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26話 ギルドって響き、いいよね〜〜!

「ねえねえ、最近さ〜〜、やることが“職業”っぽくなってきてない〜〜?」


ナミは宙に浮かびながら、両手をぶらぶらとさせていた。


地上では、スキルを持つ人々が役割ごとに集まって、共同で作業をするようになっていた。


火を操る者は調理や鍛冶。

水を呼ぶ者は井戸の管理や灌漑。

剣を振る者は獣退治や護衛。


「ほらほらほら〜〜、分業! 機能分化! これもう“社会”って感じ〜〜♪」


ナミはワクワクした気持ちで空中に記録パネルを展開し、村々のデータをまとめていく。


「そろそろさ〜、“集まって技術を共有する場所”とかあったほうがよくない? ってことは……」


彼女の口元がにやりと笑った。


「“ギルド”だね〜〜〜〜〜!!」



その数日後。


エルを中心とした数名の冒険者たちが、広場に一棟の建物を建てていた。


「ここに、スキルを持つ者たちの拠点を作ろう」

「情報を共有し、技を磨き、依頼を受ける場だ」


誰かが言った。


「それ、“ギルド”って名前にしよう」


村の子供たちは目を輝かせ、木材を運ぶ手伝いに加わった。

女性たちは食事を振る舞い、老人たちは過去の知恵を語った。


やがて、その場所には看板が掲げられる。


《焔の枝ギルド》


それは、最初の“スキル集団”だった。



空の上。


ナミは指先で拍手を打ち、歓声を上げた。


「うひょ〜〜〜! 勝手に名前まで考えてくれた〜〜! もう完璧に“世界観”ができてる〜〜!」


記録パネルには、各地で始まりつつある“スキルギルド”の萌芽が示されていた。


「拠点ができると、そこを軸に交流が生まれるし、文化が加速するんだよね〜〜!」


彼女は満足げにくるりと宙で回転し、さらに指をくるくると回す。


「じゃあ次は、ギルドごとに“得意分野”とか“シンボル”とか作ってさ〜〜……」


人間たちの行動が、次々に“システム”へと変化していく。


そのすべてが、ナミにとって最高に面白い“遊び”だった。



その夜——


エルは焔の枝ギルドの集会で、こう語った。


「我々は、ナミさまの意志を受けて動く者たちだ」

「力は、孤独な誇示ではなく、誰かのために使われるべきだ」


仲間たちは静かにうなずいた。


ナミはそれを聞きながら、にっこりと笑った。


「わたし、そんなこと考えてないけどね〜〜。でも、なんか……いいよね」

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