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第1話

今回の物語は


“安心!安全!”です!!!(^_-)-☆

「で、ミナミちゃんはどうするの?」


 ゴキュゴキュ!と一気飲みした牛乳パックをストローでパコパコさせながら聞いて来る(りく)くんに私はつい吹き出してしまう。


 陸くんは小顔の八頭身、サラサラのマッシュショートに女の子の様な綺麗系の顔立ちをしている。


 その顔で牛乳パック“ビードロ”をやるんだもん!

 反則だと思う……


「この“眼福”も今月限りか……」


 心の中でちょっとため息を付く私、『鈴木七海(ななみ)』は腐女子で陰キャだ!


 陸くんとお昼の『メシ友』になってふた月余り……今でこそ、こうしてコロコロ笑っているけど、最初はガチガチに緊張してた。


 1年の時、クラスは別だったけど陸くんは“カースト”の1軍だと言うのは知っていた。


 つまり他クラスでカースト底辺の私にはカレとの接点があろうはずもない!!


 そんなカレが“事件”で下位落ちして“ぼっちメシ”の場所を探している時に、旧校舎のこの場所で“ぼっちメシ”していた私と遭遇したのだ。



「陸くん、来月にはバスケ部に戻れるんでしょ? そしたらお昼もここ来なくて済むね」


 半分()()()()()()()()こう聞くと、陸くんはストローから唇を離してちょっと考えた。


 ヤバい!!


 横顔に見とれてしまう!!



「オレって迷惑?」


「そういう訳ではないけど、私、ワイワイする雰囲気は苦手だから……お昼は基本一人がいいの」


「えっ?! おしゃべりが苦手なの?? そうは見えないけど……」


「それってディすり??」


「ディすってないよ」


「陸くんは私より背が高いからそうは思えないかもしれないけど……私、背が170もあるんだよ! しかも胸なしのいかり肩!! だけど運痴でトロいから……昔っから『独活の大木』って見上げられて……何人か集まると必ずいじられキャラになっちゃうの!!」


「……それ、考え過ぎだと思うよ! 現に、オレ達の間でそういうの無いじゃん!!」


「それは……」と言い掛けて私は言葉を飲み込んだ。変に受け止められたら……私、死んじゃいそうだから……


 黙り込んでしまった私を扱いかねたのか、陸くんは話を戻す。


「昨日読ませてもらった内容からすると……“北くん”に……“ミナミちゃん”が“嘘の自分”を創り上げていた事がバレそうなんだよね!! でもミナミちゃんはずっと年下の北くんの事が好き?愛してる??から……」


 陸くんが気にしてくれている!!!


 私の書いたラノベを!!


 胸がキューン!と嬉しくなる。


 陸くんは、お昼を食べている時にたまたま出た趣味の話がきっかけで……このラノベの二人目の読者になってくれた。

 それは単に“メシ友”のよしみで読者になってくれただけで“ラノベ”にはまったく興味が無かったはずなのに!!


 思わず顔が『ニヘラ』としてしまう。


「ん? 笑っちゃうような展開なの??」


「えーっ?! 違うよぉ~! 陸くんが私のラノベに興味を持ってくれたのが嬉しいの!」


「そりゃ!ふつーに面白いから! 他のヤツにも見せればいいのに……」


「そんなの絶対ダメ!! 陰キャは!!そんな事させたら恥ずかしくてシヌ!!」


「だってオレには見せてくれてんじゃん!」


「そりゃ!陸くんはメシ友だもん!」


「じゃあ、他のヤツともメシ友になればいいじゃん!」


「だからそれは無理だって!!」


 堂々巡りの話になって……先の展開についてはうやむやにしたけど……

 ホントは


「陸くんは、どうなって欲しいの?」


 って聞いてみたかった。


 それは……このラノベの中の“北くん”のモデルが……いつしか陸くんになったから……


 あっ!! でもそれにはこの物語のあらましをご説明しなきゃね!



 --------------------------------------------------------------------


 陰キャな私には六つ下の陽キャな妹“結愛”が居ます。


 この物語は未来の私達姉妹を想像して書いたものです。



 しがないOLの敏子は、生まれてこの方男っ気が全くないゲーム命の腐女子で……少ない給料の全てをゲームにつぎ込んでいた。


 イベントを達成する直前で力尽きたキャラのライフを保つにはあと20個の『魔導石』が必要で……給料日前にそれを得る為には、他のゲームを新規登録してチュートリアルと初期レベル達成の報酬として『魔導石』を稼ぐしかない!!


 敏子が目的達成の為にアクセスしたのはドラゴンの育成をテーマとした『マッチングゲームアプリ』“双翼のドラゴン”だった。


 そのユーザー登録が思ったより厄介で……芸能人やAI画像ではない登録者の“生写真”が必要だったのだ(マッチングアプリとしての必須条件)


 やむを得ず妹の琴美が修学旅行先から送って来た自撮り画像を使って登録し、レベル達成した後、放置していたら“スーパーウルトラレア”のドラゴンの卵を引き当ててしまい、ゲーム脳の本能に抗えずアプリを続けることになった。


 このアプリは一人一頭のドラゴンしか飼育できず、飼育したドラゴン同士が先に仲良くなって、飼い主同士を引き合わせる(勿論、男女を)


 ゲームを通じて仲良くなった男女がゆくゆくは本当のカップルになる事を最終目的にしたこのアプリでJKのフリをしてしまった敏子アバターはミナミが仲良くなったのが、あろう事かリアルDKの北くんで……


 ダメだダメだ思いながらもドンドン北くんに惹かれ、仲良くなってしまう敏子だった……


 しかし、ひょんなことから北くんは“妹”の同級生のイケメン(たかし)くんである事が分かってしまった。


 こうなってしまっては、今すぐにでもゲームから離脱しなければ全てが明るみになってしまう!!


 “北くん”とお別れしたくないけど、このままではきっと嫌われてしまう、いっそ、『ミナミは妹のアバター』と北くんに勘違いさせておけば……


 北くんは妹の事を好きになって、妹と付き合うに違いない!!

 でも、それはそれで妹に対して激しい嫉妬を覚えてしまう……


 今はここまで執筆している。


 書いているうちに“北くん”のイメージとして頭に思い浮かべるのは陸くんになって行き……私は無意識の欲求か、陸くんへの愛を育ててしまっていたらしい……


 “事件”として、陸くんに浴びせられた誹謗中傷が、実は誤解だった事が徐々に明らかになり、バスケ部の謹慎も今月末で解ける。


 そうすれば陸くんはまた『一軍』へ復帰し、私の事など顧みないだろう……


 書き始めた時は、ハッピーエンドで終わらせたいと思っていたこの物語を……


 今はバッドエンドを目指して書き進めている。



「そう言えば、このラノベのタイトルって決まってるの?」


 頭の中で思いを巡らせている私に、陸くんは唐突に聞いて来た。


「……そうね……『あと20日で居なくなる私の為に』とか?」


 って、思わず答えていた。




 つづく



少女マンガみたいな物語を私も書いてみたい!!


そんな動機で書き始めました。


到らない所がたくさんあり恐縮ですが、引き続きお読みいただければ幸いです<m(__)m>



ご感想、レビュー、ブクマ、ご評価、いいね 切に切にお待ちしています!!

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