enter6>>粗野
※多少のグロテスク注意
error10>>
「嘘、だよな…?」
人間が一瞬で、消えた?この、お馬鹿!瞬間移動って科学的に証明できないわよ!ばかやろう(裏声)
いや、…まずこの生活的に科学で証明できなかった。落ち着け、優等生。整理しよう、脳内を!
まず一つ。男は何者か?
A.田中さん(仮)。
うん。よし次。
二つ目…男はどうやって突然いなくなったのか?
A.いくら天才肌の駿足・ボルト選手でも、目に見えない訳がない。…瞬間的移動が、可能な人間だとしか考えられない。
いや、否現実的すぎる。パス。
三つ目。最後の言葉の意味は?
root cause boyって言ったな…
A. root cause…根本的原因。
boy…少年。
根本的原因、の少年……?一体、どういう意味なんだ?僕は、何かの原因だということか?
なんだその、アニメ感満載の名前は。人違いにも程がある。…駄目だ駄目だ、さっぱり解らん。これもパス。
四つ目…何故、少女は……
「…あっ」
目にした少女のかっ開いていた目が、閉じていくのを確認した。
え、…あ、え?死んじゃっ…た?
僕は少々身の危険を感じながら、少女に近寄った。
少女の痙攣は止まっている。おかげで、生き絶えたように静かになった。
「…死んでたり、……してませんよね?」
息は、して……ない。心肺蘇生とか僕、やったこと無いんだよな……いや、一刻を争う事態なんだ、やるしかないだろ…!
…心臓マッサージ?やり方を間違えると、危険だ!
よし、パス!
んじゃ、人口呼吸?
やり方は完璧だ。そうだ、完璧だ。これしかない!!そうだ、人口呼吸だ!
鼻を抑えて、口に…………
「…くっ……口に……」
鼻を抑えて…………
は、はな…………
さ、さあ!人口呼吸を少女に!!
「………………ごくり」
………じぇんこぉ…こけう
「…っ……は、無理!他に、蘇生方法は…!」
僕が、絶大なるチャンスだったヘタレな脳みそに働き掛けて蘇生方法を探していると、
「大丈夫やがな!そいつは、んな簡単に死にゃせんって、な!せやからさ!そんな心配せんでもええねんて。ははっ」
僕は背後からの声に反応し、条件反射で振り向いてしまった。背後には、キャベツを片手にじゃがいもをまるかじりした田中さん仮が立っていた。野菜はどうやら生のようだ。……というか、いつの間に…?!
「うわ、もー!敵視せんといてくれはる?!その目ぇ、ほんまに怖いわ!嫌やぁ、それほんまに逃げたなるんやんかぁ?」
田中さん仮は、ははっと軽快に笑う。
「…こ、コ、この子に、な、何したんだよ……ですか」
僕はゆっくり後退りをしながら、田中さん仮を睨んだ。(声が裏返ったの等々は、まぁ…スルーで)
僕の脳内メーカーは、ヘタレという文字で絶賛大混乱中だ。
「…あんた凄いな!ほんま目力あるわ!尊敬する!ははっ」
…確かに、この環境、この状況でノーマルテンションなこの人間が普通ではないという事は、誰でも分かるだろう。
道を歩けば、死体だらけ。少し走れば、死体だらけ。
変態的超マゾヒスト等以外、普通はニ時間もかからずに精神状態がおかしくなり、一日経てば発狂して
自ら死を選ぶだろう。
…あ、僕は…?僕は…あれ、なんでだろうか?何故、事切れない?自分を殺さない?
……不安になってきた。
つ、つまりあれか?僕は……僕は…
変態的超マゾヒストってことか?…10数年生きて来て、たどり着くは[変態]且つ[超マゾヒスト]かよ…
…主人公にあるまじき…いや、きっとあれだよ……あのーあれですよね、あれ。
あ、しゅ、[主人公]だから!!
よし、何かキた。紳士の名に狂いはない。
…ほ、他とは違うんだからね。あー、カムバック僕のキャラ…
変な汗出て来た……
他はとりあえず一瞬でアウト。一歩外に出れば、外気を吸えば、体内に潜んでいた五臓六腑が口から、ジャンピング「おはよう」をするに違いない。
なぜなら、まず────────………
…ま………、………?
「……………──────なんちゃって」
次にその声が聞こえた時には、
……僕には意識がなかった。
error10.5>>
俺が後頭部を突いた瞬間、少年は倒れ込んだ。
あーあー、あーあー…
日本人なら、強ういなあかんよー?もー、しゃーないやっちゃな。
女の子の方に関しては、アレは完全に骨いってしもたな…ま、この子なら死にゃあせんよな。ははっ。
…んにしてもやな。
……[あの方]のガキか。よう顔が似とんな。
目力の恐さは親譲りなんかいな…
はっ…何かムカつくやんけ…てか、まだガキやっちゅうに、目力凄いなんて切なすぎやろ。
まー何にせよ、まだ生きとることに関心したらななぁ。
あ、引きこもりなんやったっけ?今流行りの、自宅警備員とかゆーやつか?
ははっ俺なんか、これくらいん時から[home]暮らしとったしな…
ええなぁ、この子ら。俺とは違うんやなぁ……
入る時は[home]は天国や聞いとったけども、いっぺん暮らしてみたら…
……嗚呼、あそこは……っ……はははっ
ふわぁーあ……腹減ったわー
ぎょーさん動いたしなー
この家に来るのももうないかな。…てゆーか、来たくもないわ…
…さ、はよ帰ろか。報告書書かなあかん。
……だっる~…………
お!!腹鳴っとおし!くっそ、腹減った~
豚骨ラーメンでもええけど、焼きそば食いたいな…もんじゃ……いや、王道のお好み焼きやな!あ、タコ焼きも食いたい。食い倒れたい。
食いもん万歳。食いもん風呂に入りたい。
ははっ!なんそれ!?食いもん風呂やって!なんやねん!おもんな!はははっ!
「よっこらしょ…とぉ。…お」
俺が担いだ少年少女は、あまりに軽すぎて驚いた。今時の若い奴らは、皆こんなんなんか?こんなん西瓜とメロンより軽いんちゃうか?…そら、言い過ぎか。
でも、もっと食わなあかんよな!?
片手で2人担げるで、これほんま。
あ、あかんわ。
こっちの子、ボキボキで持ちにくい。
あっ、しもた、また折れ……あ~もーくっそ!だから、あいつ連れてきたら良かったんやん!
「…あ、林檎あと一個だけ持って帰ろっかなっと」
もう片方の手で幾つかの果実を掴み、かじりつきながら家から出た。
家を出た先には、汚らしい[元人間達]。
玄関扉に張り付いていたのか、俺が勢い良く開けた扉にべっちゃりとくっついて崩れている。
見ると[元人間達]は、若い少年少女を物欲しげに狙っていた。
だが、[俺がいる]し、[この家]の前なので動けないらしい。
「ははっ、ほな行こかー」
そう言うと俺に合わせて、歩く後をついてくる。ゾンビの大名行列でっせーぃ、ははっ。
…うあ゛ー…気持ち悪゛ー…
「てか、くさ!臭い!おま、近いよ!お前お前!あかん、臭いって!近い近い近い、あっやめ、ちょ、あかん…服に付くや………あ゛ーーー!!」
enter>>異脳者date
名前:異脳者No.111
年齢:27歳
性別:男性
発覚:10歳
入隊:13歳
異脳:表記不可
追記:No.111は危険度があるため戦闘部隊には所属させないこと。
考察:特になし
以上Ⅰ