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え? 熾天三重翼セラフィムウイングじゃないの? ま、まあいいか。急だったから、とっさに使い慣れた装備を選んだんだろう。エクスカリバーを握りしめ、空中へ飛び立つビキニ姿の巨大すもも。
「てやあああっ!」
グレートジャスタイタンはすももの斬撃を軽く身をひねってかわした。むなしく空を切った刃でさらに横薙ぎにするが、またもやグレートジャスタイタンは背を反らし、余裕でかわす。
「な、なんでっ……?」
戸惑い、焦るすもも。
『フッ、合体によりジャスイーグルのカメラを共用できるのだ。さらに空中ではジャスイーグルの機動力を用いて自由自在に動くことが可能。貴様の攻撃などかすりもせん。もはや私の完全直感に死角はないッ!』
グレートジャスタイタンが両拳を突き出すと、手甲部分が開き、バルカン砲が姿を現した。
『くらえ、ジャスバルカン!』
「べ、べったんこハートキャチャーっ!」
すももの身を守るように出現したべったんこハートキャチャーが、銃弾の掃射を受け止める。しかし、はみ出てたマッハウイングに着弾、いくつも連続して風穴が開く。
「わ、わわわっ!」
空中でバランスを失って慌てるすももに、グレートジャスタイタンが襲いかかる。
『落ちろッ!』
グレートジャスタイタンの鮮やかなかかと落とし。
「うぐっ!」
すももは交差させた腕で受け止めたが、勢いは殺せず、地面に向かって真っ逆さま、だだっ広い相馬タワー専用駐車場に墜落した。轟音とともに砂煙が舞い上がる。
「う……う……」
倒れたすももが呻き声をあげる。
「すももっ!」
展望台の屋根の上から、僕は叫んだ。ラブリーアーマーもところどころが破れ、穴があき、糸がほつれている。僅かずつだが損耗しているのだ。どうする。どうすれば、ジャスティンに……完全直感に勝てる?
「はじめ……ちゃん……」
弱々しい声。
「なんだ、すももっ?」
「……あたしと合体しよっ」
……?
「が、が、が、合体っ???」
一気に妄想が頭の中を駆け巡り、神経回路が焼き切れるかと思った。は、鼻血が……。
「ちょ、ちょっとっ! べ、べつに変な意味じゃないんだからねっ!」
あわてて言うすもも。そう言いながらも、頬から耳まで、顔が真っ赤だ。
「あっちが合体して来たんだから、こっちも合体して戦えば勝てるんじゃないかって思ったんだもんっ!」
ぷう、と頬を膨らませ、そっぽを向くすもも。
「だ、だって、機械同士ならまだしも、生身の人間同士で合体って言えば普通は……」
言いかけて、ふと思った。僕の妄想をダイレクトに伝えるのに、合体以上に良い方法があるだろうか? 問題は、どうやって合体するかだが……。
「も、もういいっ! はじめちゃんのエッチっ! きらいっ!」
「ち、ちがうんだ、すもも。聞いてくれ。僕だって、君と合体したい!」
巨大な背中を向けたすももに、僕は声をかけた。ぴたり、と動きを止め、振り返るすもも。
「……ほんと?」
潤んだ瞳でそう言ったすももに、僕は大きくうなずく。
『……今生の別れは済んだようだな』
頭上からジャスティンの声が降って来た。しまった。話に夢中で、エネルギーの集束に気づかなかった。頭上で閃く白い稲妻。
『グレートファイナルジャッジメントッ!!』
ジャスティンの咆哮とともに、広げた両の手のひらの射出口から放たれたのは、さっきの何倍もの大きさの光線だった。




