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私の父は、そのあとすぐに婚約破棄の手続きをしてくれました。

陛下にも、もちろんその連絡はすぐに行き、そして、第2王子であるエドマンドと、私が婚約をすることに、こちらが引くほど…いえ、驚くほど大賛成していただけました。

正直、陛下のあの喜びようは、驚きでしたが、喜んでいただけて、こちらもうれしかったです。


陛下は、もともと、私の家とつながりを持つことが、目的の婚約だったため、どちらと結婚してもよかったそうなのですが。

それでも、問題ばかり起こしていたヴィクターが、国王になるかは、よほど安心できるらしく、もう狂喜乱舞といったご様子でした。

それほど、ヴィクターが国王になるのは、問題だったのでしょうか…。

心中お察しします…。


どこで、発表しましょうか、と相談しますと、


「それなら、ちょうどいい。次の建国記念日に城で、パーティを開く。そこで、皆に発表しよう」


陛下は、次の建国記念日に、大々的にパーティを開くことにしているそうです。

この国は、毎年、建国記念日は、国中を挙げてのお祭りをあげております。

城でも、貴族や他国の賓客を招待し、大きなパーティがあります。

そこで、私とヴィクターとの婚約破棄、それと同時にエドマンドとの婚約を発表するそうです。


「エドマンドを狙っているご令嬢は、たくさんいるのだから、そんなことをして、私刺されないかしら…」

「別に大丈夫じゃない?兄上が、浮気を繰り返しているのは、もう周知の上だし、それに加えて父上が、君の家に執着しているのも、みんな知っているからね。やっぱりねって思われるだろう」

「だといいけど。なんだか、小説に出てくるような悪役令嬢の婚約破棄の場面になりそうで、…」

「悪役令嬢の婚約破棄…?」

「婚約者に真実の愛を見つけたから、婚約破棄をされて、ヒロインが追放されるのよ…。そして、後々、婚約破棄をした元婚約者たちが、ヒロインによって断罪されるの」

「そんな話が、流行ってるの?」

「はい」

「まるで、僕たちのようだね。そしたら、断罪されるのは、僕たちのほうかな?」

「ふふ。私たちに断罪できるような力と知恵が、ヴィクターにあれば、ですが」

「僕たちの間に真実の愛が存在しているのは、否定しないんだ」

「……」


真実の愛。

その言葉に私は固まってしまいます。

どうなのでしょうか。

私たちの間に真実の愛は存在しているのでしょうか。


「え?どうしたの?」

「い、いえ。…あるといいですね」

「あるよ!当然、あるよ!真実の愛!」

「…真実の愛という単語がなんだか気恥ずかしくて…」


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