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「なんで、喜んでいるんですか?」

「これで、独り身仲間が増えるから」

「あ、そういう…」


別に第2王子くらいの方でしたら、国内の貴族令嬢から他国の姫君まで、選り取り見取りのはずだと思いますが。

まぁ、よいでしょう。


「そんなわけで、私は証拠を集めるのに忙しいのです。ですから、邪魔なさらないでください」

「え?こんなに面白いこと、ほかにないのに?」

「悪趣味では?」

「へへ」

「少年っぽい顔をして、ごまかさないでください」

「怒らないでよ。僕も手伝うから」

「怒ってません…て、え?手伝う?」

「うん」

「浮気の証拠を集める?」

「うん」


何言ってるんだ、王子様。

あなた、ほかにもやることいっぱいあるでしょうに。

あの肩書だけ王太子なんかより、よほど第2王子は、多忙な人です。

こんなところで、王太子のスキャンダル写真撮ってる場合ではないと思いますが。

それよりいいのでしょうか。

仮にも、王族のスキャンダルです。

あんな立場を忘れて、恋人でも婚約者でもない女とイチャイチャしている王太子であろうと、一応、王族。次期国王。

王族の不利にしかならない写真を、王子自ら撮る…?

私は、脳内に宇宙が広がりました。


「やっぱり待っていた甲斐があったなぁ。今ばかりは、兄上に感謝感謝」

「?」


やはり、王子の考えは、私には分かりません。

なので、私は私のやるべきことをしようと思います。


「僕だったら、もっと過激なのとれちゃうね。お城に一緒に住んでるし」

「そうですね。でも、あまりご令嬢の裸などは、撮らないであげてくださいね。一応、彼女はご令嬢ですから」

「婚約者がいる男を寝取るくらいだから、別に気にしなくてもいいと思うけどな。むしろ、僕が撮ってると思ったら、興奮するんじゃない?彼女」

「う、やめてください。そんな変態いませんよ」

「さぁ。どうかな…。それにしても、君はお優しい。自分の婚約者を寝取った女をかばうなんて」

「…あまりことを大きくしたくないだけです。王子こそ、どうして彼らに裸の付き合いがあると知っているのです」

「そりゃあ、城には目撃情報多数だからね。みんなが教えてくれた」

「ま、まさか陛下の耳にも、すでに?」

「さすがに父上には、まだっぽい。ただ、うすうす感づいている気配はしてる」

「う、まだ待ってほしいです。証拠がまだ…」

「別に君がわざわざ撮らなくても、王家の影を使えばすぐに済むのに。多分、今すぐでも婚約破棄出来ると思うけど?」

「私の始末は、私が付けたいのです」

「ふぅん。君もなかなか難しいね」


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