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脳内eRror  作者: 樹 夜雨
第1章 error発生
1/23

enter1>>開始

すたぁと.×××


俺達は探していた。


ずっと、探していた。


きっと在ると、信じていた。




私達はただ、[居場所]が欲しかった。




「…はぁ…っ……はぁ」


何故


「ぁあ゛ぁ……はぁ…っ…」


何故


「やめろ゛ぉおおぉぉぉぉぉ!!!!!!!」




僕等に[居場所]がなかったんだろう?



どうして───────……………



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「にゃんちゃん、にゃんちゃん。」


今日は、皆大好き日曜日。

誰だって昼まで眠りたいだろう。

「にゃんちゃぁぁん」

なのに朝早く、僕を起こそうとする輩がいる。ゆさゆさ。ゆさゆさ。


「にゃんにゃんにゃん、とっても大好き…にゃんちゃーあん♪」

なのに朝早く、お馴染みの国民的アニメのテーマソングで起こそうとする輩がいる。


「ねぇ、にゃんち…」

「あ゛ぁ!!!!五月蝿いなぁ!!もう!!」

僕の睡眠はいつもコイツによって阻まれる。

「おはよーにゃんちゅん!!!今日も相変わらずイケメン君だにゃぁん♪」

その輩は僕のアパートの隣人である幼なじみの少女であった。

琉知愛(ルチア)!!!勝手に家に上がり込むなよ!!」

そう暴言じみた言葉を吐いた所で、琉知愛は笑みを崩さない。気崩した学生服をぶんぶんと振り回している。

「ってか、何か全身から朱い液体流れてるし!!大丈夫か!!つか、グロテスクだよ!?」

そう叫んだ所で、琉知愛の制服が泥まみれなのは毎度の事だから何かが変わる訳ではないが。


この少女の名は氷藤(ヒョウドウ) 琉知愛(ルチア)

年齢は、僕の2つ後輩。…とは言っても、僕と琉知愛はただの引きこもりーズだが…


琉知愛とは、いろんな意味で昔からの腐れ縁だ。

同じ誕生日、同じ家族構成、その他何もかも同じだった。

これは恐らく小学生の時だが、深夜に観たアニメで同じキャラクターの熱烈なファン(持ち物全部にその落書きとか)になり、それをオタクだと同級生が虐めてきたのも同じ年月日だったそうだ。

まさかのまさかで、僕の部屋と琉知愛の部屋の家具の置き位置さえ同じ…

実家に帰る時もいつも同じタイミングだった。


そして、言わずと知れたように、お互い一人暮らしする時も、合わせたように同じアパートになった。

最初は恐怖すら感じたが、今ではどうでもいい。


「クっくっく…今朝は台所で鮪さんを捌いたんだー、食べてー♪」

そして、毎朝僕に上機嫌で迫る。ご飯はいつも、隣から琉知愛がやって来て一緒に食べるのだ。鯖を捌くとか、日常風景なのでスルー。


「ん、…鯖を…()を!()く!…はは」

白い目で見てくる琉知愛はほおっておいて、とりあえず用意してくれた鮪の刺身を口に含む。

「あー!!にゃんちゃん、いただきますは!?」

こいつは僕の母親かっ。本当に日常茶飯事なもので、幼なじみと言うより姉弟と言った方が正しい気がする。


「あーはいはい、いただきやーす…」

苦笑いしながら毎度の説教に応えると、琉知愛が再び嬉しそうに笑った。

「クくくっ、私も何か作ろーっと」

エプロンを付けながら琉知愛は台所へ歩いて行く。

これぞ、誰もが羨むアニメチックシチュエーションよ。

DT諸君。まだ希望はある。ふははは…まあ、小さい頃から一緒に育ったもんで、恋愛感情なんか欠如してて欠片もないがな!!!(涙目)


………、

ここまでは、当たり前のように毎朝僕達が繰り返してきた行動パターンの全貌だ。


……しかし、



今日は何だか違和感を覚えた。



「ご馳走様でした…っと」

「クくっ、お粗末様!!」

台所から何か、磨ぐ様な音が聞こえる。秋刀魚か?鮪か?……魚は漢字が難しくてたまらん。てか、まず読めない。


今日は日常風景を脳内で文字に変換していたものだから、頭が嫌に冴える。

普段なら、このままネットサーフィンかネットショッピング直行なのだが、何故だろう。

今日は、早く外に出たいと、早くこの部屋から出ろと、脳で謎の危険信号が鳴っている。


「ちょっと、久しぶりに外、出てみるわ…」

ニートにとって、外に出る等という行為は、学校1のマドンナに全裸で告白するようなもので…

………いや、待てよ?まだ全裸で告白の方が、気分的にすっきりするかも…ドキドキ


なーんて、前のめりな気分を押し留めながら、玄関扉のドアノブに手をかけた。

「………」


ズ、ヒュっ

風を切る音がし、頭の横を何かが突き抜けた。

一瞬、鳥が全速力で通り抜けたのかと思った。…のも束の間。

ガキンっと金属音が響き…玄関扉(もち金属製)に何か突き刺さっているのが目に留まった。

…大刃包丁だった。


「る、琉知愛…………」

悪寒が走り、動けなくなる。風を切る音を聞いた耳元がキリキリとつるような感覚。

「に…人間狩りが趣味だったり…とかいってなんちゃって…」

投げた犯人は琉知愛しかいない…はず。

「…というか…危ない…っだろ…?コレは…冗談抜きで刺さってたら…ど、どうするんだよ…って、もー琉知愛つんったらぁ!………。」

当たり障りのないように語りかける。

あとにも先にも、琉知愛がキレて暴れる奴であることはないだろう。それほど、温厚で、優しい子なのだ。


「りゅっ……るーちぁちゅーん?」

琉知愛は、辛い悩み事があるのかもしれない。(噛んだのはスルーでお願いします)

「…しかも…なんで、その、ほ……包丁…?」


琉知愛、そこに、キッチンにいるんだよな?

見に行って、発狂した琉知愛にぐさり…いやー血ドーロドロ…なんて事は嫌だから必死に話しかける。背中がびくっ!と震えているが、武者震いだ!(なんの)

それでも尚、琉知愛は声を発さない。


「なぁ、る、……琉知愛……!」

ム……短気だな僕、治さねば。

恐怖より、苛立ち。人間、腹が立つと、今までの恐怖は全て忘れるようだ。琉知愛のいる(であろう)台所まで早足で向かう。

僕が台所に来たタイミングで、琉知愛が避けたように僕の横を通り抜けて玄関までふらふらと行く。

「おい、琉知…………っ」


ギギギギ、キンっ…

「……にゃんちゃん、知ってる?」

琉知愛が扉から、深く刺さっていた包丁を簡単に引き抜いた。

「えッあっ…なっ…何を?」

運動知らずの細っこい腕で、引き抜くという倒錯的な感覚が、僕に危険信号を響かせる。さっきよりももっと。


琉知愛は、先ほどから僕に背中を向けている。

でも何故だろう。見飽きるくらい見ているはずの琉知愛の背中は、薄暗く見えた。加えて、少し声が低く聞こえた。

「今朝、ね?」




「殺されちゃったんだよ、私のお父さん。」




琉知愛がカラカラと笑った。

「……っ…な、何、言ってんだ……」

僕が震える声でそう言った瞬間、琉知愛の笑い声が止んだ。

息を呑む。口内が乾燥してきた。

今だ、琉知愛は僕に背中を向けている。

「……」

身動き一つ取らない、その小さな暗い背中から全く目が離せない。


「……る、琉知愛…嘘、だよな…?」

琉知愛に近付きつつ、恐る恐る聞いた。

短いはずの廊下はとてつもなく長く感じる。


「…………………」

琉知愛は、黙り込んだままだ。

僕の希望は放置プレイではなく、女王プレイだ。

………誰だ、白い目してる奴は。


自分の脳内ギャグに少しだけ緊張が解され、琉知愛との、距離をじりじりと詰める。

…ほら、普通の琉知亜にしか見えない。……よな?


「な、なあ…琉知愛………」

黙り混む琉知亜の背中はやはり、本当に不気味で。

しかし、この悪いジョークを見破るためだ。思い切って彼女の左肩を引っ張った。


「クくくっ……にゃんちゃん、冗談だよぅ♪」

琉知愛は、いつものように笑っていた。楽しそうなニヤケ面が腹立つ。

張り詰めていた糸が、途切れた気がした。


「ああもう…からかうなよ!!」

そうだった。琉知亜はこんな奴だった。


僕はすぐさまパソコンを起動し、普段だらしの無い生活を再開しようとした。

何が危険信号だ、馬鹿げてる。僕ぁ文明人だ。最新型ノートパソコン万歳。



<――…速報、今入ってきたニュースです。某所、今朝六時頃、死後13時間は経過している焼死体が発見されました。近くの防犯カメラ2台には終始、氷藤匠(ヒョウドウ タクミ)さん(48)とみられる人物以外誰も写っておらず、現場検証を…――>



「…氷藤匠?」

その名前には、明らかに聞き覚えがあった。[氷藤匠]…それは、氷藤琉知愛、彼女の父親の名前だった。


もしかして琉知愛が言ったのは真実なのか…?

琉知愛は何考えて………

あれ?そういえば、アナウンサーは確実に、聞き逃してはいけない一言を放った。


『速報、今入ってきたニュースです』


なぜ、琉知愛が情報局より先に知っているのだ。

そういえば…

炊事洗濯、食料調達さえ琉知愛がいつの間にかやってくれてたから、引きこもり続けてても何も苦じゃなくて…琉知愛や、家族のことなんて全く気にしてなかった。


……あれ?

僕、ホントに一緒に生活してたっけ。

外の様子なんて、最近考えたことあったかな…


「………見~ちゃった~見~ちゃった…」

画面に釘付けになっていて、琉知愛が背後に立っている事に気がつかなかった。


「琉知愛、これって…」

振り向くと琉知愛が、大刃包丁を振りかざしていた。


「うわぁあぁぁあぁ!?」

反射的に、琉知愛を蹴り飛ばした。

「………ぎッ…」

思いの他、琉知愛の身体は至極軽く、僕の蹴りで簡単に壁に激突し、血を吐いた。手から離れた包丁が壁まで滑る。


「る、琉知愛…さっきはスルーしたけど………何のつもりだ!!」

罪悪感と恐怖感を持ちつつ、琉知愛から急いで離れる。足はふらつき、視覚が定まらない。


「ガっ…ぎ……ク…くく…っにゃん…ちゃん……折角…助けテあげてタノに…ハジ…始マったんだヨ…あれは始まりの…クくく……ハジまり…」

琉知愛が虚ろに、虚ろに、そう呟いてる。


琉知愛がおかしくなった。

だから僕は外に飛び出した。

はじめまして、(イツキ) 夜雨(ヨサメ)と申します。


私、まだ高校生でございます。

文章力は、他の先生方に比べればほぼ皆無でございましょう。


そして、処女作となりますこの作品、至らない点もございましょうが何卒宜しくお願い申し上げます。


是非、ご愛読していただけたら、と思います。

コメント、ご要望等ございましたら、誹謗中傷以外での投稿よろしくお願いいたします。


今後とも、よろしくお願い申し上げます。

樹 夜雨


※初回掲載時2014/3/14

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