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脳内eRror  作者: 樹 夜雨
第2章 祝!始まりのWH入隊……うん、波乱。
15/23

enter15>>油断大敵

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それにしても。

「…………ぅひゅぅ」

あ、いや、うるうるお目目で見つめられたらドキが胸胸(文字にするとえげつない)しちゃうんだけどさ。

「……あのー?」

「ひゃっ、ひゃい!!!?」

「あー……いや」

どうして部屋に入ってこない。かもん、きゅーとがーる?

怖がってんのは分かる、分かるんだけどさ!そこまで拒否られるとこっちもつらいわ。うん。


「…こ、怖がっちゃだめよテント…平常心よ、平常心。…新たな自分を生み出すのよ…ひっひっふぅ~ひっひっふぅ~…」

スライドドアを半分だけ開けて、その向こう側でナースさん深呼吸。

生み出すというか、産み出しそうな呼吸法。

「……よ、よしっ」

勇気が出たのか、ロボットダンスのプロ顔負けのカクカク歩きを披露。可愛いなぁ、この人。


「はっ、…ジめまして!異能者No.1010っ…デす!」

片言。外人さんですか。てか距離、ちょっと遠くね?半径1メートル以内に近づかないで!とかそういうの?泣


……で、異能者と。え?異能者?

「あら、あなたが1010番ちゃんねん」

予想外に、ベッドに威張って座っていたツーさんが反応した。

会ったばかりの艶かしいような言い方且つ、上から目線だ。


「知り合いっすか」

僕が言う言葉に、ツーさんが外人ばりの動きでさぁ?とやってみせた。ツーさんの目には面倒くさそうな色が出ている。

「お、お初にお目にかかります!異能者No.1010と申します!(土下座)」

彼女はきっとMだ。急に土下座をはじめた。ツーさんに頭が上がらない!って風。会話を始める二人。きゃっきゃうふふ。


…………。

………………………………。


………。

……あー……。

結果。二人の話している会話は、マニアックというか内容が非現実的過ぎてついていけなかった。

現実しか受け入れなかったら、ここまで感受性が失われるらしい。みんな。妄想しよう、妄想。


別の意味で緊張はしているが、さっきまでの恐怖らしき緊張は解けたようだ。

表情が豊かになっていて、ハキハキしている。

近づいてみると(半径1メートル以内じゃないけど)、本当に可愛い人だった。お人形さんみたいな。見た目は10代後半から20代くらいで、栗色の髪がふわふわ揺れている。普通に普通のナースさんなんだけど、この子も異能者なのか…


異能者も、人間だもんな。仕事くらいするよな。

それにしても、番号が1000過ぎまであるって…どのくらい異能者はいるんだろうか。

ん?あ、テントってもしやten ()

「…検査項目としては、以上なのね。ありがと1010番ちゃん」

「恐縮です」

あ、やべ。聞いてなかった。

ふと、思考を現実に引き戻してみると相変わらずテントさんは土下座していた。んで、ツーさん脚組んで偉そう。

この図をみて、上下関係は明らかだけどそんなにツーさんって偉いさんなのか?エロいさんじゃなくて?


「じゃ、1010番ちゃんが慣れてきたところで私も病室に戻るわねん」

「あ、はい!有難うございました!」

頭擦りきれるんじゃないのかってくらい、土下座で頭を擦り付けている。

スライドドアが閉まるまで、テントさんはそうしていた。


「あの…」

「あ、はい!どうしました?」

にこやかに振り向かれる。足がつっている訳でもなく、すっと土下座から立ち上がった。

先ほどまでの恐れ戦く表情とはうってかわって、優しいナースさん顔だ。

「このベルト、なんでされてるんですか?僕」

べつにかまないけど、聞きたいと思ったことは忘れないうちに聞いておこうと思った。

「あ、明日の検査が終わり次第、結果に基づき外させてもらいますよー」

曖昧に返された。質問の答えになってない。いってはいけない規則なんだろうか。

「……そっすか」

僕も、曖昧に笑っておいた。何だか泣きそうになったのを堪えて、目を閉じた。


報告書


筆記者:異能者No.1010

担当:異能者No.00

メモ:精神安定剤投与しました。

本日初めて対面しました。

ベルトに対して思いの外、嫌悪感もなく精神も安定している様子です。


○月○日○曜日○時○分





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