスの母国に敬意を表するのに、これ以上ふさわしいテーマはあるまい。



そうなると3作目のあらすじが見えてきたぞ。



今回アリスが迷いこんだ世界では、ふたつの国家が争っている。

その決戦の代表者を選出する騒動に、アリスは巻きこまれるのだ。


ラケットの素材をさがす冒険なんかどうだろう。

あるいは決戦場であるコートの測量について、なんやらするとか。



今回もユニークな動物たちを登場させるぞ。

もちろん、19世紀にふさわしいやつばかりだ。


まずパンダ。

1869年にはじめて西洋学会で紹介された動物だ。

ぜひとも出演していただこう。


あとはアレだ。

犬とかウサギとか、ユニコーンとか、シカとか。


……すまん。

19世紀の動物エピソードが、パンダしか見つからんかった。



問題は、これをどんな国でやらせるかだよな。


不思議の国、鏡の国、その次となると困ったなあ。



子どもにも興味を持ってもらえる異世界転移じゃないとな。

マジでむずかしいぞ。


アリスが偶然に迷いこめる国でなければいけない。

となると、ありふれた日用品が異世界への入口であるべきだ。





 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ● ●    つまり。

ノノ 人С川   w )





 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ⦿ ⦿    つまり!

ノノ 人С川   w )





 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ⦿ ⦿

ノノ 人С川   w )





 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ● ●

ノノ 人С川   ₋ )





 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ● ●    つまらないな。

ノノ 人С川   ₋ )





ごめん。

私としたことが、本当にヤボだった。


3作目のアリスを、論文として予想なんかすべきじゃない。


いいじゃないか。

アリスがどんな国で迷子になろうが。


そんなのアリスの勝手じゃないか。






挿絵(By みてみん)






手紙の国のアリスでもいい。

そのへんの郵便ポストから迷いこんでくれ。


暖炉の国のアリスでもいい。

サンタクロースと逆方向で煙突に入ってくれ。


かばんの国のアリスでもいい。

旅行カバンのほうからアリスを迎えに行ってやってくれ。


今度こそ、地下の国のアリスでもいい。

不思議の国とおなじトンネルで、ぜんぜんちがう世界に行ってくれ。



いつか、有志による3作目が書かれるかもしれないな。

アリスを読んで育った子どもが、アリスの新作を書いてくれるかもな。


国境を超えて、みんなアリスを愛してるのだ。

どんな権力者だろうと、彼女を1か国に閉じこめることなどできない。


だからアリスはどこにでも行ける。

アリスが足を踏み入れたところ、それがすなわちアリスの世界。


アリスの国のアリス。


アリスの国の不思議であり、アリスの国の鏡である。



ヒーローはみんなの心の中にいるという。


じゃあ、アリスもみんなの心の中にいるのか?


ちゃんちゃらおかしい。

アリスはそんな小っぽけな存在じゃないぞ。






挿絵(By みてみん)




アリスは帰るんだよ。


彼女の冒険は、自分の家に帰るための冒険なんだ。



あなたの心のラビリンスにも、アリスが来るかもしれない。

覚悟しろよ?

アリスは、女王が相手でもビビったりしないぞ。


呼んでもないのに、いきなり密入国してくるぞ。

デリカシーもなく、なにやってんのと質問してくるぞ。

あなたを狂ってると断じてくるぞ。

こんな世界にいたくないとか失礼なこと言って、ホントにいきなり帰っちまうぞ。


メッチャクチャにあなたを踏み荒らして、踏み荒らしたまんま帰っちゃうぞ。



ジャバウォックなんか、かわいいもんだ。

アリスのほうがよっぽど悪魔だ。







挿絵(By みてみん)






まあ、アリスだったらしょうがないか。



アリスなら不法入国も許せるかな。

うん。


私はアリスを愛してる。

だから特別だ。

アリスだけは、ニニコの国での無作法を許すことにしよう。


それがアリスを愛するということだ。


私の心にもアポなしで来ていいよアリス。

なんのお構いもできないけど、勝手に迷って勝手に帰れ。






 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ● ●

ノノ 人С川   w )





 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ● ●    ……と。

ノノ 人С川   w )





本当ならこの論文、ここできれいに終わりたかった。


なんだけどさ。

どうしても気になるんだよね、3作目のアリス。


どんなタイトルだったら、みんな納得するかな?



気になる。

だから、もっとも公平で知的な意見を聞いてみたんだ。


生成AIに聞いてみた。



こないだの「原因」の論文で、人工AIを紹介したの覚えてる?


あらためて紹介しよう。

私が開発した音声対応型AIソフト、アラウンダだ。







挿絵(By みてみん)







挿絵(By みてみん)




ごぶさたしております、みなさん。



私は【Ⓐ】ROUNDER-666。


アラウンダと呼んでください。







挿絵(By みてみん)




いっそ機械なら、あらゆる個人的好みを排除して答えてくれるはず。


ヘイ、アラウンダ!

不思議の国、鏡の国、つぎのアリスはどんなタイトルが望ましい?







挿絵(By みてみん)




了解しました。


私は3つのパターンを提案します。


・時の国のアリス

・夢の国のアリス

・記憶の国のアリス、などはいかがでしょう。








挿絵(By みてみん)






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