真実の歴史
ソビエト崩壊から約百年。事実上のロシア帝国……形の上ではロシア連邦となってもう一回崩壊して旧ロシア連邦内の諸民族が独立してから数十年。凍土から遺跡が発掘された。
なんだこれは!?
すっかり民主主義国・資本主義国となったサハ共和国から歴史を揺るがす大発見があったのだ。
それは『サロの物語』と『魔王の仮面』と書かれた石板が発見されたのだ。どうやって解読したのか。サハ人が来るまでの先住民族エヴェンキ族は古代から遊牧民族と交流してたから女真文字を持っていたのだ。
そしてそれは嘘でもなんでもなく実際にあったのだ。
「こ……これが『魔王城』」
発掘員が驚く。
「ここが『魔王別邸』だと?」
勿論魔王とは蔑称で本当は焔の守護神『ザムド』の仮面をかぶった真の勇者の物語なのだが、その主人公サロが作ったとされる城が見つかったのだ。しかもコンクリートで作られていた。驚くべきことに魔王城と魔王別邸には定礎があった。城が建設されたときに記念物が埋められていたのだ。守護神『ザムド』の絵にサロとシュクラの名前が刻まれていたものが埋め込まれていた。
本当に玉座の後ろに地下迷宮があった。そうやって守り抜いたいたのであろう。
ということは魔王チュリュグディの城も……。発見できたのだ。
文明が退化する時エヴェンキ族は南に進路を取ったとされる。一つはサハリンを経由して南下。つまり縄文人へ。もう一つは大陸を南下して半島へ。朝鮮民族である。
文明が崩壊する前に彼らはその文明を使って南に開拓していったのだ。故郷に残ったエヴェンキ族はさほど多くない。
――それが日本人と韓国人の祖先!?
のちに二つの民族は倭国大乱を起こすのだ。文明復興のために。一つは国津神とされるグループ。つまり縄文人。もう一つは天津神とされるグループ。つまり半島経由から来た弥生人とされるグループ。しかもサハリンを経由して南下したグループは故郷とも貿易を取っていた。その都合のいい場所が島根県。すなわち出雲文明だったのだ。
エヴェンキ族はアルタイ語族のため日本語と韓国語が親戚なのは当然である。なにせ元々の出自はシベリア北部なのだ。
「ザムド」の名は「カムド」となり「カムズチ」となり二世紀ごろには「カグツチ」と呼ばれていることが判明した。そう、焔の神「カグツチ」の事である。
しかしそれはまた別の物語である。
<終>




