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脳内eRror  作者: 樹 夜雨
第1章 error発生
4/23

enter4>>奇憶

※加筆、修正を加えました

error6>>


「なんだ……コレ…」

飛び出していった少女にやっと追い付いたと、きっていた息を、


止めた。



「……ぎィ、ぁ゛ィィッ…」

目に入ってきたのは、[物体]。それは、紛れもなく[物体]と称するのが正しいと思われる[人型の物体]。

紅い塊や肉片で装飾された[物体]は蠢き、僕達に頭部と思しき部位を向けていた。鼻を潰されるような、…とりあえず、腐臭がすごい。


「……コレ…は…」

“それ”は、僕達に手を向ける。[大好き]な[親]に逢えた[喜び]を堪えきれない[子供]のように。逢いたかった、やっと逢えた、という


()()()()────────……


それは、

それはまるで洋画で観たゾンビのように、そして



嗚呼、“それ“は──────────……



僕は[思い出そう]と記憶を巡らせた。

「…い゛っ……」


[思い出そう]としても、頭痛が邪魔をする。頭痛が酷くなる度、視界に砂嵐が起きる。吐き気が催され、嗚咽で喉が詰まり息が、出来なくなる。


「な………だ…これ…」


天地が逆転する。吐き気が加速する。アクセルを踏んだ体内が胃液を逆流させ、気管と喉が詰まる。

「………お、…れは…」



……………………お、れ?



おれ、って…誰だ…っけ……………


ぼく、…は……


ぼく?………僕って誰………………


僕は、ぼく、だろ……?



え?ああ、……



だって、





俺は────────…………………………………



「……ぁ゛あああッ…!!」


「……─────落ち着いて、大丈夫、大丈夫…」

ひんやりとした掌が僕の両目を押さえ込み、視界の歪みが消える。暗転した視界が不安定になった脳内ごと抱きしめる。ひんやり、ひんやりと冷たい。


「…落ち着いて……[今はまだ ]、………」


少女の澄んだ声。


その声が脳内に、ゆっくりとゆっくりと満ちていく。


「……っは………はぁッ…」

()は思い出したように息を吸う。新しい酸素は、硫黄臭がした。()()を思い出した。




そうだった…

[思い出しちゃいけない]んだ。



[そういうふうになってる]んだよな。



[俺()]は。




横を向いて、少女を見る。

途端、心臓が波打った。全て否定された気がした。

「…………()()()に」

少女は心配の表情ではなく、悲哀の表情を僕に向けていた。

心が金縛りにあったように、青い絵の具を塗りたくったように、何も考えられなくなった。無を通してきた彼女が、初めて人間らしい所を見せた瞬間だったかもしれない。


全身の毛穴から大量に汗が噴き出すのが分かった。少女は、僕の目を見詰めながら言った。


「………………分からない…」

「え…?」


少女は切なげで、淋しさを感じているようだった。

それは、心配する親のように。


そして、両親の帰りをずっと待つ子供のように……



「でも…知ることは赦されない…………この先、何があっても……赦されることは……、ない…………」


そして、少女はそっと胸に手を置いた。表情が苦しそうに歪む。目は無感情と何かを宿しながら視線をさ迷わせている。

「……私は」


「私は、貴方を何としても、何に代えても護らなければ……ならない。…[最()()]、どうなるのかを知っていながら…」


「…………」

僕はぼうっと、彼女を見つめた。その姿は幼い少女そのものだった。



「私は、貴方を護り……貴方の身代わりになる」



…少女の瞳は、少し辛そうに見えた。…僕より少し、幼いその少女は…。 これは、おかしいかもしれない。間違っているのかもしれない。だけど…



………だけど。



「………一緒に、戦おうよ……」



例え、その道が正しくなくとも



「……一人が全てを背負い込む必要はないんじゃないのか……意思が、恐怖心が……君にもない訳じゃないんだろ…?」



決められた道があるなら、



「……………辛いじゃないか……」



僕は、破壊しながら、道なりに進もう。



僕は、『ぼく』を。



「……私…………」

少女の真っ直ぐに僕を見つめる目は、先程まで見えなかった色が見え始めた。涙が滲み始める。

「…僕だって自分を知らない………運命共同体だろ………?なんて……」



「………私も」

少女はじっと僕を見つめながら聞いた。

「…[あなたと]…いたい…」

うっわ、美少女…やっべ、睫毛なっっっっが!肌白い!……く、くちぷるぷる……!


顔が赤くなるのが分かる。

格好付けといて、赤面て乙女か…!

さっきまで考えて口に出していた言葉が、突然恥ずかしくなった。厨ニに成り上がった……


視線をずらし、躊躇ってから答えた。

「い、いやぁさ、個人的情報は非公開にしておくわってことね!ミステリアスな方が、読者受けが良いだろ?…なんてはははっ!!!!」

少女は暫く僕を見つめていた。機械の如く、思い出したようにしか瞬きはしない。

しかし、先程までとは違い何度も繰り返し瞬きをしている。


すると突然、瞬きを止め、

「……あなたは、…[誰なの]?」



「……っ……へ……?」



喉が急速に渇く。冷や汗で体中がべたつく。嫌な感覚が身体を覆う。表情が変わる。眼が泳ぐ。


全身が嘘をついているようだった。


そして、


無表情で無感情でそして無垢な少女は、わからない程少し、目を、見開いた。



error7>>ある日の法螺話


「お母さん。どうしてお父さんは最近お家に帰ってくるのが遅いの?」

いつか、そんな事を母に聞いた事があった。

でも、母は微笑むだけだった。

自分が、話されて分かる程大人じゃなかったから。

それから、二年後。

母が急に弱ってきた。何故かがわからなくて、母に尋ねた。

「……あたしはね、正一さんと結ばれる運命じゃなかったの。なのに、強引に結婚したのよ?馬鹿らしいでしょ…」


母は、自分じゃないどこかを見つめながら呟く。枯れた、絞り出したような声で。

「…それで…貴方ができたのよ………あたしはねぇ…嬉しくて嬉しくて…苦しいけど、痛みに堪えて…堪えて堪えて…貴方を産んだ…でも…出産の時、正一さんは仕事だって…駆け付けてくれなかったの……正一さんはほぼ毎日毎日仕事に明け暮れて…大変なの。あたし達の為だから…」

母は過去を振り返っているように語る。

まるで自分に言い聞かせるように。


「正一さんがね、別の女と一緒にいたのを見ちゃったの…それを問い詰めても、彼は何も言わなかったわ…それから…正一さんは全く帰って来なくなった。…直ぐにわかったの…あの女の所だって…正一さんのことならなんでも分かるわ………でもそれも、あたし達の為なのよねそうなのよね」

母は、そこまで言うと無言で立ち上がり部屋にこもった。

それから自分は、1週間…何も口にできなかった。お腹が空いて空いて仕方ないのに、冷蔵庫には何もないんだ。

アパートだったから、家賃を滞納してると水道さえ通して貰えなかった。

それから1週間経った時、母がこけた頬に涙を流しながら餓死寸前の自分を抱きしめながら、何回も何回も謝って食べ物を与えてくれた。

でも信じられない事に、それが何度も続いたんだ。

母は次第に狂い始めていた。

優しかった母。いつも面白くて、元気で、綺麗だった……母さん。


ある日、母はいなくなった。

いるのは、自分に暴力を奮う、母さんの面をした化け物だけだった。


毎日母さんの帰りを待った。

そんな時に出会ったのがアイツ。

隣に住んでて、優しくて…妹みたいなのに、姉ちゃんみたいな奴。

学校でも、いつもいつも一緒にいた。アイツは熱があっても学校に来た。高熱が出ても、鼻血が止まらなくて貧血になっていても、骨折していても、顔に沢山痣があっても……

そう。アイツだって父親から虐待を受けていたんだ。

だから何も無いように振る舞って、毎日を過ごした。周りとは違う、同じような毎日を過ごした。

もう少しだけ、長く生きる為に。


でもある時から、自分が化け物から受ける暴力は次第に激しくなってきた。

大きな声で、×××××!と叫びながら、何度も何度も殴り掛かる化け物。


そして、9歳のクリスマスイヴ。

自分は朝、どうか母さんが優しかった母さんに戻りますようにと願っていた。


「あらおはよう!今日は土曜日なんだからゆっくり寝ていたらよかったのに…どうしたの?サンタさんは、いい子にしてないと …プレゼントは来ないわよ~?ふふっ」

母だった。優しかった母さんが目の前にいる。母さんが帰ってきた!


サンタさんは自分に、クリスマスプレゼントを用意してくれたんだ!

喜び一杯で両手を広げて、母に駆け寄った。

「お帰り母さん!」

そう叫んで、優しく微笑む母に飛び付いた。


ざくっ。

果物をナイフで切ったような音がした。

料理番組で、料理研究家のおばさんがにこにこ笑いながら果実を切って…

今日のお料理にはこの、グレープフルーツを細かく刻んだものを―……


…嗚呼…温かい。母さんに抱き着いたからか、温かい。

でも、じわじわと、じわじわと、漏らした時みたいに腹部に生暖かい液体が伝わる。

液体は、林檎みたいな赤色だった。


嬉しい嬉しいクリスマスプレゼントは、[苦しみから逃れる唯一の方法]だった。



サンタクロースは、ぼくにプレゼントをくれた。



もう直ぐに動かなくなる幼い9歳の脳でそう、理解した。

enter>>個人date

名前:error

年齢:error

性別:error

家族構成:error

追記:更新不可。解析不796twmgj546た0


考察:データがハッキングされた模様。至急、解析せよ。

以上Ⅰ

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