第20章 深夜の異変
周天明の意識が梵天塔に沈み込んだ瞬間、目の前に威厳ある金色の宝塔が浮かび上がった。
その宝塔は全部で九層あり、各層が柔らかな金色の光を放っていた。しかし今、最下層の第一層だけがかすかに光り、残りの八層は朧げな霧に包まれていた。
【梵天塔修練空間へようこそ】
【現在開放中:第一層】
【第一層機能:時間流速調整(現実1時間=空間3時間)】
【修練効率上昇:+50%】
周天明がまだ詳しく探索する間もなく、胸が激しく熱くなるのを感じた。
いや、熱いのではない。
共鳴だ。
梵天塔が共鳴している。
その感覚はまるで......何かを呼んでいるような、あるいは何かに応えているような。
周天明の意識は一瞬で現実に引き戻され、彼は勢いよく目を開けた。
胸の梵天塔はまだ熱く、しかもどんどん熱くなっていく。
これは一体どういうことだ?
周天明は窓の外を振り返った。
夜空の遠くの地平線が、オレンジ色の炎で真っ赤に染まっている。その炎はまだ激しく跳ね、半分の空を照らしていた。
火事?
しかし梵天塔の共鳴が彼に告げる——
それは普通の火ではない。
それは......梵訣だ!
周天明の脳裏に突然大量の記憶の断片が溢れ出た。
それは前世の記憶。
正確に言えば、第五世の記憶だ。
あの世では、彼は西域のある古寺で修行していた。寺には古い秘伝書が一巻安置されていた——《大梵真訣》。
それは仏門の至高功法の一つで、伝説では極限まで修練すれば天地間のあらゆる炎を操り、さらには「梵天聖火」を凝縮して、すべての邪魔を焼き尽くせるという。
しかしあの世で、謎の敵が寺を襲撃した。
その者の実力は想像を絶するほど恐ろしく、一掌で護寺大陣を粉砕し、寺の百人以上の僧侶を虐殺した。
最後に、彼は《大梵真訣》を奪い去った。
そして周天明のあの世での身分——明空法師——もその者の手で死んだ。
あの敵の顔を、周天明は今でも覚えている。
冷酷で、残虐で、絶望的なほど強大だった。
「梵訣......どうしてここに?」周天明は呟いた。
梵天塔の共鳴はどんどん強くなり、まるで彼を急かしているようだった——
行け、それを取り戻せ。
周天明は深呼吸をし、立ち上がって黒いスポーツウェアに着替えた。
彼は静かにリビングを通り抜けた。叔父夫婦の部屋からはいびきが聞こえ、周航の部屋も静かだった。
ドアを開けようとした時、背後から軽い足音が聞こえてきた。
「お兄ちゃん......」
周婷だった。彼女はパジャマ姿で廊下に立ち、目には心配の色が満ちていた。
「部屋に戻って寝なさい」周天明は低い声で言った。
「外で火事が起きてるのに、お兄ちゃんはどこに行くの?」周婷が小声で聞いた。
「ちょっと様子を見てくる。すぐ戻る」
「でも......」
「言うことを聞いて」周天明は真剣に彼女を見つめた。「僕を信じて」
周婷は唇を噛み、最後には頷いた。「じゃあお兄ちゃん、絶対に気をつけて......」
「うん」
周天明は静かに玄関のドアを開け、外に出た。
彼は階段を下りず、逆に上った。
五階まで登り、屋上に通じる鉄のドアを押し開けると、冷たい風がすぐに吹きつけてきた。
屋上の縁に立って、周天明はようやく炎の源をはっきり見た。
市街地の方向、大体二、三キロ先の場所で、一帯の建物が燃えている。
しかしあの炎の色は......
おかしい。
普通の炎はオレンジ色だが、あの炎の核心部分には、かすかに金色が混じっている。
それは梵火の特徴だ。
《大梵真訣》を修練した者の炎には、淡い金色の仏光が宿る。
周天明が屋上から降りようとした瞬間、突然鈍い音が聞こえた。
一つの人影が隣のビルの屋上から飛び移ってきて、重く屋上に落ちた。
それは三十代くらいの男で、黒いスポーツウェアを着て、全身ぼろぼろで、口の端には血が付いていた。
しかし周天明が最も気になったのは——
この男の身体から、微弱な梵火の気配が漂っていることだ。
男も周天明に気づき、二人の視線が空中で交わった。
「ガキ、どけ」男は荒い息をしながら言った。声は弱々しい。
周天明は動かず、男の胸の位置を見つめた。
そこに膨らんだ包みがある。
梵訣はそこにある。
「お前は誰だ?なぜ梵訣を持っている?」周天明が尋ねた。
男は一瞬驚き、目に驚愕の色が浮かんだ。「お前......お前が梵訣を知っているのか?」
「それを渡せ」周天明は冷静に言った。
「ハハハ......」男は突然大笑いした。「ガキが梵訣を欲しがるだと?これを手に入れるために、俺がどれだけの人間を殺したか知ってるのか?」
周天明の目が冷たくなった。
やはりそうか。
この男が放火犯だ。
そして、どこかから《大梵真訣》を盗んだに違いない。
「最後のチャンスだ」周天明は羅漢拳の構えを取った。「渡すか、それとも奪い取るか」
男は周天明の構えを見て、突然笑った。「面白い、武術をやってるのか。だがガキ、なぜ俺が市街地で堂々と放火できたか分かるか?」
彼は手を伸ばし、掌に突然金色の炎が現れた。
「なぜなら俺は既に梵訣の力を手に入れたからだ!」
炎が瞬時に膨れ上がり、火の蛇となって周天明に襲いかかった。
周天明は足を動かし、その身は幻のように避けた。
これは前世で修練した「幻影梵音步」だ。この身体ではまだ不慣れだが、何とか使える。
火の蛇が空を切り、男の顔色が変わった。「その身法は......」
周天明は答えず、身を寄せて攻撃した。
羅漢拳!
一拳を放ち、相手の中段を狙う。
男は炎で防ごうとしたが、周天明の拳風は炎を直接貫いた。
いや、貫いたのではない。
梵天塔がその炎の力を吸収したのだ。
バン!
一拳が男の胸に命中し、巨大な力で彼を吹き飛ばした。
「ありえない......」男は信じられないという表情で自分の手を見た。「俺の炎が、なぜお前に効かない?」
周天明は当然、梵天塔自体があらゆる炎を制する存在だとは教えない。
《大梵真訣》で修練した梵火は強大だが、梵天塔の前では子供騙しに過ぎない。
「もう一度来い」周天明は冷たく言った。
男は歯を食いしばり、両手で印を結び、更に多くの金色の炎が彼の身体から湧き出た。
「炎が効かないなら、炎の熱でお前を焼き殺す!」
温度が急上昇し、屋上全体が歪み始めた。
周天明は皮膚がチリチリと痛むのを感じた。
この温度は......確かに厄介だ。
しかしその時、梵天塔から情報が届いた:
【梵火エネルギーを検出】
【吸収しますか?】
周天明は心の中で念じた:吸収。
次の瞬間、すべての炎と熱が梵天塔に吸い込まれた。
男は目を見開き、自分が放った炎が忽然と消えるのを見た。
「こ、こんなことが......」
「不可能なことなどない」周天明は矢のように前に飛び出し、右手が稲妻のように伸び、正確に男の手首を掴んだ。
擒拿手!
前世で長年修練した技が、この瞬間完璧に発揮された。
男は抵抗しようとしたが、周天明の指が正確に彼のいくつかのツボを押さえた。
封穴!
この身体には内力がないため、本当にツボを封じることはできないが、前世の経験で、周天明は巧みな力で相手を短時間反抗不能にする方法を知っていた。
男の身体が力を失い、地面に崩れ落ちた。
周天明は男の懐から膨らんだ包みを取り出した。
開けてみると、古びた糸綴じの本だった。
表紙には古風な四つの大字が書かれていた:
《大梵真訣》
見つけた。
周天明が秘伝書をしまおうとした時、遠くからサイレンの音が聞こえてきた。
誰か来る。
周天明は地面に倒れた男を一瞥し、また手の中の秘伝書を見た。
これは......盗まれたものか?
まあいい、構わない。
どうせこの男は放火犯だ。彼のものを奪うのは盗みではない。
それに、梵訣はもともと仏門のものだ。今はただ本来の持ち主に戻るだけのこと。
周天明は秘伝書を懐にしまい、身を翻して階段を降りた。
彼が屋上を離れた瞬間、梵天塔から通知音が響いた:
【《大梵真訣》を獲得】
【功徳値+100】
【理由:仏門の聖物を奪還、放火犯を制圧、更なる被害を防止】
周天明は足を止めた。
100ポイントの功徳値?
こんなに?
待て、さっきの10ポイントと合わせて......
今110ポイントの功徳値がある?
周天明は思わず笑った。
洗髄丹が手に入る。
内功心法も手に入る。
しかも《吐納訣》より強大な《大梵真訣》だ。
今夜はあまりにも信じられないことが多すぎたし、焼き殺されそうになったし、実は結構怖かったけど......
でも結果は良い。
とても良い。
《本日の功徳値収入:+100(仏門の聖物奪還、放火犯制圧)》
《累計功徳値:110》
《現在所持:《大梵真訣》》




