表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/52

27話 ギルド対抗戦とか始まりそうじゃない〜〜?

「ねえねえ、“競い合う集団”ができたら、次ってやっぱり“戦い”だよね〜〜」


ナミは雲の上で仰向けになりながら、足をぶらぶらとさせていた。


焔の枝ギルドができてからというもの、近隣の村にも同様の“スキル集団”が次々と誕生していた。


「“水の輪”とか、“風走団”とか、“黒鉄の灯”とか……ネーミングセンスまで出てきてる〜〜! 超たのしい〜〜!」


人間たちは、スキルと信仰と役割を軸に、自発的に“ギルド”を作り、競い合うようになっていった。



ある日。

焔の枝の本拠地に、別のギルドから使者がやって来た。


「我ら“黒鉄の灯”は、鍛冶と戦闘において他に劣らぬと自負しております」

「貴ギルドの実力、ぜひ模擬戦にて確かめさせていただきたい」


エルは驚いた表情を浮かべたが、少し考えてから静かにうなずいた。


「……我らもまた、試される時が来たということか」


こうして、初の“ギルド対抗模擬戦”が開催されることとなった。



空の上。


ナミは歓喜のあまり、回転しながら星の合間を飛び跳ねていた。


「きたきたきたきた〜〜〜〜っ! この展開待ってた〜〜〜〜〜〜っ!!」


記録用パネルには、すでに「対抗戦:観察項目No.071」とタイトルが打たれていた。


「集団の“力の見せ合い”って、個人バトルよりずっとドラマがあるんだよね〜〜! 連携とか、駆け引きとか!」


ナミの目がきらきらと輝く。



対抗戦当日。


焔の枝ギルドの広場には、他ギルドの代表者たちと観客が集まっていた。

焚き火の神前に祈りを捧げる者。

緊張に震える新人。

どよめきと歓声が混ざり合い、空気が高まっていく。


「第一試合、剣技部門——!」


エルの部下であるレイと、黒鉄の灯の若き鍛冶師ガルドが向かい合う。


剣が交わる。

火花が散る。

スキルが発動し、空気が唸る。


「やば〜〜〜! これ、すっごく劇的〜〜! 火花バチバチしてて、めっちゃ見応えある〜〜!」


ナミは空で大騒ぎ。


勝敗は僅差。

だが、どちらのギルドも互いの技量と努力を認め合い、

最終的には「合同訓練」の提案へとつながった。



「……へえ〜〜、ケンカにならないんだ? そっか、“勝ち負け”って、ただの手段なのかも〜〜」


ナミはぽつりと呟いた。


人間たちは、戦って、学んで、そして共に進もうとしていた。


「観察、たのしすぎる〜〜〜!」


記録パネルに新たなページが増えるたび、

ナミの笑顔もまた、深くなっていった。

感想・評価いただけると励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ