次代の王様を決める為の難問
昔々のお話です。
とある時代、とある場所、ローズロード国でのお話です。
昔この場所は大きな一つの国であるロードリアという国があり、この辺りも治めていたという伝承が残っていました。
しかしながら、現在、その国があったとされる場所にはこの国の北側にある、死の森または不帰森を中心に3つの国に別れていました。
この国の王様には3人の息子が有りました。
ここでは仮に一の君、二の君、三の君と呼ばせていただきます。
この王子様達ですが、それぞれ血筋正しく、武勇に、内政に、外交に優れており、それぞれの王子が優秀で甲乙つけることはできず、どの王子様が王様になっても国は安泰だと言われておりました。
この国では、王様になるのは、王様の子供の中で一番初めに生まれた男の子ではなく、王様が一番優秀だと認めた男の子でした。
その為、王様は、三人のうち誰に国を継がせるべきかとても困っていました。
ある日王様は思いつきます、『三人がそれぞれ甲乙つけられないのであれば、一番運の良いものに後を任せれば様のではないだろうか?』と。
しかしながら、三人の中で一番運の良い者を選ぶにはどうすればよいのかが分かりません。
そこで王様は、国の宰相達と相談することにしました。
そして王様達は、三つの難問の調査を三人の王子様に出し、その難問の解答をいち早く持ち帰った者を次の王様にすることに決めました。
誰がどの難問を担当するのかは公平にその場で札を引かせることになりました。
用意された難問は
①西の海に出没する海賊の調査・捕獲の事
②東の交易路の先に存在する国の特産品である絹の貿易路を交渉・確保する事
③不帰森の呪いの調査・解呪方法を提示する事
それぞれ交渉術の他に運がなければ成功しないだろうし、難問であると同時に国益にもつながる為、王様を決めるにはとても良い案だと思われました。
しかしながら、③番目の難問だけは無理だろうと王様達は考えていました。
なぜなら、不帰森と言われている森は、過去200年ほど様々な勇者と呼ばれるものが何十人、何百人と立ち入ってきましたが帰ってきたも者はほんの2・3人しか居ないという話なのですから。
こればかりは解決は無理であろうという理由から、一時は違う難問に変えた方が良いのではないかと言われたほどでした。
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