ホットケーキの定義
「ホットケーキって決まり無いの?」
「厚めに焼くのがホットケーキで、厚さの定義がないのがパンケーキで、基本的には同じものを指すって学校で習ったよ」
息子が、お菓子の専門家である妻に質問していた。
「ごく普通のホットケーキが食べたいのに、変にフワフワして食べた気がしない分厚いやつは、名前を変えるべきだと思う!」
まあ確かに、見た目を大幅に変えたなら、違う名前を付ければ良いのにとは思うけど、知名度の点からそれは難しいかもしれない。
「原材料があまり変わらないからねぇ」
「変わらないの?」
「実際に確かめた訳じゃないけど、配合中の卵白を泡立てて使っているんだと思うよ。食べたこと無いけど」
「同じ材料を使ったら、必ず同じお菓子になる?」
「ならない。仕上げの形状で、名前が変わるものが多いね」
「なら、やっぱり、あれはホットケーキじゃない!」
息子的に、フワフワのホットケーキは納得が行かないらしい。
「どうしたら、違うってことになるだろう?」
「美味しいホットケーキ屋を開いて周知でもしたら?」
「成る程」
ふと思ったことを呟いてしまった。
「その場合、フワフワのやつを作って違う名前を付けて売らなきゃならないのでは?」
「それを食べたくないから困ってんのにぃ!」
「簡単なんだから、自宅で自分で作ったら良いよ」
妻は笑いながら行ってしまった。作ってはくれないらしい。




